自称阪神タイガース評論家（跡地）

初出場の東海大海洋学部（東海）が１２年連続出場、２年連続準優勝中の東海大（首都）を破る大波乱（産経）。こういうこともあるんだなぁ、一発勝負の恐ろしさでもあるのだろうけど。

　この日登録即先発の岩田も好投したが、二軍の先発投手が良い感じ。火曜はジェンがスイスイの完投勝ち、水曜は小嶋が６回１失点、木曜は久保田が二度目の先発チャレンジ。後半はここらへんが活躍する展開になるかもね。

◇６月１０日（水）西武−阪神３回戦（西武２勝１敗、１８時１分、西武ドーム、２９００６人）
阪　神　１０２　０００　０００　−３
西　武　２００　００１　００１Ｘ−４
【阪神】岩田　●アッチソン（３勝２敗）　ウィリアムス
【西武】○涌井（７勝２敗）
[本塁打] 新井７号（神）　中島８号（西）

　大幅に打順変更。記録しておくと、１平野２赤星３新井４金本５桧山６ブラゼル７関本８鳥谷９狩野。「機能」とまではいかなかったが、それぞれが刺激を受けて打席に臨んでいたのは間違いない。新井先制ＨＲ、繋いでの金本逆転２点タイムリーまでは言うことなしだった。５番桧山の４打数４三振がちょっとびっくり。長嶋じゃないんだから。デビュー戦でもないし（笑）。

　しかし結果は後味最悪のサヨナラ押し出し。「満塁策＝守りやすい」は真実だけど、投手にとっては「攻めにくい」ことこの上ない。塁が空いていれば、内に外に、ギリギリを攻め込む勝負ができる。守る方だって一死一三塁は、どうせ全部バックホームなんだから前がかりで守りにくいということはない。
　とにかく「サヨナラ押し出しの圧力」ほどイヤなものはなかろうね。それをイヤだと思えば思うほど、心理的に追い込まれていく。投手はしんどいよ。たとえ百戦錬磨のプロでもボールが先行すれば隅っこで勝負している心の余裕はないだろう。もうそうなったら「サヨナラでもしゃあないわ」と開き直って、真ん中目がけて、「打ってみろ」の気迫で攻め込むしかない。そういう精神状態を周囲が作り出してやれるかどうかが重要になる。
　すでに今季サヨナラ押し出しをやっているジェフなんだからなおのこと。「打たれてサヨナラならＯＫだ。思いっきり行け！」と言ってやれたか。そう思って送り出せたか。

　それとナベＱ監督との駆け引きね。真弓監督きっと迷った末のジェフ投入だったろう。渡辺監督はジェフ出してくれと願っていたのかも知れない。誘いに乗ってしまったように感じた。
　アッチソンに負けはついたが、傷はつかなかった。傷が癒えかけていたジェフだが少しまた傷口が開いた。もはや大きな問題とも思えないけれど、なんというかやっぱり後味は良くないし、負けてもこういう心理状態にならないような方向に導く必要があったと思う。

　幕切れ以外は良いところがたくさんあっただけにね。７．２回を投げた岩田は今後大いに期待できる内容だった。打たれるのはしゃあないんよ。それよりもあの締まった表情で、打者をどんどん攻めていく姿勢がチームに良い影響を与える。
　終盤の攻撃で見せた新井の盗塁。決勝点を防いだ鳥谷のダイビングキャッチ。両投手の力投の中で、両チームとも必死のプレーがたくさん見られた。とても良い試合だったと思う。だからこそ「負けて悔いなし」でありたかった。