2007.03.07 Wednesday
スタンドを埋めたお客さんの数、熱の入りようは公式戦さながらだ。
能見と杉内の投げ合いは見ごたえがあった。飛車角、金銀まで落としたタイガース打線が5回を鳥谷の1安打に抑え込まれるのは想定の内。というよりフルメンバーでも変わらないかも(笑)。
一方タイガース先発能見も素晴らしい投球。去年までは「かわす系」スライダーと、「ギリギリ系」直球のどちらかを「えいやあ」と投げるしかなかった。打者にしてみれば足の踏み込み場所は同じで良いし、タイミングも微かにタメを作るだけで合わせやすかった。またホームベースの半分でしか勝負してこないから見極めやすかった。
それがシュート方向に逃げながら落ちていくチェンジアップをものにして、能見はすっかり変わった。能見が変わったもんだから、相手打者の待ち方も変わった。左打者は決め打ちの踏み込みができなくなった。もしチェンジアップが来たら、どんなに遅い球でもまったく対応できないからだ。右打者はど真ん中に来るように見えて、どんどん逃げていく緩い球に軸を前に倒される。前後左右への揺さぶりを手に入れたことは本当に大きいね。「あと一人」で多村に予定外の一発を食らってしまったのは残念だったが、私個人的には、他の投手にさきがけて「ローテ入り当確マーク」を差し上げたい。
対照的だったのは5失点した吉野。別に何が変わったわけでもないのに、パリンと割れてしまう。6回ウラ、左打者が続くところを選んで、壊さないようにそっとマウンドに乗せたはずだったのになぁ。本当にちょっとしたこと。先頭打者本多を2ナッシングと追い込んで、まんまと振らせたと思ったがファウルチップで、浅井のミットからこぼれる。もうこれは浅井のせいとかじゃなくて、しかたのないことなんだが、これがもしミットに収まっていれば、きっと吉野は左3人をあっさり片付けていたんじゃないだろうか。
オープン戦初めてチャンスをもらった金澤も上手くいかなかった。途中、同時に代わった清水とサインが合わない。打者がシビレを切らして、仕切直し。それでも合わずに審判から注意される。ようやく頷いて投げたスローカーブが情けないワンバウンドになって、バッテリーの集中が切れて、金澤は一人でイライラしているように感じた。投手有利の追い込んだカウントだったので、もし欲しいサインがスローカーブだったのなら、そりゃ球種豊富な金澤で新人捕手が選ぶ球じゃない。一緒に出ていったんだから、打ち合わせが必要だったと思う。
赤松の守備ペケ。吉野一人目のセンター前ポテン、十分追いつける時間があったように思う。悪いが、赤星は決してあの打球の判断を間違えたりしない。バックホームのチャンスでは、チャージから気負いすぎてボールを捕り損ねる。ココイチに弱いのう…。まあ勉強だ。
良かったのは相木。スライダーも低めに決まり、左右の揺さぶりも使えていた。またもプラス評価。
0−6となった直後、代打林がライトスタンドへパッチーンと。いつもの気持ち良いHRだった。
前の日の藤原の顔に負けず、葛城の顔が良かった。「試合」として見れば、まったくなんの意味もない、最終回7点差を5点差にする2ランHRを打ってベンチに戻った葛城の顔。カンペキなスイング、完璧なミートだったにもかかわらず、その顔は、「まだ足りない、まだ全然足りない」と語っている。リードされたサッカーの試合で、ゴールした選手がすぐにボールを拾って必死な顔で戻って来るでしょ、あんな顔だった。
左利きの外野手。他に守れる可能性があるのは一塁しかない。7回裏、マウンド上でイライラする金澤、二死二塁のピンチでボテボテ二遊間、藤本得意のジャンピングスロー、しかし送球に力がなく一塁は微妙なタイミング。代打で出てこの回から一塁に入った葛城が股関節をタテに割って、腕をいっぱいに伸ばしてこのショートバウンドをすくい上げた。わずかにセーフ。三塁走者の動きを確認して、判定を残念がる葛城。こういう守備ができるようになるまで、いったいどれくらいの練習が必要なんだろう。HR以上に葛城の努力がよくわかるプレーだった。
能見と杉内の投げ合いは見ごたえがあった。飛車角、金銀まで落としたタイガース打線が5回を鳥谷の1安打に抑え込まれるのは想定の内。というよりフルメンバーでも変わらないかも(笑)。
一方タイガース先発能見も素晴らしい投球。去年までは「かわす系」スライダーと、「ギリギリ系」直球のどちらかを「えいやあ」と投げるしかなかった。打者にしてみれば足の踏み込み場所は同じで良いし、タイミングも微かにタメを作るだけで合わせやすかった。またホームベースの半分でしか勝負してこないから見極めやすかった。
それがシュート方向に逃げながら落ちていくチェンジアップをものにして、能見はすっかり変わった。能見が変わったもんだから、相手打者の待ち方も変わった。左打者は決め打ちの踏み込みができなくなった。もしチェンジアップが来たら、どんなに遅い球でもまったく対応できないからだ。右打者はど真ん中に来るように見えて、どんどん逃げていく緩い球に軸を前に倒される。前後左右への揺さぶりを手に入れたことは本当に大きいね。「あと一人」で多村に予定外の一発を食らってしまったのは残念だったが、私個人的には、他の投手にさきがけて「ローテ入り当確マーク」を差し上げたい。
対照的だったのは5失点した吉野。別に何が変わったわけでもないのに、パリンと割れてしまう。6回ウラ、左打者が続くところを選んで、壊さないようにそっとマウンドに乗せたはずだったのになぁ。本当にちょっとしたこと。先頭打者本多を2ナッシングと追い込んで、まんまと振らせたと思ったがファウルチップで、浅井のミットからこぼれる。もうこれは浅井のせいとかじゃなくて、しかたのないことなんだが、これがもしミットに収まっていれば、きっと吉野は左3人をあっさり片付けていたんじゃないだろうか。
オープン戦初めてチャンスをもらった金澤も上手くいかなかった。途中、同時に代わった清水とサインが合わない。打者がシビレを切らして、仕切直し。それでも合わずに審判から注意される。ようやく頷いて投げたスローカーブが情けないワンバウンドになって、バッテリーの集中が切れて、金澤は一人でイライラしているように感じた。投手有利の追い込んだカウントだったので、もし欲しいサインがスローカーブだったのなら、そりゃ球種豊富な金澤で新人捕手が選ぶ球じゃない。一緒に出ていったんだから、打ち合わせが必要だったと思う。
赤松の守備ペケ。吉野一人目のセンター前ポテン、十分追いつける時間があったように思う。悪いが、赤星は決してあの打球の判断を間違えたりしない。バックホームのチャンスでは、チャージから気負いすぎてボールを捕り損ねる。ココイチに弱いのう…。まあ勉強だ。
良かったのは相木。スライダーも低めに決まり、左右の揺さぶりも使えていた。またもプラス評価。
0−6となった直後、代打林がライトスタンドへパッチーンと。いつもの気持ち良いHRだった。
前の日の藤原の顔に負けず、葛城の顔が良かった。「試合」として見れば、まったくなんの意味もない、最終回7点差を5点差にする2ランHRを打ってベンチに戻った葛城の顔。カンペキなスイング、完璧なミートだったにもかかわらず、その顔は、「まだ足りない、まだ全然足りない」と語っている。リードされたサッカーの試合で、ゴールした選手がすぐにボールを拾って必死な顔で戻って来るでしょ、あんな顔だった。
左利きの外野手。他に守れる可能性があるのは一塁しかない。7回裏、マウンド上でイライラする金澤、二死二塁のピンチでボテボテ二遊間、藤本得意のジャンピングスロー、しかし送球に力がなく一塁は微妙なタイミング。代打で出てこの回から一塁に入った葛城が股関節をタテに割って、腕をいっぱいに伸ばしてこのショートバウンドをすくい上げた。わずかにセーフ。三塁走者の動きを確認して、判定を残念がる葛城。こういう守備ができるようになるまで、いったいどれくらいの練習が必要なんだろう。HR以上に葛城の努力がよくわかるプレーだった。