自称阪神タイガース評論家（跡地）

歴然としていた火力の差を総合力でカバーするドラゴンズらしさは随所に見えたが、いかんせん打てなかった。
　これで今年の日本シリーズは、リーグチャンピオン同士の対決となった。セパともクラシリでは、おおむね今現在チームが持っている力が結果に表れたように思う。レギュラーシーズンを疎かにしてクラシリを勝つことなどできないし、ここ一番、一瞬の勝負に勝つことなくして勝利なしという点においては、長期戦も短期戦も一緒だと痛感した。もちろん投手を中心とした防御力の大切さを再認識し、なおかつ攻撃における「瞬発力」が試合を一気に動かすことにあらためて唸った。
　とまあ、自分らが関係ないとなると、たいした感情移入もなく純粋に試合を楽しめるものだなぁ…と（笑）。「特定球団のファンではないが野球ファン」という人は意外と多いけれど、こういう感じで楽しんでいるんだなぁ…なんて思ったり。そうは言っても本当は、長年にわたって染み込んだ「ジャイアンツじゃない方を応援する」という習性は簡単に取れないんだけどね（笑）。ま、とりあえずジャイアンツ強かった。それは認めないとしょうがない。

　で…ＷＢＣ監督の方は、「現役日本一監督がやればいいじゃん」という流れが生まれてきたところで、落合「ノムさんでいいじゃん」、渡辺Ｑ「落合さんでいいじゃん」と否定的コメント。こうなると残った原ジャパンで一気に決まりそう？なんたってＷＢＣの「日本総代理店」は読売グループだし、これ幸いって感じの決着になるのか。
　原監督の采配については、ベースをしっかりさせて、しっかり辛抱ながらも、時々ぶっ飛んだことをやるという面白い所がある。ああだこうだと言われることにも慣れているしね。ただ、日本シリーズと代表監督をリンクしちゃうような雰囲気があると、モチベーションとか結果にも影響しそうなのがちょっと問題だけどね（笑）。
　この問題の本質は、どうやってベストの監督を決定するのかという手続に関する議論がまったくなかったことで、そこに論点が行くことは良いと思うのだ。ただそれを十分検討する時間がないというのなら、「今回は日本一監督がやる」で大方は納得できるだろう。
　でも、くれぐれもＷＢＣの読売グループによる私物化だけには気をつけて欲しい。日本プロ野球がジャイアンツ戦だけでは持たないという状況になって、いろいろと工夫をしなきゃいけなくなった。その中で、国際試合で代表チームが勝つことで、日本野球界の総合力を売っていきたいという一つの方針ができた。五輪はもうなくなっちゃったから、ＷＢＣをなんとか育てたい。だから「読売イベント」への矮小化には重々注意してもらわないとね。そういう小さいことやっちゃうと、せっかくの「オール日本野球」のムーブメントをつまらないものにしちゃうから。それだけは頼むわ。