2003.12.31 Wednesday
記事に登場する渡辺チーフスコアラーは、1979年ドラフト3位で入団後、1986年引退を経て、スコアラー、コーチとして阪神一筋の裏方さんで、現場関係者として二度の阪神優勝を経験した貴重な一人だ。現役時には出場機会に恵まれなかったが、その後も野球界で生きてきたからには、相当な努力があったのだろうと思う。さて、記事によると好調時のバッティングフォームを納めたDVDを選手に配布したという。田淵前コーチとそのブレーンの手塚氏によって行われてきたことを継続しているのだろう。映像ソフトは、フォームの解析だけでなく、イメージトレーニングや士気高揚にも向いているのが、それぞれの選手にオリジナルの編集を行うのはなかなか手間のかかる作業、このような細かい努力も優勝に一役買ったと思う。
2003.12.30 Tuesday
優等生キャラが多いタイガースで、ひときわ異彩を放っているのが久保田だ。体重オーバーで罰金を食らっても臆することもない。投球時の肝の据わり方も半端じゃない。新人の今年もしびれる場面で見せた開き直りは最高だった。藤川、太陽、江草、杉山らドラフト上位組がもたつく中、がっちりチャンスを掴み、89 1/3イニング、5勝5敗、防御率3.12は立派な成績だ。パワーアップによる体重増なら大歓迎、さらなるブレークの期待大。
2003.12.29 Monday
オフになると、福祉活動に積極的な選手の様子が報道される。ここ数年、阪神の選手も積極的だ。やはり先導したのは星野前監督だろう。ヘルメットのあしなが基金は大きな話題となった。赤星の盗塁に応じた車椅子プレゼントもすっかり有名だ。記事によれば桧山も寸暇を惜しんで施設に顔を出しているとのことだ。とかく自分中心になりがちな今の世の中。特にこの時期は契約更改など生々しい話が多いだけに、こういう記事を目にすると優しい気持ちになる。
2003.12.28 Sunday
虎風荘の梅本寮長が今年いっぱいで退団し、山本晴三氏が寮長に就任する。山本新寮長は南海、阪神で現役時代を過ごし、その後トレーナー資格を取得し、長きにわたりトレーニングコーチを務めてきた苦労人。若い選手たちの良いオヤジになることだろう。また、中部地区担当スカウトとして安藤らの獲得に活躍し、定年を迎えても星野前監督専属広報として任に当たっていた高木時夫氏も退団。一昔前バラバラだったタイガースが今年カチッとまとめた、そのパーツが欠けるようでさびしい。
2003.12.27 Saturday
野崎球団社長は、就任以来いい仕事をしている。今年の優勝の大きな功労者だ。星野前監督の情熱を形にかえていった男。公式HPに「球団の基本姿勢」というのがある。動かない指針を定め、ファンに公開した。それに沿うように着実に改革を進めている。今日も人事のテコ入れとして、島野チームディレクターに球団本部管理部長を兼務させること、スカウト、トレーナー、スコアラーに外部招へいを行ったことが報道されていた。印象だけで語らせてもらえば、野崎球団社長は、風貌といい発言といい穏やかでとても謙虚。一方こちらも印象だけだが、巨人の三山代表という人は、挑発的で不遜で傲慢だ。人徳のあるリーダーが率いる球団にこそ来年もいいことが待っていると信じて疑わない。