2008.04.21 Monday
この勢いのドサクサでナゴドでもサラッと勝っちゃって欲しいものだと切に願う。でもよく見たら2.5ゲーム差の2位で追っているドラゴンズも、甲子園タイガース戦の2戦2敗以外は6カードで勝ち越し。なんのことはない直接対決が1勝1敗だったならゲーム差は0.5しかなかったということ。このナゴドで立場逆転されちゃうのか、引き続き優位を保てるのか。序盤の主役を争う戦いになる。
初回金本の2ランHRで先制。先頭赤星の二塁打で先取点濃厚という出だしも、平野新井でランナー釘付け、ここで無得点なら逆にイヤな流れで先発杉山の立ち上がりを迎えなきゃいけないという場面。S先発増渕の初球のストレートをいきなり叩いた。勢い良く飛んでくる外高めのボール気味のサービスを、体全体で面を作って、強靱なパワーで逆クロスに弾き返したリターンエース。正面衝突させているから打球がまったく切れていかなかった。2点先制。
しかし好調スワローズもそのウラすぐに反撃。立ち上がりの杉山は決して悪いと思わなかったが、2番田中が苦もなく低めの直球を三遊間真っ二つ。続く青木も難しいインロースライダーをライト越え二塁打。あっという間に一死二三塁。いずれの球も悪くない。青木の打球、葛城の1歩目が正しければ捕れたような気もする。
続くガイエルへも狙い通り高めのスライダーで浅めのライトファールフライを上げさせたが、本塁送球がそれてセーフ。そう見えないけれど一歩目が早くて正確、さらに送球も強くて正確なフォードに見劣りを感じさせる葛城1回の守備だった。
杉山は初回から23球を投げさせられたが、1失点で切り抜けたのは上出来。
その後両チームとも、危なっかしい両先発を攻略しきれず回は進む。5回を終了した頃には、増渕、杉山ともに非常に良い状態になっていた。
杉山は本当に良かった。右打者の外角低めへのストレートは指がよくかかって惚れ惚れするような球が行っていた。その球さえあれば、どうにでもなるのが杉山なのだ。
だが岡田監督はここまで77球の杉山を5回まででスパッと代えた。1勝目が欲しくて飛ばしていたということ、雨雨で登板間隔が空いて不安要素が多々あること、そしてリリーフ陣、打撃陣の「杉山に1勝をつけてやろう」という気持ちを活用することに賭けたのだろうと思った。
得点力ではリーグトップレベルのスワローズ打線を抑えていくのはなかなか骨の折れる仕事だが、江草、渡辺で6回をなんとか凌ぐ。二人とも走者を出しても落ち着いていたし、打ち取る方法がある打者を選んで、確実にアウトにしていた。
7回表、続投中の増渕に二死走者なしとされる。打順が赤星に戻ったところで、スワローズは111球2失点の増渕から、投げるサンボマスター左のスペシャリスト佐藤にスイッチ。赤星はカウント2−1と追い込まれてからファール、ボールと粘りまくり、ついに9球目で四球をゲット。さらに平野の打席では、一塁上で走るぞオーラを出しまくり、牽制を投げさせ、打席に集中させない。あれよあれよとカウント0−3、平野も次は走るかというボールでじっくり待って、見事連続四球をゲット。スペシャリストに仕事をさせないスペシャリスト二人の意地。
こうなれば前日やられっぱなしだった「打点ブラザーズのキモいほう」新井も黙ってない。代わった花田を飲み込むように内角高めをレフト前へ。詰まろうがなんだろうが、力で打球速度を出す得意技が炸裂した。赤星楽々生還3−1、待望の追加点。なお二死一二塁。
さらに「打点ブラザーズの怖いほう」金本も打てるコースのフォークに対応、速い打球ちうんはこういうのを言うんじゃという声が聞こえてきそうなライト前ヒット、平野還って4−1。これで一安心。代打桧山は凡退したけど、二死走者なしからの2得点は凄かったね。
7回から久保田。7,8と2回投げなければいけない、ぼんやりとした前倒しの不安がそうさせたのか、代わった初球を代打福地にライトオーバーHRされる。ほっとした感じがあると、どうしてもストーリーへの入り込み方が足りなくなって、余計なことを考えてしまうものだ。この時久保田も、ああ腹減ったなあ、終わったら何食おうかななどと考えていたに違いない。続く代打畠山にはストライクが入らない。はっきりわかるボールが続き、カウント0−3、一つストライク取るも、次もはっきりわかるボールで四球、4−2、無死一塁で打順は上位に戻る。平静を保とうとする岡田監督、久保コーチ。
さらに次打者飯原への初球、2球目が、明らかに抑えを失った高めへのボール、動揺は隠せない。ここで起きた出来事がとても美しかったのだ。フジテレビ739のスイッチングが悪かったのでひょっとしたら正確ではないかもしれないが、恐らく時間経過から類推して、こんなことがあったのだと思う。
カウント0−2になって、矢野が主審にタイムを要求、久保田に駆け寄る。と同時に足を揃えるように新井、平野、関本、鳥谷も久保田に駆け寄る。矢野が久保田にかけた言葉はほんの一言、ほんの一瞬の集合の後、まるで花火が開くように久保田を中心に集まった内野陣が守備位置に散った。そのキビキビした素早さが素敵だったのだ。一糸乱れぬ統一された意思。オレたちが守っているから思い切り投げたら大丈夫だ。言葉はなくとも、その美しい集合体の動きで久保田は完全に我に帰った。以後の久保田は何も恐れずに強い球を投げ続け、見事7,8回の持ち場を完遂させた。
スワローズは8,9回を若い松岡に任せる。素晴らしい内容で流れを変えに来るが、こっちのKFは強い。
最終回藤川、低めのゾーンに直球伸び残る軌道。同じ場所から消えるフォーク。どうやっても当たるはずのない高め直球。藤川は、杉山に1勝をというミッションを、三者三振のパンチアウトで完成させた。
初回金本の2ランHRで先制。先頭赤星の二塁打で先取点濃厚という出だしも、平野新井でランナー釘付け、ここで無得点なら逆にイヤな流れで先発杉山の立ち上がりを迎えなきゃいけないという場面。S先発増渕の初球のストレートをいきなり叩いた。勢い良く飛んでくる外高めのボール気味のサービスを、体全体で面を作って、強靱なパワーで逆クロスに弾き返したリターンエース。正面衝突させているから打球がまったく切れていかなかった。2点先制。
しかし好調スワローズもそのウラすぐに反撃。立ち上がりの杉山は決して悪いと思わなかったが、2番田中が苦もなく低めの直球を三遊間真っ二つ。続く青木も難しいインロースライダーをライト越え二塁打。あっという間に一死二三塁。いずれの球も悪くない。青木の打球、葛城の1歩目が正しければ捕れたような気もする。
続くガイエルへも狙い通り高めのスライダーで浅めのライトファールフライを上げさせたが、本塁送球がそれてセーフ。そう見えないけれど一歩目が早くて正確、さらに送球も強くて正確なフォードに見劣りを感じさせる葛城1回の守備だった。
杉山は初回から23球を投げさせられたが、1失点で切り抜けたのは上出来。
その後両チームとも、危なっかしい両先発を攻略しきれず回は進む。5回を終了した頃には、増渕、杉山ともに非常に良い状態になっていた。
杉山は本当に良かった。右打者の外角低めへのストレートは指がよくかかって惚れ惚れするような球が行っていた。その球さえあれば、どうにでもなるのが杉山なのだ。
だが岡田監督はここまで77球の杉山を5回まででスパッと代えた。1勝目が欲しくて飛ばしていたということ、雨雨で登板間隔が空いて不安要素が多々あること、そしてリリーフ陣、打撃陣の「杉山に1勝をつけてやろう」という気持ちを活用することに賭けたのだろうと思った。
得点力ではリーグトップレベルのスワローズ打線を抑えていくのはなかなか骨の折れる仕事だが、江草、渡辺で6回をなんとか凌ぐ。二人とも走者を出しても落ち着いていたし、打ち取る方法がある打者を選んで、確実にアウトにしていた。
7回表、続投中の増渕に二死走者なしとされる。打順が赤星に戻ったところで、スワローズは111球2失点の増渕から、投げるサンボマスター左のスペシャリスト佐藤にスイッチ。赤星はカウント2−1と追い込まれてからファール、ボールと粘りまくり、ついに9球目で四球をゲット。さらに平野の打席では、一塁上で走るぞオーラを出しまくり、牽制を投げさせ、打席に集中させない。あれよあれよとカウント0−3、平野も次は走るかというボールでじっくり待って、見事連続四球をゲット。スペシャリストに仕事をさせないスペシャリスト二人の意地。
こうなれば前日やられっぱなしだった「打点ブラザーズのキモいほう」新井も黙ってない。代わった花田を飲み込むように内角高めをレフト前へ。詰まろうがなんだろうが、力で打球速度を出す得意技が炸裂した。赤星楽々生還3−1、待望の追加点。なお二死一二塁。
さらに「打点ブラザーズの怖いほう」金本も打てるコースのフォークに対応、速い打球ちうんはこういうのを言うんじゃという声が聞こえてきそうなライト前ヒット、平野還って4−1。これで一安心。代打桧山は凡退したけど、二死走者なしからの2得点は凄かったね。
7回から久保田。7,8と2回投げなければいけない、ぼんやりとした前倒しの不安がそうさせたのか、代わった初球を代打福地にライトオーバーHRされる。ほっとした感じがあると、どうしてもストーリーへの入り込み方が足りなくなって、余計なことを考えてしまうものだ。この時久保田も、ああ腹減ったなあ、終わったら何食おうかななどと考えていたに違いない。続く代打畠山にはストライクが入らない。はっきりわかるボールが続き、カウント0−3、一つストライク取るも、次もはっきりわかるボールで四球、4−2、無死一塁で打順は上位に戻る。平静を保とうとする岡田監督、久保コーチ。
さらに次打者飯原への初球、2球目が、明らかに抑えを失った高めへのボール、動揺は隠せない。ここで起きた出来事がとても美しかったのだ。フジテレビ739のスイッチングが悪かったのでひょっとしたら正確ではないかもしれないが、恐らく時間経過から類推して、こんなことがあったのだと思う。
カウント0−2になって、矢野が主審にタイムを要求、久保田に駆け寄る。と同時に足を揃えるように新井、平野、関本、鳥谷も久保田に駆け寄る。矢野が久保田にかけた言葉はほんの一言、ほんの一瞬の集合の後、まるで花火が開くように久保田を中心に集まった内野陣が守備位置に散った。そのキビキビした素早さが素敵だったのだ。一糸乱れぬ統一された意思。オレたちが守っているから思い切り投げたら大丈夫だ。言葉はなくとも、その美しい集合体の動きで久保田は完全に我に帰った。以後の久保田は何も恐れずに強い球を投げ続け、見事7,8回の持ち場を完遂させた。
スワローズは8,9回を若い松岡に任せる。素晴らしい内容で流れを変えに来るが、こっちのKFは強い。
最終回藤川、低めのゾーンに直球伸び残る軌道。同じ場所から消えるフォーク。どうやっても当たるはずのない高め直球。藤川は、杉山に1勝をというミッションを、三者三振のパンチアウトで完成させた。