2007.10.23 Tuesday
すなわち、球界&野球ファンからのブーイングだ。もちろんMLBのように、チャンピオン同士の勝ち抜き戦なら誰も文句を言わないだろうが、チャンピオン以外が勝ち上がることへの疑問が方々で上がる。曰く「長いペナントレースを勝ち抜いたリーグ優勝が何の意味もない」。
「長いペナントレース」に最高の価値を置きたいのなら、1リーグ制にして真の「長距離チャンピオン」を決めたら良い。でもおそらくそれには多くの人が反対なのだろう。だから「長いペナントレース」の価値が重要なのではないのだ。そうではなくて「真の頂点」たる日本シリーズの価値に傷を付けたくないということなのだろう。
わたしだって野球マニアのはしくれなのだから、もちろんその気持ちは良くわかる。しかし現状ではもうそれは「マニアの夢」でしかあり得ないと思う。
「バレーボールけっこう好きだよ」「ラグビーよく見るよ」「Jリーグもチェックしてるよ」そういうスポーツ好きだって、もっとも試合数の多いリーグ戦をすべて追いかけている人はまずいない。それはほんの一部のマニアだけだ。ごく普通のスポーツ好きは、重要な試合、大きな大会だけ熱心に見て、あとは結果だけをチェックしたり、ポイントだけ情報を集めたりして状況を把握しておくということになるだろう。タイガースマニアの私は、タイガースの試合はほとんどすべて見るが、特にパ・リーグの方はふだんの試合はまず見ない。でも当然情報はチェックしている。あまり書かないけど、他のスポーツもいろいろチェックしてるしね。
えーと何が言いたいかというと、野球は、過去国民的人気を誇ったが、これからは他のスポーツに近い存在になっていかざるを得ない、つまり「マニア向け政策」だけを押しつけていると、一般のスポーツ好きからもそっぽを向かれ、ただただマニアの減少に歯止めがかからなくなるということだ。マニアだけが満足できればOKというのじゃダメ。特に地元で広く多くの人に応援してもらいたいというのなら、マニア路線だけではなく、一般路線も充実させていかないといけない。
クライマックシリーズというのは、まさに一般路線なのだ。パ2の最終決戦とセ2の初戦がダブった10/18、関東のTV視聴率は、
13.8% 19:00-21:54 NTV プロ野球セ・リーグ・クライマックスシリーズ
*8.3% 19:04-21:54 EX* プロ野球パ・リーグ・クライマックスシリーズ
であった(「プロ野球の視聴率を語るblog」より拝借)。
これをもって、「やっぱりジャイアンツだ」という感想を声高に叫ぶGファンもいるようだが、まあそりゃあれだけ露出しているんだからジャイアンツが多少なり特別でなきゃおかしいわな。ただ、実際パの試合は21:09には終了していて、その後は「優勝後のまったり」を流していただけなので、熱戦続くセに流れるのは当然。で、ちょっと計算してみた。この約3時間、関東の22%以上(少数とはいえBSやCSもあるからね)の家庭でいずれかの野球を見ていた。パの試合終了後、3%を残してセに切り替えたとする(その間セの視聴率は19%ということになる)。そうするとパの試合中の視聴率はだいたい10%近くはあった勘定になる(その間セは12%)。パの試合展開がワンサイドになったこともある。だからこの数字の要点は「やっぱり巨人」ではなく、クライマックスシリーズの話題性(成ビッシュ含めてね)で、野球人気がもっとも危ない関東において、少なくとも22%の視聴率を稼げるということが重要なのだ。
ふだんの関東G戦の視聴率は10%に満たないのだから、それに加えて12%以上の人が野球をじっくりと見たということ。中には普段はCSなどの有料放送で自分のひいき球団の試合を見ているマニアもいるだろう。中には普段はまったく野球を見ない人もあるだろう。大きな試合だからという動機かもしれないし、ダルビッシュが見たいだけかもしれない。中には子どもを含む若い層や女性も含まれるだろう。こういうマニアだけで閉じない試合は重要だと思うのだ。
もちろんクライマックスシリーズに付帯して、消化試合の集客を向上させる効果もある。特に両リーグ三つ巴になった今季は、それが顕著だった。
問題はペナントレースの価値。それを知っているのは他ならぬマニアではないか。それで良いではないか。
散漫になってしまったが、まとめると「そら私だってマニアとして不満はある。だけど現状では、こういうのも絶対必要だ」ということ。理想を言えば、1リーグ15チーム3地区制や、2リーグ16チーム制で、チャンピオン(&ワイルドカード)の勝ち抜き戦にするのが一番だけどね。
さて、G戦視聴率は、優勝した今季も歯止めが効かない。G戦の全国中継はもっと減っていく。サンテレビなど独立U局のある地域のチームは良いが、そうでない地域(G戦の差し替えで地元チームが中継される地域)では、たとえ地元視聴率が良かったとしても中継が減らされることになる。マニアは有料放送に移行していくのだろうが、一般の注目は薄くなっていく。クラシリ以外にも一般向けの施策が必要だ。
アメリカプロフットボール(NFL)ではマンデーナイトフットボールという全国中継がある。ふだんはほとんどの試合が日中同時に行われ、各地域でローカル中継されるのだが、毎週月曜に1試合だけ(最近は日曜夜にも1試合だけ)、夜のゴールデンタイムに全米中継される。試合は、各チームがもちまわりで登場するように、と言いながら、なんとなく一般の関心が高そうなゲームをピックアップする。フットボールファンはもちろん、ふだんはNFLを見ない人でもマンデーナイトだけは見ると言う人も多い。
クラシリと同じように、例えば月曜夜は、1試合だけプロ野球が全国中継される(他球団は日程なし)、作り方もちょっと凝ってみる。頼みは、全球団の野球ファンが見て、盛り上げていくという姿勢。初めは辛くとも、そんなことを続けていくのはどうかな。
タイガースのコーチ陣やイベントの発表があったね。そんなこんなはまたおいおい。
「長いペナントレース」に最高の価値を置きたいのなら、1リーグ制にして真の「長距離チャンピオン」を決めたら良い。でもおそらくそれには多くの人が反対なのだろう。だから「長いペナントレース」の価値が重要なのではないのだ。そうではなくて「真の頂点」たる日本シリーズの価値に傷を付けたくないということなのだろう。
わたしだって野球マニアのはしくれなのだから、もちろんその気持ちは良くわかる。しかし現状ではもうそれは「マニアの夢」でしかあり得ないと思う。
「バレーボールけっこう好きだよ」「ラグビーよく見るよ」「Jリーグもチェックしてるよ」そういうスポーツ好きだって、もっとも試合数の多いリーグ戦をすべて追いかけている人はまずいない。それはほんの一部のマニアだけだ。ごく普通のスポーツ好きは、重要な試合、大きな大会だけ熱心に見て、あとは結果だけをチェックしたり、ポイントだけ情報を集めたりして状況を把握しておくということになるだろう。タイガースマニアの私は、タイガースの試合はほとんどすべて見るが、特にパ・リーグの方はふだんの試合はまず見ない。でも当然情報はチェックしている。あまり書かないけど、他のスポーツもいろいろチェックしてるしね。
えーと何が言いたいかというと、野球は、過去国民的人気を誇ったが、これからは他のスポーツに近い存在になっていかざるを得ない、つまり「マニア向け政策」だけを押しつけていると、一般のスポーツ好きからもそっぽを向かれ、ただただマニアの減少に歯止めがかからなくなるということだ。マニアだけが満足できればOKというのじゃダメ。特に地元で広く多くの人に応援してもらいたいというのなら、マニア路線だけではなく、一般路線も充実させていかないといけない。
クライマックシリーズというのは、まさに一般路線なのだ。パ2の最終決戦とセ2の初戦がダブった10/18、関東のTV視聴率は、
13.8% 19:00-21:54 NTV プロ野球セ・リーグ・クライマックスシリーズ
*8.3% 19:04-21:54 EX* プロ野球パ・リーグ・クライマックスシリーズ
であった(「プロ野球の視聴率を語るblog」より拝借)。
これをもって、「やっぱりジャイアンツだ」という感想を声高に叫ぶGファンもいるようだが、まあそりゃあれだけ露出しているんだからジャイアンツが多少なり特別でなきゃおかしいわな。ただ、実際パの試合は21:09には終了していて、その後は「優勝後のまったり」を流していただけなので、熱戦続くセに流れるのは当然。で、ちょっと計算してみた。この約3時間、関東の22%以上(少数とはいえBSやCSもあるからね)の家庭でいずれかの野球を見ていた。パの試合終了後、3%を残してセに切り替えたとする(その間セの視聴率は19%ということになる)。そうするとパの試合中の視聴率はだいたい10%近くはあった勘定になる(その間セは12%)。パの試合展開がワンサイドになったこともある。だからこの数字の要点は「やっぱり巨人」ではなく、クライマックスシリーズの話題性(成ビッシュ含めてね)で、野球人気がもっとも危ない関東において、少なくとも22%の視聴率を稼げるということが重要なのだ。
ふだんの関東G戦の視聴率は10%に満たないのだから、それに加えて12%以上の人が野球をじっくりと見たということ。中には普段はCSなどの有料放送で自分のひいき球団の試合を見ているマニアもいるだろう。中には普段はまったく野球を見ない人もあるだろう。大きな試合だからという動機かもしれないし、ダルビッシュが見たいだけかもしれない。中には子どもを含む若い層や女性も含まれるだろう。こういうマニアだけで閉じない試合は重要だと思うのだ。
もちろんクライマックスシリーズに付帯して、消化試合の集客を向上させる効果もある。特に両リーグ三つ巴になった今季は、それが顕著だった。
問題はペナントレースの価値。それを知っているのは他ならぬマニアではないか。それで良いではないか。
散漫になってしまったが、まとめると「そら私だってマニアとして不満はある。だけど現状では、こういうのも絶対必要だ」ということ。理想を言えば、1リーグ15チーム3地区制や、2リーグ16チーム制で、チャンピオン(&ワイルドカード)の勝ち抜き戦にするのが一番だけどね。
さて、G戦視聴率は、優勝した今季も歯止めが効かない。G戦の全国中継はもっと減っていく。サンテレビなど独立U局のある地域のチームは良いが、そうでない地域(G戦の差し替えで地元チームが中継される地域)では、たとえ地元視聴率が良かったとしても中継が減らされることになる。マニアは有料放送に移行していくのだろうが、一般の注目は薄くなっていく。クラシリ以外にも一般向けの施策が必要だ。
アメリカプロフットボール(NFL)ではマンデーナイトフットボールという全国中継がある。ふだんはほとんどの試合が日中同時に行われ、各地域でローカル中継されるのだが、毎週月曜に1試合だけ(最近は日曜夜にも1試合だけ)、夜のゴールデンタイムに全米中継される。試合は、各チームがもちまわりで登場するように、と言いながら、なんとなく一般の関心が高そうなゲームをピックアップする。フットボールファンはもちろん、ふだんはNFLを見ない人でもマンデーナイトだけは見ると言う人も多い。
クラシリと同じように、例えば月曜夜は、1試合だけプロ野球が全国中継される(他球団は日程なし)、作り方もちょっと凝ってみる。頼みは、全球団の野球ファンが見て、盛り上げていくという姿勢。初めは辛くとも、そんなことを続けていくのはどうかな。
タイガースのコーチ陣やイベントの発表があったね。そんなこんなはまたおいおい。