自称阪神タイガース評論家（跡地）

１番２番が出塁し、かき回し、生還する。クリーンナップがことごとく塁上を掃き清め打点を稼ぐ。スキを見せない集中した好守連発で併殺の山を築く。スキありと見れば果敢に次の塁を奪う…。
もしもーし！これなんて強豪？


今まであまり声高に叫んで来なかったが、私はかなりの併殺フェチだ。特に、まるで反射のようにポンポンポンと球が渡る４−６−３が好きだ。いや愛してる（笑）。
強い打球をさっと止めて、正確なパスを出す二塁手の身のこなしがたまらない。歓声の盛り上がりとともにショートからの送球がビシーっとファーストに渡るのがたまらない。たまに自分がやられているのにウットリしてしまうくらい（笑）。
この試合、取りも取ったり４併殺。しかも６〜８回は３連続４−６−３だ。もう私は理性を失う寸前だったね、危うく街に出かけて行って、無差別にボールをパスしてしまうところだった（笑）。
やられる方もやられる方って話もあるけど、とにかく艶めかしかった（笑）。

艶めかしいと言えば赤星平野の１，２番、ユニット名「ＡＨ」（ああ…）だ（笑）。１回裏赤星が一塁線ドラッグバントで出塁。警戒の中、１−１からの３球目で赤星がスタート、平野肩口へのカーブをしっかりためてライト前に仕留める、もちろん赤星は一気に三塁へ！初回鮮やかなヒットエンドラン成功。ああ…艶めかしい…。

追記9：00
しまった！痛恨のエラー。書いた気になって、いちばんセクシーだったダブルスチールのこと書くの忘れてたぞなもし！みんなコメントに書いてくれ！ごめんなさーい。

まだある。
６回ウラ二死一三塁、新井の打球は右中間方向、ライト吉村なんとかワンバウンドでこの打球を抑える。三塁走者ホームイン、そして一塁走者平野は、好スタートから脇目もふらず一気にホームイン。カウント２−３からだから当たり前と言えば当たり前なのだが、この厳しさがセクシー。

さらにさらに好走塁は、１，２番にとどまらない。１回ウラ。金本がまさかの三進ゲッツーで二死二塁とチャンスがしぼみかけ。今岡のどこにどう当たればそういう打球が飛ぶのかさっぱりわからないネズミ花火みたいな打球が一二塁間をゆっくりゆっくり転がっていく。二塁仁志が追いついて、カン良く本塁に送球するも新井のスライディングが早くホームイン。内野安打で二塁から生還、ホント、ヤバイ（笑）。



「初めまして」新井ちゃん。インタビューで「初めまして」は狙っていたんだろうけど、まんまと感動したよ。良く来てくれたね。ありがとう。
ホームランを打つ能力も魅力だけど、この選手の魅力は心だね。謙虚さだね。まあちょっとでも鼻を高くするとアニキに折られるから謙虚なんだろうけど（笑）。
それは打撃姿勢にも現れる。バッテリーに攻められて、苦しい姿勢になっても決して諦めない。まさかのインハイが来ても、なんとか素速いスイングでファールにする。まさかの緩い球が来ても、なんとか下半身を粘らせて、ためを作ってバットを合わせていく。最後の最後まで足の力を、腕の力をバットに送り込んで、ボールを運んでいく。もう気合い、気持ち、そういうものがひしひしと伝わってくる。良いバッターだね。良い男だね。



４回二死満塁、打者代打鈴木尚。２−１からのアウトローいっぱいへの速球で見逃し三振。矢野と福原が同時に小さく拳を振り上げる。公式戦の場で、福原が自信を回復させたと思わせた瞬間だった。
フォームにはまったく力感がない。オープン戦では、ボールにも力感がなかったのだけれど、この日は力まないフォームから、力強い速球が繰り出されるという感じに変わっていた。
四球もあったし、甘い球をヒットもされたけれど、結局こまかいことにとらわれないおおらかな配球が完封に結びついたのだと思う。外目（ＮＯＴ外いっぱい）の直球、遅いカーブ（コースは真ん中でＯＫ）で無造作に見えるくらい淡々とストライクを投げていく。全体的にそのリズムを作れたことで、打者に対して優位に立ち、結果として速球で詰まらせることに成功した。
この日は４併殺を奪うなど、１２の内野ゴロを打たせた。たいがいそういう時はスライダーを打たせるという投球なんだけど、この日の福原は、直接的に間接的に、速球の押し込みで打たせたものだった。
今季初登板初勝利を見事な完封で飾った福原。この調子でリベンジ行こう。実力を見せてやろう。