自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
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読売考
 ドラ1奈良産大の蕭一傑(しょう・いっけつ)投手(22)と仮契約。
これでようやくドラフト指名4選手との仮契約が完了。
 他に育成ドラフトで指名した3人も仮契約は済んでいる。育成選手には他にもいろんな顔が加わることになっている(含む出戻りヤス)。また今度詳しく。

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 先日の記事「読売がやるべき正しい事」に対し、「通りすがりの巨人ファン」改めG3さんからコメントをいただいた。言葉が不足しているために真意が伝わらない部分や、一方的すぎる部分もあるように思い、今日はそれに答える形で続編としたい。

 (前略)ちょっと反論ですが、『読売のやり方で首を絞められ続けている…ってことだと私は思う』
 これはもう少し具体的に聞きたいです。
 もし巨人戦の全国中継のことなら、以前にも少し議論をしたことがあって、その時はtoraoさんは『例えば北海道で巨人戦も中継されると、日本ハムが北海道で人気を得るための足枷になる』というような主張をされたと思うのですが、それに対して僕が『地元に球団の無い地域には、巨人戦の放送が野球人気向上に寄与しているのではないか』と反論したところ、あまり説得的な反論が返ってこなかったように記憶していますが。全国中継の話以外にも何かあるんでしょうか。

 プロ野球空白区を、全国制覇的球団(巨人)が埋める。このことがプロ野球にとって利点であると私は考えません。せっかく公共の電波を使うのなら、まずは地元に密着した身近で有用な情報を流すこと、次に全国の情報を公平公正に伝えることが重要だと思います。ですからプロ野球を伝える場合も、地元は地元の球団を中心に、地元に球団がない場合は、その時々でもっとも見るべき価値の高いカードを取り上げることが理想だと思います。
 ジャイアンツ人気が全国を席巻していた時代は終わりました。日テレ系巨人戦中継は、空白区を埋めることに寄与する反面、なんで巨人ばっかり?という疑問のために、プロ野球全体のブランドイメージを損ねているというのが私の考えです。

 また、一虎ファンさんも指摘していますが、阪神に対する関西マスコミの扱いも同じようなものだと思います。平等な扱いが球界のことを考えることになるなら、関西マスコミは近鉄やオリックスも同様に大きく扱うべきだったんじゃないでしょうか。

 まず根本的な話として、「巨人&読売グループ」と「阪神&関西マスコミ」の関係性がまったく別のもであるということを指摘しておきます。利害関係者というてんでは共通していますが、自分自身である巨人と、地元応援の大義がある阪神では違います。
 しかし、阪急、近鉄、南海やその系譜の球団に関西マスコミが見向きもせず、結果苦境を強いてきた(強いている)という指摘はまったくその通りだと思います。しかしそれとても全国中継する巨人のライバルという位置付けがそうさせたのだと思います。
 完全な平等が必要だとは思いませんが、サンテレビや関西ローカル局は、オリックス戦にも配慮すべきだと思います。

 東京と大阪では地元意識が違う、という理屈も良く分からないので、詳しい説明を伺いたいです。

これは特に根拠のある話ではありません。ただ、「東京がなんぼのもんや」という、地域共通の地元意識の強さは普通に感じます。
 逆に、日本における東京があまりにも他の地域と事情が違いすぎるというのはある程度客観性のあることでしょう。あらゆる中心的機能が集中しているため、他地域からの流入人口が大きすぎる。「自分のもの」という感覚になれないのかも知れませんね。住んでいても「我が町東京」という言葉になぜか空々しさを感じてしまうというか。

 また、関西マスコミは阪神≒野球を特別扱いしてるんじゃないですか?

 その通りだと思います。地元のチームを中心に取り上げる、盛り上げるという方向性は正しくても、本来は他の地元チームの情報もしっかり伝えるべきですし、他の地元スポーツもしっかり伝えるべきです。もちろん全国的な伝えるべき内容についてもです。方向性は正しくても、比重がめちゃくちゃ過ぎると言えます。
 ただし、読売と巨人の関係は、資本の面や、商圏の面で、それと同じには語れないと思います。
 
 それと、アジアシリーズを後援してたのは球界に対する貢献じゃないんでしょうか。他にもジャイアンツカップなんかも該当すると思うんですが。
 それとWBCの主催も貢献の側面があると思います。特に前回なんて、成功するか失敗するか全く分からなかったわけですし。
 もしNPBが主催するなら、全球団から運営資金を募る必要があるようにも思いますが、そんなことできますかね?今だって、相当WBCに関しては球団によって温度差があるようですし。その状況で読売主催が「毒」と言うのも、ちょっと疑問を感じるところです。
 それとも、WBCが軌道に乗ったら主催を手放せということでしょうか。それは逆に横暴な要求だと思いますが。

  アジアシリーズについては、スポンサーが得られずに仕方なく読売がやったという事情があるでしょう。WBCについては、あまりきれい事はないんじゃないですか?MLB側と折衝した中心が読売側だったっていうことではないでしょうか。
 さて、これまでの歴史もそうですし、今もなおプロ野球にもっとも投資をしているのは読売グループです。その点の評価は誤ってはいけない点だと思います。
 それでも、それは初めからプロ野球が読売のものであったことを考え合わせると、決して功罪の「功」だけを取り立てる気になれません。
 以下の話は、巨人という球団レベルの話ではなく、読売とプロ野球全体というレベルの話です。読売は日本のプロ野球を作り、手塩にかけて育て、大きくしました。本当だったら、プロ野球、NPBというものを一人前にして独立させてやらなけりゃいけなかったんだと思います。読売やその他おおぜいのオーナー企業の思惑だけじゃない意志決定機関を作らなくてはいけなかった。せめてMLBがその重要性に気づいた時に、NPBが自分だけで生きていけるようにする方向性を示してやらなきゃいけなかったと思います。そのチャンスはありました。それに気づくだけの「志」を持ちうるのは読売しかなかったはずです。阪神はじめ、プロ野球にくっついていた資本には、そんな気概は持ち得なかったですから。
 でも読売は、プロ野球との相互扶助関係を保ったまま今日にいたります。その関係はプロ野球黎明期と同じように、読売が一方的にプロ野球を支えるという図式に見えます。そこから脱却したくても、今すぐにはできない様子を私は「毒を食らう」と表現しました。
 ちょっと散漫になってしまったので、もっとも言いたいことを整理するとこういうことです。G3さんと議論をすることで、このブログは単なるタイガースファンの寄り合いから、一歩も二歩もの対外的信用が高まります。これと似たような話で、プロ野球は「読売がもうかる」というイメージを薄めることで、公共性や対外的信用が高まると思います。もちろん実際は適度に儲けて良いんですけど、不当に儲けていると思われるのは読売も損ですし、野球界全体の損です。

 最後に個人的には、読売は巨人を積極的に特別扱いして欲しいと思ってます。それがグループにお金を落としてくれる巨人ファンに対する当然のお返しじゃないでしょうか。
 同様に中日スポーツは中日を、デイリーは阪神をそれぞれ特別扱いすればいいのだと思います。

 この中でデイリーだけは経営母体と関係ないですからちょっと意味が違いますね。中日新聞はローカル紙ですから地元応援の大義はあります。個性ある紙面作りや、地元密着のローカル紙はOKですが、自社広告が過ぎると自分に跳ね返ってしまうかもしれません。
 でもそういう巨人ファンも多いでしょうね。実際はスポーツ報知が巨人色を薄めなければならなかったのと同様に、全国紙として展開するためには、系列を特別にはしづらくなっているのかも知れません。
 私個人としては、日テレにはパ・リーグ含め巨人戦以外も全国中継して欲しいと思いますし、野球界全体を取り扱った情報番組にシフトするなど工夫をしてもらった方が、結果的に新しい巨人ファンを獲得できると思います。球団運営は素晴らしく上手くいきつつあるわけなんですから。

 時間切れになってしまい、ろくに推敲もできていません。それでもいったんアップすることをお許し下さい。G3さん、書き込みありがとうございました。

Posted by torao at 08:42 | -
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