自称阪神タイガース評論家（跡地）

　私など根がひねくれているので、こういう「お題目」みたいなことを言われると、「それがどうした」なんて条件反射的に言ってしまうのだが、やっぱり人の集まりがチームとして機能していくには「旗印」というのが重要で、それが頭から心へ、さらには体へと浸透するかどうかで大きく違ってくる。
　思えば星野タイガースのスローガン「ＮＥＶＥＲ　ＮＥＶＥＲ　ＮＥＶＥＲ　ＳＵＲＲＥＮＤＥＲ（決してあきらめない）」は、０２〜０５年の４年間使われて、その間にリーグ優勝２回。確かにその間に「ああ今年も最下位か」という負け犬根性は払拭された。

　０６年から「Ｂｅ　ｔｈｅ　Ｂｅｓｔ　Ｆｏｒ　ｔｈｅ　Ｆａｎｓ（最高をめざせ！そしてファンのために！）」に変更。監督である前にファンである岡田監督らしいスローガンではあったが、残念ながら「最高」に達することはできなかった。

　変わるべき年０９年は、真弓新監督を迎えて新スローガン、「Ｆｏｃｕｓ　ｏｎ　ｔｈｉｓ　ｐｌａｙ，　ｔｈｉｓ　ｍｏｍｅｎｔ！！（そのプレー、その一瞬に集中せよ）」。これはイイんじゃない？「ファンのため」も良いんだけど、どうもすんなり入ってこなかった。ちょっと回りくどいっていうかね。もちろんそうであってくれたら嬉しいけれど、「ファンのため」って言われても、「またうまいこと言っちゃって」って感じだから。
　今年、試合を見ながら私が何度となく口をついた言葉があって、それは「次の球、絶対行けよ！」だった。勝負の分かれ目、こっちもしんどいが向こうもしんどい。開き直って投げなきゃいけない球がある。開き直って振らなきゃいけない球がある。特に終盤戦、その球を「行けない」タイガース選手の姿があった。開き直りの心境とは、結果を恐れる心を振り払うこと。周囲に漂う邪念を無視して、心の焦点を一点に絞ること。まさに「Ｆｏｃｕｓ　ｏｎ」だ。今一番必要なことで、とてもイイと思う。
　でもさあ、なんで英語でなきゃいけないんだろう。カッコイイ日本語だけで表現できたらもっと良いと思うんだけどな。

　図案にトラッキーが入った新ロゴもイイ。グッズなどに入れられることも多いスローガンロゴだが、なんだかちょっと冷たい感じがあった。ペットマークの虎さんに代えてトラッキーが入ると、ちょっとファンへの意識というものも盛り込まれる。トラッキーの表情で目指すべき姿を表現しているのが、わかりやすくて良いんじゃない？
　新スローガンの下、勝負どころで気合みなぎるタイガースで行こうじゃないの。


　まあそんなことで、本日「虎暮らし」の正式発売日。先日自宅最寄りの書店を二つ訪ねて（もちろん置いてなかった）、「私、このへんに住んでまして、この度こういう本を出しました。調べてみて、良かったらぜひ置いて下さい」とお願いしてきた（笑）。ああ、いいですよ！って言ってくれたけど、本当に置いてくれるかな（笑）。