自称阪神タイガース評論家（跡地）

　ここ２試合、原監督の投手交代、起用方針に驚く。０で抑えている未勝利投手を同点の５回まででスパッとチェンジ。この日は杉内を１３９球まで引っ張り７回を投げさせた。１試合１試合ではなく、続き物の流れで見られるのは、余裕のなせる技だろう。ま、それにしても育成、白星、実績…かなりうまい具合に回している。

　完全に見失っているが、タイガースもジャイアンツとは違う意味で余裕を持って、中長期的視野で投手起用を考えなきゃいけない局面。つまり大きく形を作っていっていいし、またそうしなければ当面の目標である３位浮上が見えてこない。見習うべき。

　右を並べ、杉内を打てそうな選手を並べた。その内、１番上本、２番俊介は素晴らしい結果を残した。特に上本は初回の第一打席で粘った末の四球。これが今日の杉内の投球内容に直結した。盗塁、送球エラー、犠飛という先制点こそ今のタイガースが欲していたイヤらしさ。５打席４打数２安打２四球１盗塁は１番打者として満点。一瞬のスキをつく走塁にも大いに見るべきものがあった。課題の守備でも大過なく、これでしばらくスタメン起用の頻度も高くなっただろう。立派。
　唯一の凡退が決定機での見逃し三振。決勝ＨＲを打った阿部は、少々のボールでも強引に振る「一人エンドラン」をやったと談話に残した。チャンスでの考え方として見習って、悔しさを次回晴らそう。

　それと９回鳥谷の三遊間遊ゴロで二塁封殺になった走塁はイカン。上本なら完全セーフ（セーフだったと思うけど、もっと完全に）のはず。

　俊介も２番スタメンでよく働いた。１打席目冷静にライトへの犠飛。狙いがバッチリだった。５打席２打数１安打１打点、１犠飛、２犠打。凡退の左飛もしっかり振り切ったいい打球だった。攻撃にバリエーションを加えるキープレーヤーになれることをしっかり見せた。

　プロ入り始めて４番に入った良太は第１打席こそ二塁打を打ったがその後は４三振に終わった（うち一つはスリーバント失敗）。３回と５回の見逃し三振は、杉内に飲み込まれた。ダメだぞ、相手は球界トップクラスの投手。胸を借りて大きくなるんだ。一番いい球を打ち返すんだ。いつかきっと４番としてこの借りを返せよ。持ち前の元気と勇気で本当の４番になれよ。

　スタンリッジ。粘り強くよく投げた。勝ち投手に匹敵する頑張りだった。負けの●は、監督の額にでも貼ろう。筒井も１球に泣いたが、あれは阿部を褒めるしかない。ワンバウンド以外なんでもホームランだったかもしれないから。

　長期的視野に立てばハイリスクでローリターンだが、４番にスクイズもやりたければやればいい。何番にでもやらせたらいい。それが「原点」だったのは知っているから。蛮勇を振り絞っての奇襲だと認識してやる分にはいいだろう。臆病からの逃げでやっているようでは、長期的にはもちろんのこと、その試合でも得るものはないだろう。

　敗戦で面白くないのは他の試合と一緒だけれど、持ち味を見せる選手のおかげで少なくとも試合を面白くした。そこは評価しよう。ジャイアンツファンをより喜ばせてしまったのはシャクだけれど、つまらない試合を積み上げるよりはよっぽどいい。

　ということで、できるだけグチっぽくないように、前向きに書いたとしても、「何を今さらそんなこと言ってるんだ？」みたいな内容になることに変わりないのがわかった。そらそうよ。