自称阪神タイガース評論家（跡地）

若き４番、濱中との惜別は、予め自分が思っていたより、ジワジワと寂しさが涌いてくる。

０１年、シーズン途中から急成長。噂の長打力を見せつけ、一気に３番に座るまでになる。
０２年、田淵コーチに「将来の４番」と見込まれて、責任のある打席を重ねる。８月にダイビングキャッチで指を骨折、規定打席越えを逃すが、打率.301、ＨＲ１８本を記録。
０３年、優勝への足掛かりは濱中の存在。開幕から４番に入る。

１　２Ｂ　今岡
２　ＣＦ　赤星
３　ＬＦ　金本
４　ＲＦ　濱中
５　１Ｂ　桧山
６　３Ｂ　アリアス
７　 Ｃ 　矢野
８　ＳＳ　藤本
９　 Ｐ 　井川

懐かしいねえ。繋ぎの３番に徹していた金本。「ハマちゃんに打点王をとらせる」「４番濱中を育てる」を合言葉に、１番から３番までが出塁、進塁に集中した。その集中がさらに濱中を集中させ、５月の途中までで４０打点くらい稼いだんじゃなかったっけ。
そして5/20、牽制死で右肩を痛める。はじめはアウトになったのが恥ずかしくて立てなかったんだと思った。とっさの動きで腕を巻き込むように帰塁してしまった。離脱。絶好調のポイントゲッターを失った動揺が、チームに焦りの空気を作る。もう大丈夫と復帰するも、6/13右翼線の打球を処理し急いで送球した時に脱臼。以後、濱中といえば「右肩に故障がある」という前提が外せなくなってしまった。
ればもたらもない、それは、わかっている。でも何度も何度も思い返す。あのケガがなければ、せめてあそこで復帰を急がなければ。しかし、きつい言い方になるが、それが濱中という男なのだと思う。愛されて、期待されて、それに応えたくて、頑張って、でも一瞬の危険を回避できない甘さがあって、傷ついて、そして愛される。

自分で書いた「濱中」カテゴリーを読み返す。どんな気持ちで濱中を見ていたのかを思い出す。０５年、交流戦元年の札幌ドームＦ戦。失われた時を思い出すようだった１日。試合を決めたタイムリー二塁打。どんなに嬉しかったか。
去年、春先のＨＲラッシュに濱中完全復活を夢見たが、現実はそう甘くなかった。
今年、9/15のＤ戦、安藤の好投とハマちゃんの一発で勝った試合、気持ちよかった！
戦力分布から濱中がトレード要員になるという事情はわかる。だけど本当にいなくなるとなると、寂しいよ。


ＨＰのメッセージでも、元気そうにしているけれど、どれだけ悔しい気持ちでいることか。不運の影とはスッパリ縁を切って、新しいハマちゃんになる好機だ。タイガースを見返してやれ。自分を放出したことを悔やませてやれ。ハマちゃん、しっかりな！