自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
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江草「日本シリーズ」勝利を呼ぶ火消し
パの実力ナンバーワンと目されるホークスに、敵地で勝ち越した。2年前の日本シリーズの印象や、初戦、安藤が松中に打ち込まれる様を見せつけられた時は、3連敗すら想起したが、気圧されることなく、じわじわと持てる実力を発揮した。
恵まれている点もあった。前回とは違い、レフトスタンドには「いつもと同じ」大応援団がタイガース選手を励ました。これはホークスにとっては大異変だ。それは甲子園のレフトスタンドに他球団の応援団が大挙押しかけてきたことを想像すればわかる。ホークスにとっては、「いつもと違う」本拠地での戦いとなり、少なからぬ動揺があったろう。
ローテーションの巡り合わせも、好調の杉内、星野と当たらず、新垣、和田、加えて二軍から昇格即今季初先発の寺原が出てくるラッキーもあった。
個々の選手はともかく、チームとして気合負け、力負けしなかったことが大きい。初戦、短評すれば「ソフトバンク猛打爆発、阪神に圧勝」となるのだろうが、試合後、両軍の感想は違っていたはずだ。点差は試合展開が生み出したもので、攻撃力、爆発力に大差なしと感じたのではないか。返す返すも代打浅井の二塁打から始まる猛反撃が貴重だった。

例年と違う交流試合、しかしまだ5月半ば過ぎである。この3連戦で岡田監督がとったリリーフ投手起用は尋常じゃない。好調の江草に、1回、1回、3回の3連投。そして、勝利の中心人物「7回の男」藤川に、2回、2回1/3の連投を果たした。こんな起用法を続けていくことは論外だが、このホークス戦に勝利への執着を見せたのはファインプレーだと思う。
昨季、4位に沈んだとはいえ、タイガースのチーム力は12球団トップクラスである。足りないものは、具体的に思い描く「絵」だった。もはや「世紀の日本シリーズ」、3勝3敗で迎えた福岡ドームで敗れた記憶は薄れつつあった。あの時、皆が心に誓った「ホークスを倒して日本一になる」という信念がぼやけ始めていた。それをもう一度くっきりと描き直した2勝1敗になったと思う。

金本も、濱中もこの3日間「日本シリーズ」を戦っていた。自分の調子のことなど何一つ気にせず、目の前のボールに、チームの勝利に集中していた。下柳も矢野も桧山も今岡も赤星も藤本も、2年前を思い出し、日本一になる「絵」をインプットしたに違いない。数日前になぜ藤本をあわてて上げるのかと書いたが、これが目的だったのかも知れない。

そして、2年前からチームをパワーアップさせた選手たちもいる。鳥谷、藤川、江草…。この日の勝利は江草のものだ。3回ウラ、1点リードの無死満塁で先発・能見が作った火事場をわずか3球で鎮火した。その後も、インサイドに自信満々投げ込む真っ直ぐを中心に、ホークスを圧倒した。この日の投球で江草はまた一つ階段を登った。

Posted by torao at 08:34 | comments(12)
[投手]江草
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おはようございます。
今年の阪神の最大の強みである「藤川を中心としたリリーフ陣」の強力さと、ここという時ほど頼りになる4番と代打の濱中、これまで我慢して使って来た桧山など、監督が選手に思い描いている選手の力にかなり近い働きをしたシリーズ?でした。
だから采配が当たる当たる。後方から瞬発力で差しきった感じでした。
これは、ここというところで萎縮していた、かつての弱かった頃の阪神から考えると、格段のパワーアップで、期待が持てますね。
でも長期戦のペナントレースを考えると、「宵越しの(移動日前の)金はもたねぇ」とばかりに、気前良く使っちゃった江草、藤川の疲労回復をさせるような戦い方もできないといけません。
今度は先発陣が頑張って7〜8回までいき、チームとしてとて良い巡り合わせになることを期待。ついでにオープンエアの6連戦で、1日雨が降る事も期待。w
| ばかぼん父 | 2005/05/23 9:23 AM |
パ・リーグ優勝、最後に笑うのはホークスなんでしょうか。
ホークスのユニ、ウインドブレーカーのように
妙にだぶついてて、デッドボール有利だと思ってるのはテドだけでしょうか?(笑)あやしいねん。
| テド | 2005/05/23 11:08 AM |
良い結果が続くと逆に不安になる悲しい習性。
「単独首位」といっても最下位までは4.5ゲーム差,つい一月くらい前の状況を考えると,今後どうなってもおかしくない。
…でも安定した投手力を基盤としたゲーム運びが今後もできれば大きく崩れることはない,結果を急いで求めず着実に進化していってほしい。
「九回裏二死2塁で打者松中」最後の久保田の三球三振は見事。そうだよ,自分の力を信じて投げればいいんだ! と画面に向かって言ってしまった。
確かに点差はあった。今度,一点差で同じ状況を迎えて,こうした投球ができるように…久保田も何かをつかみつつあると思います。

江草の投球フォームやヒーローインタビューを見ていて,なんとなく思い浮かぶイメージが…。
若いころ(西武時代)の工藤公康。
躍動感というか,どことなく「やんちゃ」な雰囲気というか…私だけ?
| おかぼん | 2005/05/23 12:28 PM |
おっしゃるとおり江草はひとつ皮がむけたように思います。いや、ファン、ベンチ、そしてチームの面々がそのような評価で江草を見だしたと思います。あとはこのプレッシャーを糧にできるか、プレッシャーに押しつぶされるか。今後の江草から目が離せない。
2年前の日本シリーズのリターンマッチはホークス側の意識にあったかどうか分からないが、タイガースには十分その気概が感じられて、見ごたえある3連戦でした。それだけに甲子園で迎える3連戦は油断ならないことでしょう。(甲子園に行かずにはおれませんよ、toraoさん。)
| いわほー | 2005/05/23 12:32 PM |
4勝2敗、toraoさんが描いた、上方のシナリオでしたね。Beautiful Mondayを楽しんでいます。勝ったらか勝ったで、いつ、藤川、肩に違和感なんて、ニュースがこないかと心配の種も。

最近まで、小生はこの江草を全く信用していませんでした。マウンドでニヤニヤしながら、4球を連発、累乗にランナーをのこして、ベンチに逃げ帰る姿が、江草のイメージで、晩年の湯舟とダブッテいました。確かに、toraoさんが評価されるように、最近の数試合は変化が見えます。でも、未だに橋健ほどの信頼感は与えられません。四球病を完全に克服した時に勝利の方程式の一員として認知したいと思います。考えて見りゃ、彼も自由獲得枠の即戦力での入団でした。これ位の活躍では本人もベンチも満足はしておりますまい。更なる大飛躍を期待しましょう。

次のBs戦に備えて、そっちの試合ばかりを観戦しておりましたが、好調のツバメ軍団に連勝したように、西武、SB以上に警戒が必要です。後ろの投手力はわれ等が誇る必勝リレーに勝るとも劣らぬ強力投手力を持っていました。パリーグの順位は低いが侮れませんよ、Bsは。
| 激虎 | 2005/05/23 1:16 PM |
to ばかぼん父さま
「岡田采配ズバリ」なんて見出しも踊っているようですが、投手起用についてはズバリもなにもなく(笑)、後先考えてないかのようなムチャぶりでした。でもベンチの、いや岡田監督の絶対ホークスに勝つという意志は確実に選手に伝わったようです。
そう、ちょっとムリ使いが過ぎましたので、いいところで一雨あってもいいですね。

to テドさま
SBHの投手陣もなかなか好調のようですから、当分ロッテとの激しい攻防が続くのでしょう。直接対決では伝統的にロッテに分があるのですが、やはり強豪の意地もありますからね。
そうですよね。ユニにかすったやつは死球じゃないことにしたら良いのにね。

to おかぼんさま
交流試合のおかげで、大混戦時代が到来しましたね。モチベーションが上手く上がったので、中継ぎ陣のローテを落ち着かせたい所です。打撃陣にも勢いが出てきたので、先発陣を引っ張っていくべきでしょうね。
久保田、いよいよ来ましたよ。本当に良い球来ていました。
本当だ!工藤だ!上背の感じ、直球の角度、似ていますよ。ぜひ色々参考にして欲しいなぁ。

to いわほーさま
江草は、思い切って少しずつ荷が重い場面で使ってきた結果、一段一段上がって来ましたね。同じ要領で、他の投手も鍛えて欲しいものです。
折り返しの甲子園も燃えそうですね。行くしかないでしょう、いわほーさん(笑)。私はムリですけどね。

to 激虎さま
ニヤケているようにも見えますが、あれは「不敵な笑い」ってことにしといてあげて下さい。ずっと良く腕が振れていますよ。
あ、Bsって投手良いんですか?そりゃそうですよね、2つを1つにまとめたんだから、本来強いはずなんですよ。仰木監督の手腕がようやく発揮できるだけのベースができてきたのかもしれませんね。気は抜けませんが、力は抜きたいところです。
| torao | 2005/05/23 1:32 PM |
どうしても気になる桧山のセンターゴロ(笑)。今岡が「ちがうちがう」と言っている方向は1塁の塁審の方向なので、セカンド塁上でのフォースプレーはたぶん1塁の塁審がジャッジしたのでしょう。もしも2塁の塁審のジャッジなら、これこそ「意見書」モノです(笑)。審判のフォーメーションが「違う違う」ということですね。けれども、あの難しくもない局面でミスジャッジを犯したのはなぜ? 当該審判は本当に審判の基本どおり送球に対して直角に入った? まあ、今岡がシャープだったら避け得た可能性も大なんでしょうが(笑)。この走塁も含めて、金本・赤星・矢野と、かなり「足」にキテル気がします…。
| BSミツルH | 2005/05/23 6:34 PM |
to BSミツルHさま
ひょっとしてBSミツルHさんは、審判のフォーメーションとかにも精通されていたりするのでしょうか(笑)。いや(笑)じゃないですね。だって審判のジャッジの中身や、いいとこ見ている場所に文句を言うことはあっても、塁審の動き方に文句を言ったことはなかったなぁと思って(笑)。
そうなんですよ。「3塁をまわった」ってところの映像を見てると、ちょっと怖いですよね。アウトになりそうってのもありますが、ケガがね…。
| torao | 2005/05/23 7:31 PM |
toraoさま。
いや、精通など、とんでもありません(笑)。ただ、フライの完全捕球を確認するためにセンター方向へ2塁の塁審が走ったと思うので、1塁の塁審がセンターの捕球位置と2塁ベースの位置をしっかり確認していれば簡単に「送球に対して直角に入る」ことができたと思うのです。もしもフライアウトで今岡が1塁へ戻ったときも、これであればすぐにポジション取りができます…。あの場合にはそれがベストだと思うのですが、審判のフォーメーションにも時計回りやら反時計回りやら流行があって、それよりも一つ階層が下の基本中の基本の「直角」がおろそかになっていたのではないか、と。アメリカのマイナーリーグでは審判が3人制で、1人で2つのベースをカバーする訓練機会があります。フォーメーションはそんなところからできあがっていくもので、何か与えられたものに逆に縛られているのではないかという危惧が少しありました…。審判とルールと監督にはかなりの過敏症です(笑)。
| BSミツルH | 2005/05/23 9:37 PM |
やっぱり精通しているじゃないですか(笑)。少なくとも、そこまで審判の動きが気になる方はそうそういるもんじゃありませんよ!アマチュア野球の指導者をされていて、大会などでは審判を務められたとお見受けいたしました。
私が少年野球をやっていた頃の監督やコーチも、よく審判をやっていました。プレーヤーとしての経験がたくさんあっても、審判はまた別のこと。今思えば、いろいろご苦労されていたんだろうなぁ…などと、しみじみ(笑)。
| torao | 2005/05/23 10:50 PM |
toraoさま。
いやぁ、剛速球ですね。そんな経験もあるにはありました(笑)。打球が飛んだ瞬間、審判はボールから離れなければいけないのに本能的に寄っていったり(笑)。MLBの監督と違ってNPBの監督は選手を育てながら使わなければなりません。それは育てながらそれでも育てるというアマチュアの監督に通低する部分があります。私が発展途上の選手を応援したがるのはその辺かもしれません(笑)。それと必死な選手、努力する選手…。ですね(笑)。もうひとつ私の過敏症はTV解説に混ざっているウソくさい野球理論とプロ野球関係者のスポーツ科学の軽視でした(笑)。健全な精神論はtoraoさまと同じで大好きなんですね、これが(笑)。長々とダイアログになってしまい失礼いたしました。
| BSミツルH | 2005/05/24 12:15 AM |
いやいや面白いお話をおうかがいできて嬉しいです。またきっと機会もあるでしょう。もっといろいろお聞きしたいです。
| torao | 2005/05/24 12:41 PM |

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