2007.10.21 Sunday
あと残すは日本シリーズだけとなったが、ちょっと軽く思っていることを走り書き。
「これは本当に良い感じだと思う」
ジャイアンツが負けたことの意味を、今の私は、ちょっと前までの私とは全然違うこととしてとらえている。
ちょっと前→「Gが負けた」→「やーいザマミロへっへっへ〜」
今→「Gが負けた」→「これでまたプロ野球に激変の波が来る」→「いばらの道でも先延ばしよりマシ」
例えば、久々のGが出場する日本シリーズが実現したとする。そのこと自体はまったく問題ない。このクラシリ、Gが勝ち上がる可能性は多分にあったと思うしね。ただそうなったら、読売グループ始め、マスコミの一部勢力がまた「亀田的騒動」を作り始めただろう。それは「ボクシング業界」の窮余の一策であったのと同様、「野球業界」の断末魔の叫びになる可能性があった。
今、野球界の現場は大きく変わって来た。広いグラウンドが増えたことで守備と走塁が重視されていること。アメリカ人監督たちがちょっと違った戦略と戦術を持ち込んできていること。FAやポスティングなどで投打の主軸が抜けることを意識したチーム作りをしなければいけないこと。諸々の理由により親会社の支援が減少傾向でコスト感覚の優れた編成力が必要とされること…。全体としてホンモノとニセモノがわかりやすくなってきたと言える。
「人気(=メディア露出)優先」「勝つだけではダメ」と言われた時代から、「試合内容(=勝利)優先」「勝てば客が入る」へと、価値観が大きく変わりつつある。それを改めて意識させるペナントレース、ポストシーズンになっていると思う。
人気というものの意味が変わっている。メディア、広告の種類も意味も変わっている。スポーツと人々の繋がりも変わっている。地方経済、地方行政のあり方も変わっている…。
ビジネスとしての日本プロ野球が進むべき道は、減っていく顧客と利益を死守することではない。新しい価値を拡大し、その価値を知らしめるための新しい手法を導入し、新しい顧客を地道に開拓することだ。
おそらく読売グループ内で、今年の検証と総括が終われば、「東京のローカル球団ジャイアンツ(ただしまだ全国にもたくさんのファンがいる)」が、その覚悟を決めて歩み出すことになるだろう。遅すぎたかも知れないが、逆に向かい続けるよりははるかに良いと思う。
落合監督は名監督である。就任以来レギュラーシーズンで優勝、2位、優勝、2位、さらに初のクラシリ優勝なのだから、実績面だけで十分「名監督」と呼ぶに値する。
立ち居振る舞いについても、ちょっとニヤニヤなところはあるが、でんと腰の据わった形は現役時代のまま。選手を鍛える、リラックスさせる、切り替えさせる。それぞれに心理を操るテクニックを存分に使う。奥の手「坊主頭」も使う(笑)。
大差で勝っている試合で、最後に若手投手の一人一殺をやられると、負けている相手チームファンにしてみれば激しくウンザリで、さすがに「クソ監督!」と罵りたくなるが(笑)、それとてその投手にしてみれば必死の場面、しっかりと成長することができる。要は何を言われようと、決めごとの枠を常に目一杯活用するということ。これも、狭くて高いネットの川崎球場でHR量産技術を極めた現役時代から変わらない。
与えられた条件をしっかり分析できる。その分析を生かすアイディアを出せる。リスクバランスを考慮しながら、しかるべき時にそのアイディアを実効する勇気がある。
ただ私がもっとも落合監督を「良い監督だな」と思うのは、戦いが終わってから初めて発する、ライバルへの尊敬の言葉を聞く時だ。昨年はタイガースの驚異的な追い上げを素直な言葉で讃え、今年は「苦しい試合でした」「あくまでセのチャンピオンは、ジャイアンツ。切符をもらったということ。セの代表としてファイターズと戦ってきます」と心情を吐露し、相手を気遣う。
しかし言葉はそれが初めてでも、戦いぶりの中にそれはいつでも溢れているのだ。いつでも相手が嫌がるメンバーを組んで、作戦を仕掛けてくる。慢心せずに、力一杯叩きに来る。憎らしく感じることもあるが、それは、それだけ落合監督が相手チームを恐れ、敬っているということ。
今現在、セ・リーグを代表するチームとして文句なし。中日ドラゴンズよ、セントラルのプライドを取り戻すために、日本シリーズ勝って来い!まかせた!
(いやそんな偉そうに言える立場じゃないんだけどw)。
「これは本当に良い感じだと思う」
ジャイアンツが負けたことの意味を、今の私は、ちょっと前までの私とは全然違うこととしてとらえている。
ちょっと前→「Gが負けた」→「やーいザマミロへっへっへ〜」
今→「Gが負けた」→「これでまたプロ野球に激変の波が来る」→「いばらの道でも先延ばしよりマシ」
例えば、久々のGが出場する日本シリーズが実現したとする。そのこと自体はまったく問題ない。このクラシリ、Gが勝ち上がる可能性は多分にあったと思うしね。ただそうなったら、読売グループ始め、マスコミの一部勢力がまた「亀田的騒動」を作り始めただろう。それは「ボクシング業界」の窮余の一策であったのと同様、「野球業界」の断末魔の叫びになる可能性があった。
今、野球界の現場は大きく変わって来た。広いグラウンドが増えたことで守備と走塁が重視されていること。アメリカ人監督たちがちょっと違った戦略と戦術を持ち込んできていること。FAやポスティングなどで投打の主軸が抜けることを意識したチーム作りをしなければいけないこと。諸々の理由により親会社の支援が減少傾向でコスト感覚の優れた編成力が必要とされること…。全体としてホンモノとニセモノがわかりやすくなってきたと言える。
「人気(=メディア露出)優先」「勝つだけではダメ」と言われた時代から、「試合内容(=勝利)優先」「勝てば客が入る」へと、価値観が大きく変わりつつある。それを改めて意識させるペナントレース、ポストシーズンになっていると思う。
人気というものの意味が変わっている。メディア、広告の種類も意味も変わっている。スポーツと人々の繋がりも変わっている。地方経済、地方行政のあり方も変わっている…。
ビジネスとしての日本プロ野球が進むべき道は、減っていく顧客と利益を死守することではない。新しい価値を拡大し、その価値を知らしめるための新しい手法を導入し、新しい顧客を地道に開拓することだ。
おそらく読売グループ内で、今年の検証と総括が終われば、「東京のローカル球団ジャイアンツ(ただしまだ全国にもたくさんのファンがいる)」が、その覚悟を決めて歩み出すことになるだろう。遅すぎたかも知れないが、逆に向かい続けるよりははるかに良いと思う。
落合監督は名監督である。就任以来レギュラーシーズンで優勝、2位、優勝、2位、さらに初のクラシリ優勝なのだから、実績面だけで十分「名監督」と呼ぶに値する。
立ち居振る舞いについても、ちょっとニヤニヤなところはあるが、でんと腰の据わった形は現役時代のまま。選手を鍛える、リラックスさせる、切り替えさせる。それぞれに心理を操るテクニックを存分に使う。奥の手「坊主頭」も使う(笑)。
大差で勝っている試合で、最後に若手投手の一人一殺をやられると、負けている相手チームファンにしてみれば激しくウンザリで、さすがに「クソ監督!」と罵りたくなるが(笑)、それとてその投手にしてみれば必死の場面、しっかりと成長することができる。要は何を言われようと、決めごとの枠を常に目一杯活用するということ。これも、狭くて高いネットの川崎球場でHR量産技術を極めた現役時代から変わらない。
与えられた条件をしっかり分析できる。その分析を生かすアイディアを出せる。リスクバランスを考慮しながら、しかるべき時にそのアイディアを実効する勇気がある。
ただ私がもっとも落合監督を「良い監督だな」と思うのは、戦いが終わってから初めて発する、ライバルへの尊敬の言葉を聞く時だ。昨年はタイガースの驚異的な追い上げを素直な言葉で讃え、今年は「苦しい試合でした」「あくまでセのチャンピオンは、ジャイアンツ。切符をもらったということ。セの代表としてファイターズと戦ってきます」と心情を吐露し、相手を気遣う。
しかし言葉はそれが初めてでも、戦いぶりの中にそれはいつでも溢れているのだ。いつでも相手が嫌がるメンバーを組んで、作戦を仕掛けてくる。慢心せずに、力一杯叩きに来る。憎らしく感じることもあるが、それは、それだけ落合監督が相手チームを恐れ、敬っているということ。
今現在、セ・リーグを代表するチームとして文句なし。中日ドラゴンズよ、セントラルのプライドを取り戻すために、日本シリーズ勝って来い!まかせた!
(いやそんな偉そうに言える立場じゃないんだけどw)。