自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
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葛城!葛城!葛城!
大意は前日と同じ。圧力をかけ続けることで、勝機を確実に持って来た試合。
ただし大きく違っていたのは、スワローズ先発、今季初対戦の川島の実力。初回に2点をもらったことで、現在S投手陣の中でもっとも好調な川島はスイスイと乗ってしまった。特にタイガースが苦手とする速い球と落ちる球のコンビネーションで前半はチャンスらしいチャンスも作ることができず。ただし、故障からの復帰途上ということもあるし、フォーク多投のデメリットでもあるスタミナ不安が攻めるポイント。ようやく5回ウラに、じっくりとボールを見極めつつ、じりじりとプレッシャーをかけるような打席を作っていく。桜井が雰囲気を作り、葛城がその雰囲気を引き取って四球にし、一人飛ばして、関本がファールで粘って粘ってヒット、二死一二塁のチャンスを作る。代打桧山もしっかりボールを見極めながら、良い当たりライナー性のライトフライでチェンジ。しかしこの一連の攻撃で心も体もダメージを与えることはできた。

一人とばしちゃった矢野が打席で元気ない。この日は8回ウラ、痛恨のバント2つファール→ボール球で空振り三振がそのハイライト。まあなんとか切り替えておいてくれよ。


タイガース先発、久々の安藤。今回はリハビリの一環だ。初回、青木に粘られて四球、飯原バントミス(スワローズ)で一死一塁。ラミレスをコントロール抜群のアウトロー直球2つで2−0と追い込む。外に一つ速い球を外して、緩急で勝負しようというその見せ球の直球がシュート回転で外高めストライクゾーンに入ってしまう失投、これをラミレスが上から叩いてライトスタンドぎりぎりに先制2ランHR。立ち上がり、まだ思うように制球できていない内の出来事だけに悔やまれる。ただあっちに放り込まれるというのはなかなか予想外のことだからね、内に外そうとして失投が中に入ってレフトにホームランよりはまだマシか?一緒か(笑)。
しかし以降は苦労しながらもゼロに抑えていく中で、一軍打者との勝負の間合いを思い出すように、安藤がより安藤になっていく様子が見られたと思う。次回はきっちり間を空けて、本格化してくれよ。

あとは江草、渡辺、ウィリアムス、久保田、藤川とゼロリレー。ただしこの日のゼロリレーは盤石とは言えないものだった。江草がピンチを作って、火消しのはずの渡辺が暴投で失点か?→フェンスで上手く跳ね返って本塁タッチアウトがあったり、8回ジェフがヒット犠打ヒットであわやの場面を作ったり。だけどもはや内容はどうでも良い時期にかかりつつある。結果によって内容の悪さを帳消しに出来る時期。みんなよう頑張った。


こちらからすれば「ラッキー」であり、「チームとしてプレッシャーをかけた結果」としか言いようがないが、ことこの日のスワローズはミスの連続で試合を落としたようなもの。度重なるバントミス、重要な場面での走塁ミスや守備のエラーで、勝ってもおかしくない試合を落とす。やはりこの時期になると、モチベーションや勢いによって、持てる力を発揮できなくなってしまうものなのだろう。だからこそ、タイガースは下位チームには絶対に負けないという迫力でかかっていかないといけない。

元から巨大な金本の存在があり、この日もサヨナラで試合を決めた桜井の存在が日に日に大きくなる中、本当は林の不在がタイガースの命取りになってもまったくおかしくないのに、そうせさていないのはこの日、中盤以降2打席続けて好機がまわり、2打席で追撃の1点、同点の1点、かけがえのないタイムリーを2本打ってのけた葛城がいるからである。葛城すごいよ、本当に。打席内でのあの落ち着きはなんなんだろう。ここまでチャンスに強い強打者であるとは正直知らなかった。ただ崖っぷちの危機感というだけでは説明のつかない確かな技術と精神力が打席内から伝わってくる。
岡田元年、葛城はかなり切り札的な代打として使われ続けた。そして凡退し続けた。なぜそこまでして葛城なのか、正直そう思った。そして05年、06年、葛城はまったく目立たない存在になっていた。
今年のキャンプ、オープン戦で勝負強い打撃を見せて、一軍戦線に残る。3月初めのオープン戦、大差で負けた試合の終わりの方で、2ランHRを打つも、喜んだ顔をまったく見せずに、「まだ足りない」という表情をした葛城。一塁守備で大きく足を開いてワンバウンド送球をすくい上げ、影で一塁守備を相当練習していたんだと思わせた葛城。今やチームの危機を救う男になって、堂々とヒーローインタビューを受けている。
林の穴を埋めているなんていう言い方は失礼だと思う。



例えばドラゴンズに「連覇」されるのを許したくないし、ジャイアンツに「奪回」されるのを黙って見ているのも嫌だ。ここまで来たらセントラルリーグ優勝は奪い取りたい。そこから先も険しい道があるかも知れないが、それはそれ。まったく別物であり、なおかつまたシーズンとしっかり繋がっているもの。この球史に残る優勝争いを戦えば、自ずと短期決戦向けの力も備わろうというものだ。

「本当の勝負はこれから」と言い続けている内に、徐々に集中力を高め、レギュラーもベンチも、二軍待機の選手までも、ナチュラルに戦力を結集して、助走から離陸体勢に入っていく。丁寧に、謙虚に試合を進めることで、ツキという外的要因も味方につけていく。形と結果が完全に符合してくれば、あとは推進力と浮力に身を任せて飛び立つだけだ。
(追記9:55)
桜井のことや、「わっしょい」を歌い続けてS投手陣や守っているSナインを絶望的な気持ちにさせたファンのことや、もっといろいろ書かなきゃいけなかったなぁ。足りないところ、ぜひともコメント欄にでも補ってやって下さいませ。

Posted by torao at 08:59 | comments(14)
[野手]葛城
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葛城はイチローの後継者として獲得されただけに打撃センスはありますからね
03年(だったと思う)には月間7HRも記録してますし(ただしシーズン終了時の記録は9HR)
| KGO | 2007/09/03 9:28 AM |
昨日のゲームで「わっしょい」の多大なる力、よーくわかりました。あの「絶望的にさせる」雰囲気は埼玉のレッズサポーターでもだせやしません。
| 藤村 星男 | 2007/09/03 10:28 AM |
午前中野良仕事を終わらせて、D−C戦と、G−B戦をDゲームで見ていた。今日は勝たねば!!今がチャンス(!?)結局G勝ったけれど・・。ヤクルト3連戦で、昨日が一番おもしろかったような。林ちゃんも敬ちゃんもちょっと心配なおばさんですが、どうなんでしょうか?彼らの按配は?
| 田舎の虎おばさん | 2007/09/03 11:05 AM |
イクローいい顔してましたね。
やっと自分の力が出せる喜びに満ち溢れている感じです。
ただポジションや特性がリンちゃんとモロ被りなのが勿体ないなぁ。

このチームでイクローやミッチャンが主役になることは無いかもしれないけど、こんな選手がいるチームは絶対に強い。
本人達もそれを分かってるのが頼もしいですね。

ところでそろそろ赤松まじで上げません?
将来赤松が代走のスペシャリストで終わらないように、今打撃を磨かせたいってのは判るんですけど、昨日も赤松がいれば・・って場面沢山ありましたよね。

関本粘って四球→代走赤松・代打藤原→赤松二盗→藤原バント→鳥谷ボテボテ2ゴロ→1点勝ち越し

こんな野球プリーズ!
| 良虎 | 2007/09/03 11:55 AM |
toraoさん、おはようございます。
昨夜はたまたまチケットをいただいての緊急現地観戦でした。

やはり甲子園は特別ですね。甲子園には特別な力があります。
連勝前に「甲子園でひとつ勝てば『強い阪神』が戻ってくる」
と書きましたが、現地でその科学反応を体感して来ました。

内容はどうあれとにかく勝てば、後は甲子園が背中を押して、
チームは相手を呑み込む『強い阪神』に変身するんですね。
『死のロード』明けは後押しパワーが満タン充&#22625;されていて
その効果はとりわけ大きくなるようです。

変身課程の相手がヤクルトで、先発が石川→松岡→川島の
順番だったのは好都合だったように思います。
このまま土俵際の横浜を呑み込んでG戦に向かいたいですね。

それからもうひとつ。
桧山(を迎える甲子園)もすっかり変身していました。
球場全体が大きく盛り上がるのは一緒なんですが、
結果を求める期待度が全く違ってて面白かったです。
どうやら彼は川藤から八木に変身したようです。

この「わっしょい」パワーをドラドラドラさんから見れば、
「阪神ファンって(笑)」ということになるんでしょうね。
他球団ファンが笑うしかないアホパワー、
JFKにも匹敵する大きな戦力だと思います。
| ume | 2007/09/03 12:15 PM |
文字化けしました。
誤:充&#22625; → 正:充てん
| ume(追記) | 2007/09/03 12:23 PM |
to KGOさま
そうでしたか。月間7本はすごいですね。今は爆発力というよりも、しぶとく確実にとらえるのが魅力です。

to ドラドラドラさま
>阪神ファンって(笑)
ん?言いたいことがある時はハッキリ言いましょうね。ドラゴンズファンの方にもたくさん読んでいただいていますし、その方々があまり良い気がしないと思いますので消しておきますね。

to 藤村 星男さま
あれだけ長い「わっしょい」は久々ですね。じわじわとプレッシャーをかけ続けて、ファンですら気が変になりそうです(笑)。それでいて得点も「じわ」っとなんですけど(笑)。

to 田舎の虎おばさんさま
鳥谷は投げるのと打つのを見る限り問題ないと思いますよ。林は静養中ですので、まだなんともわかりませんけどね。心配してもしゃあないですよ、大丈夫大丈夫。

to 良虎さま
でも葛城はファーストのレギュラーを取ろうと思ったら、他球団でも田舎の虎おばさん難しいと思うんです。外国人のポジションですしね。守備力が抜けているわけでもないので、外野手としても簡単ではないです。まずは今この位置でもっともっと輝いて欲しいと思います。
ねえ、赤松、ねえ。今各チームのデータを詰め込んでいるところかも知れないけど(違うと思うけどw)。

to umeさま
スワローズはすべての試合で自滅に近いミスがあって、きつい状態だなぁと思いました。さらに苦手意識もそうとうあるようですし、低気圧に覆われたこちらにとってはラッキーでした。
確かに「川藤から八木」ですね。「瓢箪から駒」みたい(笑)。
| torao | 2007/09/03 1:32 PM |
この三戦、ウチの圧勝という内容ではなかっただけに、ヤクルトファンにとっては、やりきれなさだけが残るカードになりました。
ひとつ間違えたら、ウチがヤバいことになっていたかも。

サヨナラ打の桜井、チャンスでの打席を「おいしい」と思うその気持ちが勝負強さの素なのでしょう。
| 一虎ファン | 2007/09/03 3:01 PM |
阪神ファンの熱狂的応援については今さらどうって事ないがあの“わっしょい”はまた特別な力を与えてくれる。ここまでの61勝のうちどれだけ貢献してくれたか、ほんと阪神はファンに感謝しなきゃ。
最近サヨナラのヒーローはペットボトルの水をかぶるのがブームだが阪神にはまだその傾向が見られない。真面目揃いの阪神選手の喜びが爆発するのはまだ先って事か・・
明日から横浜3連戦、阪神に5ゲーム差でもう3位狙いしかない横浜はここが最後の勝負。3タテ以外考えてないだけに初戦の寺原を打ち崩せば一気にガタガタになる。頑張れ!
しかし毎年9月になってもペナント争いに興味をつないでくれるチームになった事に感謝感謝。
| banzai | 2007/09/03 5:33 PM |
確かに高橋光、葛城の活躍や彼らの目の光を見ると、林の代役と言って
しまっては彼らにもチームにも失礼ですよね。
とは言え、よくぞこの局面までモチベーションを保っていてくれたね。
層の厚さと言ってしまえば、それまでだけど。
プロなら当然としたり顔で言われりゃ、それまでだけど。
そこに至る本人の想いや、2軍スタッフの意識の保持への指導を
考えるとチョット胸が熱くなります。
こんな良い感じで来たタイガース。
優勝したいね。
| 西田辺 | 2007/09/03 8:54 PM |
ご無沙汰してすみません(汗)

私見ですが、シーズン序盤にぎりぎりの戦力のような気分で戦ってきたのが(実際はそう切羽詰った状況でもないと思うですが)、若手たちに「俺たちがやらねば」という意識を芽生えさせたような気がします。で、それが花を咲かせているのが今だと。
さしずめ、一軍でなかなか活躍出来なかった苦い経験は、花を美しくするための肥料…でしょうか。

横レス失礼。

>> 西田辺さん
是非優勝しましょうよ!
| 藤村珂南 | 2007/09/03 10:30 PM |
to 一虎ファンさま
ウチはかなりヤバイ状況でこの三連戦を迎えていました。それは間違いないです。
桜井だって必ず壁に当たると思うんです。今この時に、この心理状況でいてくれること、ありがたいですね。

to banzaiさま
ナゴドでの「狙い打ち」「打って打って打ちまくれ」だって、すごい効果だと思いますよ。自軍をその気にさせ、相手を恐れさせる。そういう心理効果をわかった上でのエンドレス応援、怖いです。最近の応援技術は(笑)。
去年よりずっと首位に近いところにいるんですからね、ありがたいことです。

to 西田辺さま
いやあ、そうなんですよね。例えば去年のように、ほとんどの選手がノーチャンスの状態で、本当にモチベーションを保った育成ができるのかと、正直不安に感じていたのですが、意外や意外、本当にしっかりできていたんですね。素晴らしいことです。二軍のコーチングスタッフのみなさんもこういう年はやり甲斐を感じるでしょうね。

to 藤村珂南さま
去年までの状況は、単純に上が重くて出られなかったということにつきると思うんです。すごく絶望的な気持ちになっていたことも絶対あると思うんですよね。だからこそ希望が見えた時の集中力が尋常がなかったのかなぁ、なんて思います。
| torao | 2007/09/03 11:02 PM |
はじめまして。特に阪神ファンというわけではないのですが、TVで阪神戦をやってたので、ぽー と見ておりました。

で、9月5日、2-1で阪神リードのとき、葛城選手がセカンドにいて、レフト前に強い打球が飛びました。

ある程度経験があると、「こりゃあ本塁無理だ」と考えて、三塁まで適当に流すような走りになる傾向があるのですが、葛城選手は全力で走ってましたね。で、三塁でも止まる気配がなかった。レフトのポロもあり、一挙に本塁へ。

見事な走塁と思いました。
| TAMO2 | 2007/09/05 11:36 PM |
to TAMO2さま
ようこそ。Tファン以外も大歓迎です。
良い走塁でしたよね。
ただこれには伏線があって、前日も同じような打球でレフトがぽろっとやったんですよ(しかも二度)、違う選手ですが。それで一度は止まってしまって悔やんだような走塁がありまして。何があるかわからんぞ!という基本中の基本を思い出させてくれていたんですね。
| torao | 2007/09/06 12:26 PM |

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