自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
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ブルペン・キャプテン始動
後に振り返った時、「00年代はタイガースの黄金時代」と言われるようになったとする。その時、03、05の双方の優勝に中心人物として貢献した選手たちは、「黄金時代初期の主力メンバー」などと呼ばれるかも知れない。
2つのVで「主役級」の活躍した選手を挙げると、矢野、今岡、金本、赤星、井川、下柳、安藤…そして、ジェフ・ウィリアムスということになろうか。

他の投手があまりにも仕上がりが早いため、ややスローなのかと思われているジェフだが、まったく普通のペースだと思う。2/7はブルペンでしっかりと投げ込んでいた。昨年左ヒザを手術し、今キャンプ初めての本格的投球だったが、まったく順調。

戦術上重要な救援投手は、相手チームにすれば絶対に攻略しなければならない研究対象となる。ウィリアムスは当然毎年丸裸にされているだろう。しかし、岡田監督がよく言う「相手どうこうじゃない」のがジェフのスライダーだ。プレート板の端を踏み、クロスステップでサイドハンド。打者から見て一番右端の遠くから出てきたボールが、ホームベースの左端をかすめたり、かすめなかったりしながら一番左端に到着する。その間に自分の体に向かってくるように見えたり、遠くへ逃げていくように見えたり。この絶対的なボールをコースに投げ分け、さらに直球と、スピードを落としたスライダーで混乱させる。結局導き出される「攻略法」は、配球の傾向くらいで、球種にヤマを張って、失投を待つほかないというのが実情ではないか。

そういうわけだから、調子が良ければ、ジェフは捕手にとってリードするのが面白くてしょうがない投手だと思う。直球とスライダー、ボールとストライク、内と外。3つの「ウラオモテ」の組み合わせと、打者の狙いを読むことで、面白いように三振が取れる。特に左打者には、踏み込ませないこと、インサイドの直球を狙わせないことだけできれば打たれれるはずがない。また、右打者との勝負はまさに「ケンカ」。逃げる球がない分、気迫で相手を押し込んでいく。

問題は、制球の悪い時があること。カウントを悪くしてしまうと、甘いコースへの直球を待たれて痛打されたり、四球で塁を賑わしてしまったり。それでも04年に比べれば、去年は調子の悪いジェフを見ることが極端に少なくなった。やはりチーム状態の良さが、ブルペン全体の好循環に繋がっていたのだろう。

スライダーの軌道はもちろん重要。そして今年も、左打者のインローに直球でカウントを取れるかどうかが生命線だと思う。この球が決まらなければ、左打者は「絶対に当たらない」と決めつけて前足を内に踏み込んでくる。右打者は「どうせ食い込んでくる」と見切られる。
ジェフの場合、そこらあたりはもうすでに技術の話ではなく、緊迫した「白兵戦」で、アドレナリンがどう分泌するかという「アドリブ」にかかっているような気がする。

昨年もそうだったが、4年目となる今季は若いリリーバーたちをまとめる「ブルペン・キャプテン」としての役割も求められ、自覚も十分。チーム全体の精神状態がパフォーマンスに直接的な影響を与えるセクションだけに、雰囲気作りの面でもジェフが果たす役割は大きくなる。

Posted by torao at 08:34 | comments(13)
[退団者]ウィリアムス/ジェフ
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>緊迫した「白兵戦」で、アドレナリンがどう分泌するか
ふだんの風貌はクールですが,「ここぞ」という場面でのジェフは,歯を食いしばり,戦う気持ちが表情に強く表れます。04年には気持ちと投球がかみ合わない時もままありましたが,JFKになってからは非常に安定した力を発揮してくれたと思います。
そしてジェフには,今年はもう一つ,オクスプリングの兄貴分かつ後見人という役割もありますね。監督は助っ人投手であってもローテを約束するわけではないと明言していますし,起用法を含め,シーズン中には,ささいなことでも行き違いがあったりする可能性もある。オックス本人にもアジャストする能力,姿勢は感じられますが,ジェフの存在はさらに心強い。表には出ないけど「ナイスリリーフ!」って言いたくなるようなアドバイスがきっとあるんだろうな。
| おかぼん | 2006/02/08 9:59 AM |
比較的若いブルペン陣。
その中で外国人選手がリーダーシップを執る。
ビジネスと割り切った中での範疇をこなす選手が
多い中で、経験豊富な彼がリーダーの役割を果たして
くれるのは非常に有難いし、彼もその事を意気に
感じてくれているのかも。

今年もリーグ優勝して、あのセリフをもう1度
聞かせてくれ!
「パリーグ!しばくぞ!」
| 西田辺 | 2006/02/08 11:19 AM |
久しぶりに駄文を呈します。私は小学生時代の三角ベースでしか
野球体験はありませんから、技術面はまるで判らないのですが、
能見君、中村泰君の両左腕が右打者の足下にぶつけるような悪球
を多く投げるのが理解出来ないでいます。
ジェフにはその球は少ないのです。井川、吉野には少し見られる
のですが、前者二人ほど酷くはないのです。大抵は走者のいる時
ですから、捕手のパスボールで塁を進めてしまうのです。
あれが治らなければ主力は無理と考えています。
| 森 無礼 | 2006/02/08 11:33 AM |
00年代はタイガースの黄金時代と言うよりも、
00年代はタイガースの黄金時代の創世記だったねーって言っていたいですね。
ジェフは、1年目は、闘志をむき出しにしたピッチングでしたが、
年々丸くなってるような気がします。
抑えから中継ぎに変わったことも影響してるのかな。
アドレナリンをほどよく分泌させてるんですかね(笑)
ストレートは、ムービングファストボールだから、
カウントは取りづらいのでしょうね。
スライダーをもっと活かすのに、
もっとスクリューも織り交ぜていけばと思うんだけどなぁ。
(球数は多くなってしまますが。)

05年は、JFKでしたが、
03年は、Vカルテット。
ジェフ、安藤、リガン、そして、吉野でしたねぇ。
すでに懐かしさが…
吉野、復活しないかなぁ。
| grayghost | 2006/02/08 12:04 PM |
to おかぼんさま
そうですね、オクスプリングは意外とここまでオドオドした雰囲気を見せていますから、もしジェフがいなかったら大変だった…来てないかも知れませんね(笑)。
ジェフにとっては去年のJFKという扱いがものすごく嬉しかったようですね。

to 西田辺さま
まさかウィリアムスが4年目のシーズンを迎え、ブルペンで若い投手陣を束ねる立場になろうとは、来日当初には想像もつきませんでした。でも、もとからキャンプ朝の声出しで「ネバーネバーネバーサレンダー」って笑わせてくれてたから、明るかったですよね。

to 森 無礼さま
ごぶさたでした。ああいう悪球を投げるというのは、どういうことなんでしょうね。緩い球で、打たれたくない、落差をつけたいという弱い気持ちが球筋にあらわれてしまうというか、そもそも球離れが早すぎるので「焦り」「投げ急ぎ」に近いのかも知れません。いずれ心理的に追いつめられてしまった時に出る現象のようで、あの手の球を投げてしまった後は、かなり高い確率で自滅していくと思います。逆にそういう球がいくかも知れないが、気にしないでおこう!と始めから覚悟しておけばいいのに…と思いますが、そういう簡単なことじゃないんでしょうね(笑)。

to grayghostさま
>黄金時代の創世記だった…
欲張りすぎでしょう(笑)。ここ数年のうちにもう1度優勝すれば十分、黄金時代だと思います(笑)。
右打者のアウトサイドの攻めは、球種よりコントロール、出し入れがきっちりいけば十分じゃないでしょうか。それだけ、あのスライダーはスペシャルだと思いますので。
| torao | 2006/02/08 12:59 PM |
3Bが少し前へきて、SSが三遊間を若干つめて、2Bは2塁ベース寄りですか、そしてプルヒッターの右打者のインコース・ベルトよりやや下あたり、ジェフのストレートが矢野の構えたミットのところにすうっと吸い込まれていって…それで一丁挙がり、と^^。きれいな球筋^^。ジェフのここの球は左右どの打者がきても、分かっていても、(江夏の右打者アウトローのように)ウイニングショットになると思います。ジェフしだい。
| BSミツルH | 2006/02/08 5:44 PM |
to BSミツルHさま
ああ、そうですね。それですね。思い出しました(笑)。
なんか打者がすくんでしまうんですよね。ああ、見たくなってきた!ジェフの咆吼も!(笑)
| torao | 2006/02/08 6:48 PM |
1軍情報にはまったくついていけまへん。
というか、1軍ネタを探る暇がないです。
今日も行ってましたが、途中で雨は降るわ、
みぞれになって雪になるわ、雷は鳴るわ、
強風で傘は折れるわ、散々でしたわ〜。

それでもしぶとく粘って見る私。
投手をチラリと見ましたが、
三東投手も太陽選手も元気に投げてるように
見えました。
でもプルペンじゃないので、どの程度の
状態なのかはわかりませんが・・・。
ゴロ捕などはみんなと同じようにやってました。
辻本君もなかなか頑張ってました。
坊主頭だから見つけやすいです(笑)

でも、あまりの寒さにちょっと仮死状態だったのか、途中記憶が定かじゃないような(笑)
| ちょびうさ | 2006/02/08 8:32 PM |
to ちょびうささま
どうも安芸は天気に恵まれなくて可哀想ですね。一二軍のちょっとした差で、調整に差がついてしまいそうです。でも、二軍の方はあせらずゆっくり、5月6月に調子を上げてくれば良いと思います。
毎日観に行って下さい。中林が張り切るみたいだから(笑)。
| torao | 2006/02/08 9:39 PM |
私は見る専門なので技術的なことは解りませんが、
ジェフさんの、投げるとたまにテレビ画面から消えちゃうあのフォームから、シュッとスライダーが決まって打者が空振りする場面は見てて気持ちがいいです。
2004年がいまひとつだったのは、「自分がやらなきゃ」という責任感をあまり感じられなかったからじゃないかと思います。
オリンピックではあんなに活躍しましたし、2003年は抑えとして、去年はJFKのリーダーとして、責任感を感じるほどモチベーションを高く保てる選手のようなので、今年もブルペンリーダー、そしてオックスさんの兄貴分として活躍してほしいです。
| イエロー | 2006/02/08 9:54 PM |
to イエローさま
アドレナリン出てる?(笑)
気持ちで投げる投手ですね。どれだけ勝負の中に入り込んでいるか。信じられないような投球をするか、なんとも言えない「凡」な感じか、その差が激しい人です。だから見ている方はドキドキするし、抑えればものすごく嬉しいですね。
| torao | 2006/02/08 10:02 PM |
03年はクローザー抜擢を意気に感じ大活躍。04年は安藤と役割が試合の流れで変わってませんでしたっけ?(なんで固定せん?と怒ってた記憶があるんで)なのでいつ出番なのか不安定で気持ちも含めて調整が難しかったのかなと。
05年は言わずもがなJFKの一員。
ジェフは立場を任されないと駄目なタイプかと思ってるんですけどね。
わかってても打てないキレのあるスライダーはずっと見ていたいです。
06年の役割はブルペン・キャプテンですか…。これでまた活躍しますね。
| ともやん | 2006/02/09 1:29 AM |
to ともやんさま
>04年は安藤と役割が試合の流れで変わってませんでしたっけ?
そうでしたね。前年好調の吉野の不調もあって、決めるに決められなかったというのが実際のところだったのかも知れません。
| torao | 2006/02/09 12:48 PM |

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