自称阪神タイガース評論家（跡地）

ただ印象だけで語らせてもらうと、ライオンズの打者は良く思いっきり振っていた。勇気を持って次の塁にチャレンジしていた。かわすより攻める投球をしていた。良く計算し、良く考えていた。失敗を叱責するより、チャレンジを讃える空気があった。だから前年５位からジャンプアップし、混戦から抜け出したのだろう。

タイガースだっていっしょだと思う。

今日の試合で何かが決まると考えたい気持ちはわかる。だれだってこの緊張感の中では早く結果が欲しいからね。でも実はまだ何も決まらない。
この時期、ここまでの競り合いになれば、息の止め合い、我慢比べだ。「負けた…」はもちろん、「勝った！」と自分で勝手に結果を出してしまった者が最終的に負ける。何があっても、すべてが決まるまで決めつけないで、ぐっと辛抱して戦い続けること。

猛禽類のような鋭い眼光でグラウンドの隅々を見渡していよう。ほんのわずかな勝機を逃がさぬようの。
全力疾走で塁間を駆け抜けて、ベースに炎のスライディングを突き刺そう。その一歩、その一瞬が機を制す。
低く低く、這うように低く。目を低くしていれば打球の「表情」がわかる。自分の周囲は絶対に抜かせないという気迫で守れ。
打たれてみろ。勝負だ、打ってみろと投げ込んだ球は、打者は手が出ない。出ても意外と飛ばない。飛んでもバックが守ってくれる。
振るべき時、振るべき球をしっかり考えろ。考えたのなら、しっかり振れ。思い通りにボールがバットに当たるところをしっかり見届けろ。
自分のことができたなら、チームワーク。常に状況判断を怠らず、目で声で確認し合うこと。こつこつとネットワークのメンテナンスを忘れないこと。「連帯」は精神論よりも、技術論だ。

焦ったらいかんよ。結果は後からついてくる。あの時のあれがああだったという「結果論」は、評論家がつけてくれる。戦士はただ目の前の戦に勝ち残るだけだ。
さあ、しっかり一歩一歩、甲子園の黒土を踏みしめて戦っておいで。