自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
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勝負が久保田を呼び覚ます
「勝負の6月」多くの評論家や解説者がこの時期の重要性を言う。特に今年は1ヶ月以上に及ぶ交流試合期間が終わり、「第二の開幕」があり、ペナントレースの順位が大きく変動する可能性がある。
この日、ヤクルトの五十嵐・石井、中日の岡本・岩瀬、阪神の藤川・ウィリアムスが揃って失点。好不調のうねりが交錯する時期でもあるのだろう。

前日の頭部死球騒ぎの中、金本が5月の月間MVPに選ばれた。交流戦期間に入り、知らない投手との対戦に備え、コンパクトなスイングで対応しようとしたことが高打率に繋がった。ムチャ振りしなくても、的確にミートすれば金本にとってフェンスなんて近いもの。また自分で決めようとせず、今岡に繋ごうという意識も良い方に働いた。

非常にエネルギーの絶対量が高い試合だった。さまざまな人のさまざまな思いがグラウンドに、スタンドに結集して、1試合の中で燃え上がった。甲子園球場は、スリバチの形をした「るつぼ」だった。
ここまで無類の強さを示していた甲子園で、ホークスに3タテを喰らった。特に前日の試合は、大差を追い上げ、金本の死球に全員が逆転への気持ちを結集したのに一歩及ばない悔しい敗戦。怒りにも似たパワーが充満していた。
一方マリーンズ・サポーターの純粋な思いが、いつもの甲子園球場とは違う空気を作りだしていた。「あの甲子園球場」では、マリーンズ・ナインが実力を発揮できないかも知れない。自分たちが最高の応援をしなければ…。心を一つにした力強い歌声からその思いが伝わってきた。沿革を返り見ても、関西とは縁もゆかりもない球団。その応援団が大挙レフトスタンドに陣し、その映像と音声で作りだした存在感がこの試合の土台を形成したのは間違いない。

ヒーロー今岡は、インタビューで多くを語ろうとしなかった。もちろんいろいろな思いは後から後からこみ上げていただろう。しかしどんな言葉もその思いを伝えきれないし、言葉にすること自体がその思いを「安くする」ような気がしたのではないだろうか。正直に言えば、私もまったく同じ気持ちである。「金本敬遠に怒り」「打点王のプライド」「金本との約束」「勝利への執念」「連敗脱出へ究極の集中」…。どれもそのとおりかもしれない。しかしどんなに言葉を並べたところで、正しく表現しきれない、そんな今岡の一振りだった。

「四球とか考えずに打者と勝負することに専念した。思いっ切り投げた」久保田投手のコメント
8回表二死満塁、リードは3点、迎えるは4番ベニー。絶対のストッパーなら、まだそんなに苦しい場面ではないかも知れない。しかしここまでクローザーとして万全の働きをしていない久保田にとっては、ウィリアムスが残した大ピンチを切り抜けることは難しいように思えた。
この日のベニーなら、アウトローのストライクから外に外れるスライダーを投げておけば三振を取れると矢野は踏んでいただろう。150km/h超の直球を「来る来る」と思わせて投げないリードは巧みだった。しかし久保田の制球がおぼつかない。逆球もありながらスライダーばかり4球続けて2−2。確かにベニーはボール球に手を出していたが、この場面それぐらいアグレッシブでなくてはいけない。さすがに強いチームの4番だ。
矢野は5球目、アウトローの直球で勝負を決めにかかった。渾身の力を込めたストレートは、久保田の意志とは違い、真ん中高めに浮く。ベニーはこれを強振するがファール。高すぎたのが幸いした。ベニーは完全にバトルモードに入っている。バットが届く範囲なら必ず打つという気迫があふれる。気圧された矢野は6球目フォークを振らせようとする。目先を変えてということだろう。直球もスライダーも甘く入る可能性が否定できないための消極的選択に見えた。弱気は久保田にも伝わったか、結果、高さ(ワンバウンド)は良かったが、外に完全に外れベニーは悠然と見送る。2−3。
ここでようやく久保田の生存本能が呼び覚まされたように感じた。相手は明らかに「押し出しなんて要らない」と考えている。自分だって押し出しをやるくらいなら、満塁HRを打たれた方がまだマシだ。真剣勝負して負けたのなら悔いはない。アウトローにスライダーを決められれば勝ちだ。7球目、だがスライダーはインハイに抜ける。ファール。もはやこの時点で久保田は何も考えていないようだった。見えるのはベニーと、これから自分が投げるスライダーの軌道だけ。8球目のスライダーが、そのコース上を滑るとベニーのバットが空を切った。
大仕事を追えた久保田は、9回を当然のように3人で抑え、今までもずっとそうであったかのように堂々と勝利の握手をした。
「明日も勝ちますのでよろしくお願いします」ヒーローインタビューの最後に、久保田が珍しく叫んだ。本当はもっともっと大声で叫びたかったんだろうと思った。

Posted by torao at 09:04 | comments(8)
[投手]久保田
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久保田ひさぶりの 9回3人切りでなにかをつかんだきがします 今後に期待 先発にもう1イニング しんぼうして投げさせるくらいでないと はしけん 藤川 がつぶれてしまうよ ジェフはうーん・・・・・今岡はすごーいとしかいいようがないです 
| 星野まなみ | 2005/06/04 9:20 AM |
おはようございます。テーマは「怒りの今岡」と思いきや、久保田ですね。流石です。
コントロールが悪いなりに、結果として「満塁でリリーフして4番を三振にとった」という事実が、自信として積み重なっていけばと思います。

もちろん「絶対打ちたい場面」でホントに打った今岡も流石です。
聞こえにくい毎日放送を車で聞いてましたが「1塁を回ってガッツポーズ、2塁を回って山崎をチラっと見て、3塁を回ったところで3塁ベンチをチラっと見た」という表現をしてました。
でもボビーに替わって言い訳するとw、ロッテの交流戦用のスコアラーはたった1人で、6球団分をTV放送のビデオから分析してます。なので個々の選手の性格までは伝わってなかったのでしょう。5点差を追いつかれた直後の「魂の3ラン」は、この3連戦全ての流れを阪神へもって来たような価値を感じます。
| ばかぼん父 | 2005/06/04 10:12 AM |
今年優勝するとしたら、おそらく分岐点はこの試合だったということになるはず。

ホールド王のタイトルがセーブ王と同じくらい評価されるようになり、「ホールドの付かない場面では勝ち試合でも一線級セットアッパーは使わない」のが当たり前になり、セットアッパーにもローテーションが組まれるようになるまでは、クローザーにスポットライトが当たっている方が無難だと思うのです。
| のののー | 2005/06/04 11:26 AM |
おはようございます。
やはり「取れるときには取っておかなければ」という格言(?)は昨日も生きていました。
初回相手エースから5点を奪い,小躍りした反面,先日の引き分けに終わったBsと逆パターンではないかとよぎった不安が的中してしまった。7回裏と8回表の印象が強すぎて忘れてしまいそうですが,3回裏アニキのタイムリー2塁打の後の無死満塁で点が取れていたら…と思ってしまうのは欲張りでしょうか。清水直行は確かに不調とも見えましたが,打たれても最小点でふんばれば必ず打撃陣が挽回してくれる,といった思いも感じました。やはり20以上の貯金をもって首位にいるチーム,何と言うか一体感が違います。ボビー監督はコメントで,力強く戦ったナインを誇りに思うとたたえ,7回の金本敬遠は自分のミスだったと率直に述べていましたが,こういった発言を伝え聞くと選手もそれはやはり「やってやろう」という気になりますよね。
強く,勢いのあるいいチームに,全力を尽くして「勝つ」タイガース,今日も見たい!
| おかぼん | 2005/06/04 11:28 AM |
こんにちわあ。
やはり、5点くらいのリードじゃ、
今の阪神は怖いなあ〜と実感しましたね。
まあ、実際追いつかれたわけですし。

くぼちんは昨日、お立ち台に立ったことで、
また1つ、気持ちを新たに、
本当の守護神へ一歩進んでくれるといいのですが。
今岡会長は興奮しすぎて面白かったです(笑)
| ちょびうさ | 2005/06/04 11:54 AM |
ご無沙汰しとります (^^ゞ

相手・清水直の不調もあったにせよ、初回から甘い球を積極的に打ち返すシンプルかつ基本的な打撃をようやく見せてくれましたね。
その七回裏も、先頭の関本が甘い球を素直に打ち返して二塁打、クリンナップにいい形で回してくれました。
この好球必打の気持ちが徐々にマリーンズを心理面でも作戦面でも追い込んでいった・・・っていったら大げさでしょうか。

八回表の久保田に、一昨年の東京ドームでの「対高橋由」を思い出した方もいらしたことでしょう(というより、彼と矢野が思い出したのかもしれませんが)。
抑えの向き、不向きとか球速ほどにキレない真っ直ぐとかいろいろ言われる久保田でしたが、やっぱり彼の心臓にはちゃんと剛毛が生えていたんだなと再確認することができました(笑)。
| トラのシッポ | 2005/06/04 12:10 PM |
ホークスとマリーンズ、ともにいいチームです。しかしのチームカラーは大きく違う。ホークスは個人のポテンシャルの高さで強さを発揮しているのに対して、マリーンズはチームのまとまりの高さで強さを発揮している。2003年優勝時のタイガースに通じるものをマリーンズは感じさえる。そんな強さだ。ホークスはタイガースとはまったく異質なチーム。そこにある種のリスペクトすら感じる。

2005年型タイガースの基本はやはりマリーンズと同系統のチームだと思う。それゆえに戦いやすいし、それでいて手ごわい。この3連戦、よりチームカラーを発揮したほうが勝ち。初戦は勝ったが敵もこのまま負けていないはず。ホークスとは違うスタイルの野球をあと2試合、存分に楽しませてもらえそうだ。

登板のたびに良い時と悪い時が交互やってくる久保田のピッチングだが、徐々に良い時を増やしていければよいと思う。今年一年かけて「クローザー見習い」の「見習い」が取れるくらいの気持ちで私は見ております。
| いわほー | 2005/06/04 1:10 PM |
所用でまだ本日の試合は見ていません。ですので結果は信じません(笑)。

to 星野まなみさま
久保田、良い経験しています。誰もが任してもらえるような状況ではありませんから。阪神の投手は幸せ者です。こんなに心配してもらえるんですから(笑)。Gの前田や林やシコースキーや久保なんかもこんな風に心配してもらっているのかな?(笑)。私は、登板過多でも、使ってもらえるうちが花よ、と思ったりもします。

to ばかぼん父さま
関係ない話ですが、すごく不思議なことがあります。MBSといえばTBS系。ところがナイター中継に限っては、ネットがずれてるのはなぜなのでしょう。TBSはABC制作を放送し、ニッポン放送がMBS制作を流すんです。きっと歴史と伝統があるんでしょうけど面白いです。
今岡は寡黙なので、つくり出されるドラマが、とても「高価な」感じがします。ボビーは自分の選択を後悔しているようですが、事実併殺打も多いのが今岡です。いろいろなことを考えれば無理もないと思います。でもおっしゃるように、「絶対」の場面、しかも金本との勝負を避けた場面の今岡は、打率9割(イメージw)だということがおわかりでなかったようですね。

to のののーさま
確かに「同じ1試合」では片づけられないような試合でしたね(前日の金本の死球の試合もそうですが)。
「クローザーはそのチームで一番良いリリーフ投手」これが常識ですもんね。野球選手も人気商売なのですから、「一般的な評価」というものから離れたところで生きていけません。でも本当に今年のタイガースを見ていると、9回に試合を終わらせる仕事より、7回に試合の方向性を決める仕事の方が評価されて良いなぁと思ってしまいます。チームの特徴などもありますからね。記録や他球団との比較ではなく、正しく査定し、金銭的な評価を行うことが何より重要だと思います。

to おかぼんさま
とにかく思うような試合展開にはなかなかなりませんね。もちろんこっちの作戦の選択ミスや、心構えの問題もあるかもしれませんが、とにかく相手が強いです。強いチームは楽な試合展開を許してくれませんね。
そりゃロッテだってひとつひとつあげつらえばいろいろあります。あの場面のベニーだって、もっと見極めが良ければ押し出しでした。でも1年トータルで考えれば、あそこで見逃し三振のリスクをおかしてまで見送るより、決めてやる!と振っていった方が良いに決まっています。そういう攻める気持ちが強さの秘密のように感じました。

to ちょびうささま
いやなに、「今の阪神」が問題なのではありませんて。交流戦、どのチームも阪神には必死に立ち向かって来ます。正直、どこも強いです。今の阪神は決して弱くありません。弱い阪神のことなら私は死ぬほどよく知っていますから(笑)。
昨日、久保田が得た経験値は2万ポイントくらいです。3回くらいレベルが上がりました。へたくそでもギリギリでも、こうやってボスキャラをやっつけて強くなっていくのだと信じています。

トラのシッポさま
この交流戦では、「積極性」こそ最大の武器であると痛感しています。どちらがよりアグレッシブだったかで大概勝負が決まっているように思います。
ちょっと乱暴な物言いですが、あんまり久保田を過保護にすべきではないのかも知れません。闘争本能が持ち味なら、「楽なところから段階を踏んで」なんてやっていると腐っちゃうかも(笑)。なんにせよ、決して過小評価すべき投手じゃありませんよね。

to いわほーさま
ホークスは王さんのチームですよね。本当に尊敬されるようなチームです。
kisaragi-earthさんのGold Rush6(http://goldrush.tblog.jp/)で教えてもらったのですが、金本選手も自分のHPでホークスへの敬意を表しています。
マリーンズはおっしゃるように同系統のチームです。でもうちより迷いがない感じを受けます。そして控え選手の活用については、悔しいけれど、だいぶ先を行かれています。参考にできることは多々ありますよね。
| torao | 2005/06/04 10:29 PM |

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