自称阪神タイガース評論家（跡地）

結局、松坂も井川も当初常識的な線と言われていた数字の倍になっちゃった。その常識というのは、「最悪の危険性」から「嬉しい誤算」までの範囲でどこをとるかということになるんだろう。まずは、日本ブランドの安心感が高めにさせるんだろうね。たまに大コケもあるけれど、故障やコンディション面での失敗がほとんど。松坂にしても井川にしても頑丈さから来る安心感はある。
それと特に井川の高値については、タイガースファンという市場も当てにしているんだろうなぁ。タイガースファンというのは、プロ野球ファンの中でもかなりグッズを買う方だと思う。売る側も商魂逞しいから、公式グッズだけでも広範な品揃えをしているし、星野時代くらいからは部外者からの申し入れに対して、審査＆球団お墨付きマークを与える、公認（承認）商売をかなり手広くした。また、キャラクターの立った選手にも恵まれているし、トラッキー＆ラッキーという強力なマスコットを持っているのも大きい。
で、そんなファンがＭＬＢグッズをどれだけ買っているかと言えば、おそらく平均的な日本の野球好きから言えば、だんぜん「買わない人たち」なんだろうと思う。特に最近のチーム状況はこの世の春とも言えるようなぽかぽか陽気なわけで、これを満喫しないでどうすんだという心境。海の向こうのことなんてどうだってええやんという人が多いと思う。
松井秀を追うようにＭＬＢへの関心を高めた層は全国的に相当あっただろう。もちろん遡れば、野茂やイチローの時もね。それでもそういう過去の転機においても、比較的動きが鈍かった（であろうと私が根拠もなく思っている）タイガースファンが今回は大きく動くだろう…ＭＬＢとＮＹＹはそう考えているに違いない。いつの間にかタイガースファンというのは、単なる地方勢力ではないどころか、最多数派と言われるようになっている。ここはもっと開拓できるぞってね。実際注目度は高くなるだろうし、開拓の第一歩になるのは間違いないだろうな。

井川への切ない乙女心を暴力的に書かせたら世界一（そうや！来年から英語で書き！w）のあらんじさんが、デイリーに載った単独インタビューを起こしてくれていた。読後の感想はいろいろあるのだけれど、まず、まだ心が安定した状態でない中でのインタビューだったろうから、感情面のことはつっこまないであげた方が良さそうかな。一番気に入ったのは、岡田監督の思い出のくだり。「変化球だけで…」「やればできる」ええ話やないの！
この「変化球だけで…」からの連想でもあるのだが、個人的に注目していることがある。的はずれだろうとは思うけど。
日米野球でハワードに投げたチェンジアップ。ここ数年、左打者にはほとんど（まったく）チェンジアップを投げず、良いように打たれてきた。左にも投げりゃ良いのに…ずっと思っていたのだが、日米野球であっさり投げくさった（笑）。このインタビューでもわかるとおり、目標を持って、計画を立てて、コツコツと積み上げるタイプなので、ヤツはＭＬＢ１年目に向けて、左へのチェンジアップを封印してたんじゃないだろうかって思っちゃう。もし、膝元に流れ落ちるチェンジアップでメジャーの左打者をバッタバッタと三振させたら、本当にムカツク（笑）。でもそれは本当に痛快な時でもあるだろうなぁ。