自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
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新井弾でシーソーゲームに幕
4月最後の試合は、逆転、逆転、逆転、逆転、同点に追いつかれたけど、サヨナラホームランで劇的に幕。
盤石の勝利も良いけれど、興奮するのはこういう試合。時が経つのを忘れてしまう。

先制点は出塁率と盗塁でリーグトップを走る赤星のスーパーランニングから。1回ウラ、赤星レフト前ポテン、平野の犠打で一死二塁。新井のレフト前クリーンヒットで躊躇無く本塁へ。レフト飯原も好チャージ、好返球!送球の速さ、走者の位置とスピード、長年野球を見てきた人なら、誰しも「アウト」だと思う。ところが赤星は本塁寸前でまるで再加速するように捕手福川のミットの前をヒラリと通過してスライディング。なぜか捕手はタッチすることすらできない。セーフ!1−0、赤星得点、新井打点のタイガース必勝パターンでまず先制。
走ってきてスライディングするということは、トップスピードからゼロまで急減速することを意味する。しかし赤星の本塁突入は、まったくノーブレーキだ。すごいもんだ。

月間MVPに名乗りを上げる5勝目を目指す下柳が先発。ただしこの日は思い通りの球筋が描けず、3回表に3本の長短打を集められてあっさりと逆転を許す。1−2。

しかしそのウラ、一死後平野ボテボテ内野安打、新井カウント2−3からのランエンドヒット、鋭い当たりがショート左へ、宮本ベースカバーの意識から打球への反応が送れて横っ飛びも届かず打球はレフトへ。平野は迷わず三塁へ。三振の多い新井だが、2−3のカウントはしっかり作ってくる。S先発リオスのように、走者によるプレッシャーに弱い投手には、こういうジックリ構えた攻めが有効だ。生まれ変わったタイガースの積極走塁、それを引き出した平野新井のコンビで一死一三塁。
金本は四球を選び、一死満塁で5番葛城。簡単に追い込まれたが、ゲッツー狙いの低めチェンジアップをハードヒット、打球は一二塁間を破る同点タイムリー!2−2。有形無形の高い壁をたたき壊してきた葛城には、「4月の課題」を解決して欲しい。
なおも一死満塁、鳥谷は初球から打ってファール、2球目も強く叩く。打球は高いバウンドの二ゴロ、セカンド田中は猛ダッシュで一塁アウトが精一杯、一点追加で逆転!3−2。ここは、この4月ようやく目覚めた鳥谷の勇猛さを褒めて良いだろう。

ところがところが、シモさんたらあっさりしまくり。苦労して苦労して再逆転したのに、4回表先頭飯原にあっけなくバックスクリーンに運ばれて同点。さらに二死から青木にヒット、盗塁で二死二塁。これ良い球が行けば青木を刺せたんだけどねえ。赤星の盗塁王争いにとっても青木は最大のライバルだから、そういう意味でも矢野は頑張らないとね。
そしてすかさず川島にこの日2本目のタイムリーでまたもや逆転を許し3−4。本当に点の取られ方があっけないんだよなぁ。ただなんとなくそれが良かったのかも知れないけれど。

その後はスワローズのちぐはぐな攻撃にも助けられ、下柳は6回を4失点。球数も111球投げて、次の打順の代打で降板。粘った方だと思う。たまにはこんな日もあるさ。ていうより、今までが出来過ぎだった?(笑)

6回ウラ、Sは2番手五十嵐がマウンドへ。一死から関本がレフト線二塁打。下柳の代打今岡は初球レフトフライ。直球にうまく合わせていったが、打球は大きめのレフトフライ。わずかに球速に押された。二死二塁となって、赤星はセンター前クリーンヒット、ただしセンター青木が「二遊間の少し後ろ」に守っていたため、さすがに関本もストップ、二死一三塁。
ここで平野。五十嵐初球のスピードボールが外れて、2球目からはストライクを置きに行く。それはそうだ、万一平野に粘られて四球でも出せば、満塁で新井、金本となってしまう。
平野は今自分がすべきことを良く考える打者。それがいつでも確実にできるかどうかは別として、何が必要かはわかる選手だ。二死一三塁、一走赤星は走らないで、ファーストをベースに張り付けて一二塁間を開けておいてくれる。そうここは走者のことは何も考えずに、甘いボールを自分のスイングで打つだけだ。3球目ど真ん中。フルスイング。平野本来のスイングはパワフルだ。下半身のバネを効かせ、その粘り強い動力でボールをバットに乗せて大きなフォローでダイナミックに運ぶ。打球は強い浜風に逆らって前進守備のライトの頭上を遙かに超え、フェンスに達する。二者生還、自らも三塁へ!逆転、5−4!大甲子園が小さい平野を讃える。

これでシモさんの5勝目が見えた。7回表は渡辺がピシャッと3人切り。7回ウラは左が続くところでS左腕佐藤をぶつけられ、一死から葛城四球(左でもいけると思うよ)、鳥谷にバントまでさせたが無得点。

でも8回表に出てきた久保田が不運な打球のヒットを足掛かりに1点を失ってしまう。終盤に来て5−5同点。乱戦模様も、もうこれで大丈夫と思いかけたら、ねえ。でもまあこんなもんかな。
後で下柳に謝るんだろうなぁ、こういう時は。心の中では「おいヒゲ、あんなピッチングで勝ち投手だなんて甘いぞ。オレが許さん」と思っている…いやそんなことはないね(笑)。

8回ウラ、Sはイキの良い松岡。代打桧山にヒットは出たが期待の赤星、平野が倒れて無得点。

9回表は藤川登場。同点の9回以降、ホームチームは良い投手から切っていくのがセオリーではある。そしてセオリーなんていう言葉を越えるような、素晴らしい投球で相手の主軸、ガイエル、リグスを連続三振、イヤな宮本を投ゴロに抑えてくれちゃうと、もうこれでサヨナラの予感がぷんぷんして来る。

9回ウラ、先頭は新井。新井もまあこのチームにやってきて、金本の前の3番を任されて、ずいぶんと気苦労もあるだろう。だけど右方向に食らいつく打撃、カウントを整えて、ファールで粘って四球を奪う打撃、カープ時代よりずっとイヤな打者になっていると思う。多いと言われる三振だって、三振して良いところでしている印象だから、まったく気にならない。ここは出塁が求められるけれど、もっと欲しいのは長打。行っていいよ。
カウント1−2、狙う場面、外低め素晴らしい所にフォークを落とされた、ファール。凡打にならなくて良かった。2−2、バッテリーはもう1球フォーク、今度は真ん中低めボールにして三振を取りたい。しかしそのボールは意図したように行かず、ど真ん中へ。軌道インプット済みの新井は、ジャストミート!打球は左中間へ、レフトセンターともフェンス際まで追う、見送る、入ったー!サヨナラ!
全力疾走で二塁に達しようかという新井がダグアウトを振り返りながら大ジャンプ!喜びを爆発させる。三塁を踏んで和田コーチとタッチ、ヘルメットを投げ捨てて、皆が待つホームベースにぴょんと飛び乗る。ボコボコボコボ…(笑)。こらこら蹴るな、たいがいにしとけ(笑)。
2−2からの甘いフォーク。この時、新井は本来のスラッガーだった。なんの遠慮もなんの気配りもない、カープの4番を張り、ジャパンの4番を打った新井貴浩のフルスイング。やっとそういう新井を見せてくれたね。今季チーム甲子園1号、劇的なサヨナラホームラン。いやあ、ホント面白かった!

Posted by torao at 08:39 | comments(14)
[野手]新井
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>9回藤川が抑えて、「サヨナラの予感がぷんぷん」。
ホントに「ぷんぷん」してましたね。なぜか負ける気は全くしませんでした。
「久保田劇場」が見事なサヨナラ演出をしましたが、結果下柳の月間MVPが‥‥、しかし試合後、勝利を誰よりも喜ぶ下柳を見て、感動してしまいました。

二軍では、いよいよバルに三塁を守らせ、「バル&林」⇔「ルー&今岡」が着々と…

| ジジィ | 2008/05/01 9:05 AM |
ようやく、豪快な新井のホームランが見れましたね。
それも勝負を決めるサヨナラ&タイガース甲子園第一号というおまけつき!
昨日は4安打と新井様の日でした。

それにしても、今年の赤星は過去最高に状態がいいですね。
対五十嵐なんて、打ち取られるような雰囲気しなかったです。
追い込まれても変化球は簡単に見極め、際どいストレートはカット。
甘く入ったストレートを逆らわずにピッチャー返し。
出塁率は.452、何気に長打率が.442と、ほれぼれします。
怪我無く1年プレーできることを願います。
| すたん | 2008/05/01 9:10 AM |
昨日はライスタで観戦していました。面白かったけどキツイ試合でした(苦笑)。こっちが逆転してもすぐに追いつき逆転するスワローズは本当にいやらしいチームです。去年までとは違いますね。
9回表の球児の投球はサヨナラ勝利へのお膳立てを整えてくれました。9回裏、新井選手の打席では予感めいたものがあり、打球がレフトスタンドに飛び込んだ瞬間、声にならない叫びを上げていました(笑)。ありがとう、新井選手。最高の試合でした。
| ぴゅあらっく | 2008/05/01 9:38 AM |
とにかく両チームとグラウンドを走る走る。
盗塁あり、三塁打あり、バントあり、HRあり。
それによる一球一球の緊張感あり。
野球の醍醐味を味わいつくした好ゲームでした。
| KEI | 2008/05/01 10:32 AM |
誰が言ったか「久保田劇場」・・・・。リードだけは絶対に許さない!(昨日は不運もあったけど)。昨日はとうとう、新井選手の「サヨナラ2008年甲子園チーム第1号ホームラン」まで演出してくれました。劇場の主役は、一流の演出家としてもファンにサスペンスとスリルを堪能させてくれます(こんなラストシーンを用意してくれてるなんて!)

試合終了時の久保田選手の嬉しそうな顔。思えば先日の今岡選手の代打タイムリーの時、ダグアウトの中では鳥谷選手がベンチを思いっきり叩いて大喜びしていました。

同僚の快挙を我が事のように喜びあえる姿。今年はどの選手のインタビューでも必ず出えくる「繋ぐ」というフレーズ。これがチームワークなんですね。

総本塁打数、12球団最少のチームが首位を快走中です。
| ヤスの20年先輩 | 2008/05/01 10:34 AM |
TVの画面からしか判りませんでしたが、昨日の甲子園、いつもより
浜風が強く吹いてたような。
何時もなら低く決まる下柳のスライダーも、若干横に流れて高くなり気味。
同じ軌道からボールを動かす投手だけに、昨日の風は少し気の毒だったかも。

今岡。
結果は五十嵐の速球に押し込まれた感じだけど、スイングの強さは戻って
きている。
後はトップからのグリップの落ちる幅(元々この傾向はある)を少なく抑えるか。
スイング軌道がVから緩いUに切り替えられるか。
かなり良くはなってきている、あともう少し。

久保田。
だから一刻も早く、クボタスイッチを3塁ベースに(ry

新井が劇的弾を打ち、人的保障でCに行った赤松が2戦連続先頭打者アーチを放つ。
平野が一時は逆転となるタイムリーを放てば、B'sに行った浜ちゃんが同点弾を
放り込む(負けちゃったけど)。
なかなかに良い日でした。
| 西田辺 | 2008/05/01 10:39 AM |
現場におりました。
レフトスタンドの最上段で、丁度、新井のホームランの弾道延長線上。
最上段まで飛ばしてくれたらホームランボール初ゲット!できたのに…非力な新井ちゃんのあほ!!…ま、あんまり贅沢言うたらアカンね。

甲子園はやっぱりよろしいわ。
| やっぱりトラ! | 2008/05/01 10:41 AM |
こんにちは。

昨日は帰ったらいきなり赤星vs五十嵐→平野のタイムリー→久保田劇場→新井のサヨナラ弾と仕事の疲れを吹き飛ばす怒涛の展開でした。
いやー、いいもん見れた。

球児はストレートが徐々に仕上がってきてますね。見ていて安心できます。

どんなに危ない状況を作っても、盛り上げるだけ盛り上げて結局負けない、それが「久保田劇場クオリティ」。
球児と入れ替わりで安定感がなくなってきているような・・・いい球ほってるようにはみえるんですが。

赤星は絶好調ですね。今見ていて一番楽しい選手。怪我だけは(悪化)しないでくれよ!

赤松がさりげなく二戦連続先頭弾してるんですね。しかも史上初!
試合後のコメントを聞いてると嫁さんにデレデレ&尻にしかれている感じはしますが、がんばれ〜。
| toto | 2008/05/01 11:01 AM |
六回裏2アウト1,3塁
バッター平野ライトにライナー!!
アチャ〜(浜風にもどされる〜、昨夜金本もガイエルもオジギしてるし〜今日は負けか〜)
画面変わって
おっ?おおっ!おおおおおおぉぉぉ〜
ミラクルタイムリースリーベースl
私が勝ちを確信した瞬間でした。
最後の、新井の“ガコッ”スタンドインも含め
『火事場のクソ力』が脳裏に浮かぶ試合でした

ボギー〜!HRだ、HR(笑)
| toyo | 2008/05/01 12:02 PM |
六回の関本のグラブを躱した芸術的なヘッドスライディングにもふれてほしいなぁw
テレビのまえで大笑いしてしまった^^
| NANA氏 | 2008/05/01 12:13 PM |
久保田を使い過ぎ!!

しかし、面白い。
漫画の様な演出をしてくれる。

こんなに勝つ4月を見たことなかった!!

今岡は、打つだけなら行けそうな気もします。
| 酔虎伝 | 2008/05/01 12:47 PM |
同点で久保田の続投が当然(今までのタイガースなら)の場面で躊躇なく藤川を送った岡田采配に、風格を感じました。

1番センター呉、2番レフと金田、3番ライト別当、4番サード藤村、5番キャッチャー土井垣、6番セカンド本堂、7番ファースト櫟(?)、8番ショート長谷川の時代からのTファンとして、こんなに優れたチーム状況にお目に掛るのは71年間の人生で初めてです。
| hakachan | 2008/05/01 4:39 PM |
新井阪神入団後初の甲子園での本塁打おめでとう。今日から5月攻勢。先ずは最初勝っときたいね。そしてカード負け越し無しを続けよう。
今日も葛城。期待してるで。あとはボーグルソン。おっサンテレビでは嫁さんしか見いへんで。そろそろ助っ人らしく頼むで。
| ごんたくれ | 2008/05/01 5:42 PM |
新井もがんばってるけど,赤松まぶしすぎる!
ホームラン数は新井さんを超えてもうた。
ホームランなのに一塁に走るのが速すぎるのが笑える。
| 広虎 | 2008/05/01 11:36 PM |

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