自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
ABOUT
【号外】ナベツネ辞任
ナベツネの突然の辞任。そのあまりにもあっさりした引き際に胡散臭さを感じる向きも多いと思う。わからないことだらけだが、自分なりに見解をまとめてみる。

--
【事実関係】
8/13、巨人の渡辺オーナーが、土井球団社長、三山代表、高山副代表を解任し、自らも代表取締役オーナーを辞任した。その理由は、明大・一場靖弘投手(22)に現金約200万円を与えたスカウト活動の違反行為(学生野球憲章)に対し、その道義的責任を負うというもの。ちなみにその学生野球憲章の抵触する部分は以下の通り。
----以下「日本学生野球憲章」より引用----
第十三条 選手又は部員は、いかなる名義によるものであっても、他から選手又は部員で<あることを理由として支給され又は貸与されるものと認められる学費、生活費その他の金品を受けることができない。但し、日本学生野球協会審査室は、本憲章の趣旨に背馳しない限り、日本オリンピック委員会から支給され又は貸与されるものにつき、これを承認することができる。

2.  選手又は部員は、いかなる名義によるものであつても、職業野球団その他のものから、これらとの入団、雇傭その他の契約により、又はその締結を条件として契約金、若しくはこれに準ずるものの前渡し、その他の金品の支給、若しくは貸与を受け、又はその他の利益を受けることができない。
----引用おわり----

【胡散臭い理由】
・大げさ過ぎる責任の取り方
常識的な考え方として、その程度のことで最高経営責任者、上位4名がそろって辞任、解任すべきだろうか。
・持続される実質支配
道義的責任を負うといいつつも読売グループにおける役職等は辞さないという。球団経営の実権を握り続けることは明白。
・なぜ今?
逆指名が認められて以来、有望新人の家族、所属野球部関係者らに多額の金品が渡っているという報道は、具体的な例も含めて、これまでも幾度となくされて来た。メディアとしても週刊誌、夕刊紙、スポーツ紙だけでなく、テレビ、新聞などでも伝えられているし、例えば星野SDなども公然の秘密として発言している。仮に今回、特定のメディアによって報道の準備が進んでいたとしても、例によって黙殺・抹殺できるように思うが…。読売側の説明によれば、「外部からタレコミがあり調査したところ発覚した。他のマスコミから報道される前に、自ら発表した」とのことだが、何を今さら…。
・「裏金」は裏金にあらず
「裏金」などと表現されるが、本当の裏金なら税法上の問題になる。渡されている金品は、帳簿に記載されている歴とした球団の経費である。読売側が問題にしているのは、まだ社会のなんたるかも知らぬいわば子供としての「学生」に直接金品を渡したことのみで、関係者ら「大人」への買収工作に対する倫理観の欠如については問題視していない。何が道義的責任か…。

【邪推の材料】
・巨人(ナベツネ)が失うもの
一場選手。明治大学とのコネクション。クリーン・イメージ、「球界の紳士」「球界の盟主」としての信用(相当以前より失墜済)。金バラマキによる選手強奪法(の一部)。球界のドンとしての「顔」。
・巨人(ナベツネ)が得るもの
いち早く球界浄化に取り組んでいるというイメージ。巨人が良くなるというイメージ。必要以上にアマチュアに積まなければならなかった「裏金」の廃止。院政(責任なき口出し)。
・批判に耐えかね
大衆から嫌われることは、ペンに生きた人にとって受け入れやすいものとは思えない。「コケにしやがって」「好き勝手書きやがって」と群がる報道陣に吐いていたのも、自身が大衆からどう評価されているかを常に気にしていることのあらわれ。表舞台から消えたくなったとしても不思議はない。どうせ辞めるなら効果のある辞め方をと狙っていた…。
また、一時は後継者まで指名して、オーナー交代を明言していたが、後継候補の体調不良により頓挫。その後、後継者については迷走していた。跡目をめぐって内部抗争があった?今回緊急交代の形でケリをつけたのかも…。
あるいは、今回のプロ野球再編に絡み、新聞の売り上げ減少も相当あると思われる。そうなれば、いかに王様に恐れを抱いていた社員たちでも、批判、反発が強まっていただろう。そのあたりを交わす目的も考えられる…。
・選手会への恨み
賢く、人気もある古田への恨みは根強い。ストライキについて大衆が支持している状況の中、選手への脅しか。また巨人選手会署名活動では、自らが可愛がってきたヨシノブ、上原にも反旗を翻されたような思いになったのかも知れない。今回、巨人のやり口を公にすることで、旨味をしゃぶりつくしている選手へのプレッシャーにはなりそうだ。
・アマチュア側への脅し
きれい事をならべながら、実際は貰う(せびる)というのが現在のプロアマ関係。この際、もらう側のリスクを示したというところか。
・目くらまし
「球団経営を圧迫する裏金」というところにスポットあてることで、巨人一極集中からの脱却という「球界の革命」から目をそらすことが最大の目的かも…。

【まとめ】
ナベツネも、自分では読売のため、球界のためと思い、一所懸命やってきた。ところがそれが球界のためにも、読売のためにもなっていない現実を見るにいたった。政治家の身の引き方を参考に、読売のためになる方法を画策しながら、上手く責任を放棄した。ちょっとだけ皆に好かれる余生も想像してみた。しかし責任を放り出しはしたが、実権は死ぬまで手放す気はない、断じてない。

Posted by torao at 10:14 | comments(0)
[野球全般]球界
<< 井川、スカッと完投!2安打9K1失点、五回一死まで“完全” | TOP | 【工藤一彦】すべてにおいて弱気が見えたゲーム >>


←必須!「通りすがり」等は禁止!独自のハンドルネームを入れて下さい。

←空欄可。メールアドレスは入れないで!



評論家たちの声
Tigers-net.com様のご協賛により、
T-Blogで運営しています。