自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
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でも「いつも」と違う
いつものように貧打、いつものようにロースコア、いつものようにJFK。
一見変わり映えしないようだが、「いつも」とは微妙に違う試合だった。

先発ジャンは立ち上がりから苦しい投球内容だった。四球も絡んでピンチの連続。一気にKOされてもおかしくない出来だったが、今岡、シーツ、二つの好守に救われる。一塁線に飛びついたシーツのプレーは、それはもう素晴らしいけれど、まあシーツならあれくらいはやる。でも今岡のは本当に素晴らしいプレーだった。前進守備の頭上を越え、レフト線に達しようという高いバウンドのゴロに対し、素速くクロスステップで反応し、ジャンプで好捕、倒れ込むような姿勢を一歩で立て直して、素速くバックホーム。捕れても1点、越えれば2点のプレーを無失点で切り抜けさせるワンダフルなプレーだった。
飯原のセーフティバントを素速く処理したプレーも普通に上手いサード。「守備練習に明け暮れたオフ」という情報からできあがった想像上の今岡と、目の前の多少は良くなったかな程度の今岡のギャップに、まあそんなに上手くいくわけないかと自嘲気味になったものだが、この今岡なら、ほぼ想像上の今岡に近い(笑)。

バックに助けてもらったジャンだが、3回先頭のラミレスに一発を食ってしまう。ただここから尻上がりに良くなったのがちょっといつもと違う。どうも異常な発汗から、ものすごく消耗が激しいという印象だが、アップアップ状態から乗って行くパターンもあるんだね。序盤を考えると7回まで投げさせたのが意外だった。


先制された後、比較的早めに追いつくという展開も珍しい。4回ウラ二死無走者というHRシチュエーションで、林がライトにソロ。それが来るとわかっていたかのように、外めのカットボールを叩いた。成長痛の時期も過ぎたようだから、クリーンアップに戻して良いんじゃないかね。

膠着状態に入って、7回ウラ二死一二塁のチャンスとなりジャンに代わる代打桜井。ここまでの試合展開はスワローズが押し気味だった。先発石井一は相変わらず四球なんて怖くないもんピッチング。ファーストストライク狙いのタイガース打線の気勢をそぐ。なかなか好機すら作れなかった。切り札桜井、右飛に倒れ無得点。しかしここからの選手起用、動き方がいつものロースコア戦とちょっと違っていた。
久々の6連戦。その初戦、JFKは1回ずつと決めていたようだ。8回表久保田。出来は相当良かったと思う。指にかかった直球が低めにズドン。しかもいっぱいいっぱいの狙ったコースに刺さる。それなのに先頭四球、一死後高いバウンドでセンター前で一死一三塁のピンチを作ってしまうのはなぜなんだろう。矢野にはもう少し軽やかな配球を求めたいなぁ。だけどまあなんだね、そういう緊張感溢れるピンチであるからこそ久保田の投球は輝くね。頑張れ久保田、頑張れ久保田、よーしよく辛抱した!ってね、必要以上に褒めちゃう(笑)。

8回ウラ、Sは二番手高井にスイッチ。先頭鳥谷左前ヒット、赤星犠打。この日初回に続き、二度目の形。三度目の得点機。アンディ頑張れ。優勝を持ってきてくれた人の一人だ。タイガースを強くしてくれた人の一人だ。頑張れアンディ。遊ゴロ。苦しいね。金本三振。ここは高井が度胸満点の投球を見せたが、金本も苦しいね。

9回表ジェフ・ウィリアムス。藤川がファン投票、久保田が監督推薦でオールスターに出るが、もっとも安心感があるのは圧倒的にジェフだなぁ。簡単に三者凡退。タイガースも代わった木田の前に三者凡退。

10回表藤川球児。ところがこれが良くなかった。先頭ラミレスに弾き返されセンター前、無死一塁。ガイエルへの2球目は超特大ファール。タイミングがちょっと早すぎただけ。いつもより球の回転が悪いのだろうが、球児の直球が武器になっていない。ここは冷静にボール球を一つ外に見せてから変化球を打たせる。やや一二塁間よりのゴロ、シーツ素早く裁いて二塁で封殺。上手い。派手なファインプレーも良いけれど、こういうプレーが大きいよね。走者進めず。しかし元々球児に合う宮出の鋭いあたりはライト林の正面。ほっ二死。宮本遊ゴロでチェンジ。はっきり言って危なかった。一死二塁になってたら、もっとバタバタしたかもね。球児も自分で今日はヤバいと感じていただろうから。ラッキー。

10回ウラ。先頭の関本が打席に向かうが呼び止められて代打桧山。ネクストには藤本。あいたっ!肩口に死球。痛がる桧山には悪いがナイス!ネクストの藤本が代走に入り、代打はバント要員で藤原。ライン狙いのファール一つの後、綺麗に送りバントを決める。
この場面、桧山、藤本、藤原の3人を注ぎ込んだのだが、その人選、そして藤川とJFKの後をどうするかという部分で迷いがあってもおかしくないところ。ベンチの決断と、出てくる選手たちの試合への入り方がバチっと決まっていた。最後もまたここで試合が決まることになる。
一死二塁。鳥谷敬遠で一死一二塁、赤星。最近得意のインサイドに的を絞ってひっぱたけ、初球から行け!ああ、その球、行かなきゃ…。2球目強く打ったが一ゴロ、二死二三塁。
そしてシーツ。どうしてもシーツ。必死で食らいついた打球は投手正面へのゴロ、難なく裁いて無得点。

さあ11回表、KJFの後だ。こないだはこれで負けたんだよね、ハシケン。今の君なら大丈夫。ジェフと双璧の強さだ。高めの直球は球児っぽく伸びる。低めに決まれば角度がついて打者は手が出ない。ボール球でも打者は振るし、少々くさいところでも見逃せば審判の手が上がる。ピシャっと三人で抑えて、11回ウラ。

ここまでクリーンアップが13打数0安打。それじゃ点は入らない。Sは高津離脱で急造ストッパーに入った遠藤。しかしここは金本が気迫で奪った四球。続く今岡は思いっきり振っていた。それで良いよね。5番打者、ここでゲッツー怖がっちゃダメよ。しかし遠藤も気迫で押し返し、バットまっぷたつの遊飛。一死一塁。
林のヒットも見ごたえのある打席だったなぁ。キレの良いスライダーにタイミング合わず追い込まれて、でもそのスライダーが甘くなったところをキッチリとらえて右前、やや右線寄りへ。金本一気に三塁へ。一死一三塁。
ところが矢野がどうしようもない三ゴロ、併殺も狙えず二死二三塁。打者藤本。ネクストにはハシケンの代打で坂、さあどうする?おお藤本勝負。よし、もらったろう。普段は働かなくてもおいしいところだけは逃さないのが藤本だ。しかも代打なんていうとちょっとやりすぎ(笑)。自然と回ってきたチャンスが一番。初球ピッチャー返し!遠藤グラブで弾いたが、球はころころと転がる。藤本一塁へヘッドスライディング、金本生還、サヨナラ!よ〜し!勝ったああ!

ヒーローが藤本で、勝ち投手がハシケン。良いよ良いよ。
いつものヘボい戦いぶり?いや微妙に違うよ。

Posted by torao at 08:59 | comments(7)
[退団者]橋本健太郎
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藤川について書かせて下さい。
いろんな打ち取り方を勉強中と雑誌に書いてありました。
ストレートでも引っ掛けられる低めを投げたり、カーブもチェンジアップも(昨日も結構投げてましたね)多投したり、工夫してるんですよね。
どうも、イメージ的に空振りが取れないと不安になってしまうけど。
ファールも打ったとたんファールてわかったし、林も普通の守備位置なら取れるでしょう。
宮出にも変化球混ぜて今年は打たれてませんし。
去年にくらべて格段に球数がへってます。

人に言わせればもう駄目だ、て言われるかもしれないけど、今に見とれ、と藤川は思ってるかも??

ごめんなさい、どうしても言いたくて。
| mamatyan | 2007/07/04 9:58 AM |
その投手の何を武器にするか、ここのところ矢野のチョイスは普段にも増して早いし良い。そう思うのですが、それにクビを振ったらやられるよ、ジャン(笑)。最後は、きっと藤本ファンならサヨナラ打を確信していたと思う。矢野と藤本、どちらかが決めるという期待値は高かったですね(笑)。
| BSミツルH | 2007/07/04 10:23 AM |
>いつものヘボい戦いぶり?いや微妙に違うよ。

結果の字面だけ見ると「あぁ、また貧打復活?」
ってな感じですけど、昨日のは「辛抱」の勝利だったと思う。
投手も野手も壊れそうになる試合を、よくぞ辛抱して
ものにした。
どんなチームにだって、こんな感じのゲームが年に
数試合ある。
以前の継続と言うより、偶々昨日はそんなゲームだった。
出てる選手もベンチも誰も崩れなかった、誰も気持ちが
キレなかった。
そんな価値あるゲームだと思う。
| 西田辺 | 2007/07/04 10:25 AM |
to mamatyanさま
なるほど勉強中なんですね。なら安心です。
まあでも良い時もあれば悪い時もあります。それが普通です。去年なんかはちょっと神がかっていましたからね。あんなことがずっと続けられるはずはないんですよね。ゼロに抑えれば文句はありませんよね。

to BSミツルHさま
矢野は、野口に相当刺激を受けていると思います。特に内の使い方に迷いがないのが良いですね。矢野:野口:狩野で3:2:1にしたらどうでしょう。
藤本が決めるとへんな確信がありました。きっと本人もそうだと思います(笑)。

to 西田辺さま
ものすごく微妙な違いなんですが(笑)、でも違うような気がしますよね。そう辛抱って感じ。投げやりなところは感じなかったですから。
| torao | 2007/07/04 1:02 PM |
久しぶりにコメントさせてもらいます。toraoさんがおっしゃる通りなんか微妙な違いを自分も感じました。なんか、昨日もありましたけど初球から打ってどうしようもないゴロで終わってしまう最近の今岡的な試合ではなく、表現は難しいですが選手に精気を感じた試合でした。僕はこの間の日曜日あたりからこういう流れになってきた感じがします!いよいよ、開幕?という雰囲気がします!
| イケ虎 | 2007/07/04 1:17 PM |
試合には勝敗の分水嶺がありますが、11回の林への5球目がその一つでしたね。低いと判断されてフルカウントに。
おかげで次の球は、それまでてこずっていたスライダー(カーブ?)が高めにきました。
復調なった林がのがさずヒット。
サヨナラ劇場のお膳立てをしました。
恐怖の6番打者ここにあり!です。
| 一虎ファン | 2007/07/04 3:25 PM |
to イケ虎さま
ね、昨日のもミスで負けましたが、やっぱりちょっと雰囲気がありますもんね。

to 一虎ファンさま
ああ、そうでしたね。あれは思わず「おちゃ、おお」と言ってしまいました(笑)。かなり良い球でした。
| torao | 2007/07/05 12:13 PM |

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