2008.07.12 Saturday
二軍戦では先発中継ぎともに経験しており10試合32.1回を投げて防御率1.95の良績を残している。おや?この「良績(りょうせき)」って言葉、辞書にない言葉なんだねぇ。スポーツ紙や競馬関係では良く使われる言葉なのに。それはともかく、石川にチャンスがめぐって、その活躍がチームを刺激することを願う。
それにしても、今日タイガースが勝てば優勝マジックが点灯するとかなんとか。早いねぇ、早すぎるわ。こないだ開幕して、交流戦やって、まだオールスターのはるか前だってのに。この時期に12ゲーム差で首位だなんて、さすがにこんな絵空事のようなことは想像してなかった。
逆に2位〜5位まではDの失速、カープの頑張りでぎゅっと縮まった。大きく水を開けられて順位争いからは完全脱落のベイスターズだが、来季を睨みながらの戦いで、なんとなく勝つ形ができてきたから、面白い存在になりつつある。
一方パ・リーグは、首位Lが貯金10、最下位Bsが借金6。首位から最下位まで8ゲーム差。優勝争い、クラシリ圏内ともにまだまだ混沌。チーム状態が変化すれば一気にどの順位にもなりそうだ。
延長11回ウラ、関本のサヨナラヒットでタイガース勝利。良い試合だった。「良い試合だった」その功績のほとんどは広島カープに向けられるべき試合だった。先発、高卒2年目の前田健太がまばゆかった。修辞上のことだけでなく、マウンドや打席で甲子園のカクテル光線を浴びた前田健の顔がピカピカに輝いて見えた。勝負を楽しんでいる頼もしい若者。カープは良いヤングエースに恵まれそうだ。
その輝きに目がくらんだわけではあるまいが、タイガース打線はあと一本が出ず6.2回を零封された。特に腕を強く振ってのチェンジアップが見事な一人時間差になっていた。
前日二軍から上がったタイガース先発のボーグルソンも、久々の登板ながら強い直球を武器に押しまくった。変化球については「変化球を投げますよ」とお知らせ機能付きのフォームだが、そこそこの制球のおかげで有効に使えていた。どうしても単調な投球になるので、けっこう派手にボールを散らしてやるのが使い方のコツなのだが、野口が上手く引っ張ったと思う。援護がなかったが、6回1失点は勝利に大きく貢献した見事な投球だった。
7回を渡辺、8回を久保田、9回を藤川、10回をウィリアムス、11回を江草。同点の9回以降はまさに手持ちの良いカードから切っていく後攻の手筋。勝ち味が遅かったのが難点だが、それだけカープの投手も素晴らしかったということ。シュルツ、永川と繋いで岸本で力尽きた形になったが、リードした後の横山を残すのは先攻の手筋、12回まで行けば、タイガースは阿部、どっちに転ぶかわからない良い勝負だったと思う。リリーフ投手のみんな、緊迫の投球お疲れさま。
この日のタイガースを見ていて、「プロだなぁ」「良い仕事だなぁ」と嬉しくなるようなシーンが随所に見られたことが嬉しかった。勝つのも嬉しいし、独走もマジックも嬉しいけど、一人一人の選手が自分の持ち味である1プレーでキラっと光るのを見ることほど嬉しいことはないのだ。
7回表先頭梵が打った「二遊間突破」を、鳥谷がいっぱいいっぱいで追いついて、くるっと回って矢の送球でアウトにしたプレー、格好良かったねぇ。トリは初打席で二塁打の後、3連続四球。ここのところ四球を連発しているのは選球眼ももちろんあるが、打席の構えがビシッと決まっていて、投手を心理的に追い込んでいるから。
同じ回、二死から前田健がプロ初安打をレフト前に打ち、続く東出は渡辺のチェンジアップにチェックスイングで空振り三振。ところがこれが大きくバウンドして野口止められず振り逃げ成立(ちなみに野口から一塁への送球が悪送球になったが、ここは二塁関本がナイスバックアップの好プレー)。実に不気味な流れの二死一二塁。打席には実に不気味な体の動きをする赤松。こういうのドラクエにいなかった?ふしぎなおどりでMPを奪うヤツ(笑)。打ち上げてくれたファールフライ、三塁ベンチ前、バルディリスが素速く追いついたか…手を伸ばして、キャッチ、ああ危ない!新設で深くなったダグアウトに転落、くるんと軽い身のこなしで足から着地する、様子を確認する審判、グラブを高く掲げるバル、アウトー!チェンジ!スーパープレーだよ!
8回ウラ、ついにここまで0−1。どうしてもあと1本が出ない苦しい展開。先頭金本、シュルツの速球に押されまくっていたが、かわすはずのスライダーを捉えてセンターオーバー二塁打。
葛城、初球152km/hの速球に押されて三塁側に力無くファール。これでは進塁打もままならぬとベンチはバントのサインを出すが、2球目148km/h速球をバント失敗、ファールであっさり追い込まれる。3球目は154km/hが外に、葛城なんとかバットを止めてボール。この日ここまで3打席連続で二ゴロ、普通ならもう二ゴロだけは打ちたくないと思うところだ。しかし葛城の野球人生の中で、これほどまでに二ゴロを打ちたいと心から思う打席はなかっただろうね。4球目154km/hの速球、スイングは鈍くとも、タイミングを合わせ、しっかりヘッドの角度を合わせ、ヒザをやわらかく使って、見事に二ゴロを転がした!これは価値ある、スゴイ仕事。安堵の表情でベンチに戻る葛城。大きなプレッシャーの中で良く転がした。
投手永川に代わって鳥谷四球(ここも意表をつくオールフォークの組み立て、本当に良く見ていたよ)で一死一三塁の同点期は、代打高橋光信の犠牲フライに託される。もちろんヒットでも併殺崩れでもボテボテゴロでも三走さえ帰せればなんでも良い。だが光信が狙うべきものはある程度の飛距離があるフライだ。
フォークを2つ振って、空振りと辛うじてのファール、カウントは2−2。まっすぐは150近く、前の打者からフォークを連投している。どっちだどっちだ。5球目は外角低めの直球147km/h、前の大きい特徴的なスイングでボールをきっちり捉える、上がった、どうだ?距離十分!センターへの犠飛で同点!スゴイ仕事!このプレッシャーの中で、この難しい仕事をこともなげにこなすだなんて。
9回ウラ、二死から赤星。2ストライクまではバットを振らない。永川から四球を取ると決めている。ボールを見ているだけ、カウントは1−3から2−3。ここからはストライクをファールにして、ボールを待つ。それが赤星の仕事その1。2つファールのあと8球目で四球。赤星にとって永川は簡単な投手なのかも知れない。
当然盗塁を警戒する永川、その中で関本への初球でスタート、速球、捕手倉無駄なく送球、しかしタッチより赤星の足が早くベースに到達、盗塁成功!赤星の仕事その2。その瞬間、パーンと手を打ち、どうだ!とばかりに赤松の方を見たような気がしたが、気のせいかもしれない。
11回ウラ、一死から矢野が技あり右前ヒットで出塁。平野、初球投前三塁側に絶妙のセーフティバント、投手岸本急いで拾って一塁に投げるが悪送球(残念ながら記録はE)、ちなみに二塁手東出が素晴らしいバックアップをしていた。狙い通りのところへ一発で決めた平野の仕事。
赤星二ゴロ併殺崩れで二死一三塁、2イニング目の岸本はさすがに厳しいところ。あとは関本が決めるだけ。外よりのスライダーにしっかり合わせて、ヘッドを返す。絶対にヒットになる三塁手頭の上のゾーンにきっちりと弾き返した。これも狙い打った仕事だった。
やるべきこと、やった方が良いこと、自分に求められていること、自分にできること、それをやったらチームがどうなるか、それをやったらチームメイトはどう感じるか。
仕事ってのはこんな風にやりたいね。
それにしても、今日タイガースが勝てば優勝マジックが点灯するとかなんとか。早いねぇ、早すぎるわ。こないだ開幕して、交流戦やって、まだオールスターのはるか前だってのに。この時期に12ゲーム差で首位だなんて、さすがにこんな絵空事のようなことは想像してなかった。
逆に2位〜5位まではDの失速、カープの頑張りでぎゅっと縮まった。大きく水を開けられて順位争いからは完全脱落のベイスターズだが、来季を睨みながらの戦いで、なんとなく勝つ形ができてきたから、面白い存在になりつつある。
一方パ・リーグは、首位Lが貯金10、最下位Bsが借金6。首位から最下位まで8ゲーム差。優勝争い、クラシリ圏内ともにまだまだ混沌。チーム状態が変化すれば一気にどの順位にもなりそうだ。
延長11回ウラ、関本のサヨナラヒットでタイガース勝利。良い試合だった。「良い試合だった」その功績のほとんどは広島カープに向けられるべき試合だった。先発、高卒2年目の前田健太がまばゆかった。修辞上のことだけでなく、マウンドや打席で甲子園のカクテル光線を浴びた前田健の顔がピカピカに輝いて見えた。勝負を楽しんでいる頼もしい若者。カープは良いヤングエースに恵まれそうだ。
その輝きに目がくらんだわけではあるまいが、タイガース打線はあと一本が出ず6.2回を零封された。特に腕を強く振ってのチェンジアップが見事な一人時間差になっていた。
前日二軍から上がったタイガース先発のボーグルソンも、久々の登板ながら強い直球を武器に押しまくった。変化球については「変化球を投げますよ」とお知らせ機能付きのフォームだが、そこそこの制球のおかげで有効に使えていた。どうしても単調な投球になるので、けっこう派手にボールを散らしてやるのが使い方のコツなのだが、野口が上手く引っ張ったと思う。援護がなかったが、6回1失点は勝利に大きく貢献した見事な投球だった。
7回を渡辺、8回を久保田、9回を藤川、10回をウィリアムス、11回を江草。同点の9回以降はまさに手持ちの良いカードから切っていく後攻の手筋。勝ち味が遅かったのが難点だが、それだけカープの投手も素晴らしかったということ。シュルツ、永川と繋いで岸本で力尽きた形になったが、リードした後の横山を残すのは先攻の手筋、12回まで行けば、タイガースは阿部、どっちに転ぶかわからない良い勝負だったと思う。リリーフ投手のみんな、緊迫の投球お疲れさま。
この日のタイガースを見ていて、「プロだなぁ」「良い仕事だなぁ」と嬉しくなるようなシーンが随所に見られたことが嬉しかった。勝つのも嬉しいし、独走もマジックも嬉しいけど、一人一人の選手が自分の持ち味である1プレーでキラっと光るのを見ることほど嬉しいことはないのだ。
7回表先頭梵が打った「二遊間突破」を、鳥谷がいっぱいいっぱいで追いついて、くるっと回って矢の送球でアウトにしたプレー、格好良かったねぇ。トリは初打席で二塁打の後、3連続四球。ここのところ四球を連発しているのは選球眼ももちろんあるが、打席の構えがビシッと決まっていて、投手を心理的に追い込んでいるから。
同じ回、二死から前田健がプロ初安打をレフト前に打ち、続く東出は渡辺のチェンジアップにチェックスイングで空振り三振。ところがこれが大きくバウンドして野口止められず振り逃げ成立(ちなみに野口から一塁への送球が悪送球になったが、ここは二塁関本がナイスバックアップの好プレー)。実に不気味な流れの二死一二塁。打席には実に不気味な体の動きをする赤松。こういうのドラクエにいなかった?ふしぎなおどりでMPを奪うヤツ(笑)。打ち上げてくれたファールフライ、三塁ベンチ前、バルディリスが素速く追いついたか…手を伸ばして、キャッチ、ああ危ない!新設で深くなったダグアウトに転落、くるんと軽い身のこなしで足から着地する、様子を確認する審判、グラブを高く掲げるバル、アウトー!チェンジ!スーパープレーだよ!
8回ウラ、ついにここまで0−1。どうしてもあと1本が出ない苦しい展開。先頭金本、シュルツの速球に押されまくっていたが、かわすはずのスライダーを捉えてセンターオーバー二塁打。
葛城、初球152km/hの速球に押されて三塁側に力無くファール。これでは進塁打もままならぬとベンチはバントのサインを出すが、2球目148km/h速球をバント失敗、ファールであっさり追い込まれる。3球目は154km/hが外に、葛城なんとかバットを止めてボール。この日ここまで3打席連続で二ゴロ、普通ならもう二ゴロだけは打ちたくないと思うところだ。しかし葛城の野球人生の中で、これほどまでに二ゴロを打ちたいと心から思う打席はなかっただろうね。4球目154km/hの速球、スイングは鈍くとも、タイミングを合わせ、しっかりヘッドの角度を合わせ、ヒザをやわらかく使って、見事に二ゴロを転がした!これは価値ある、スゴイ仕事。安堵の表情でベンチに戻る葛城。大きなプレッシャーの中で良く転がした。
投手永川に代わって鳥谷四球(ここも意表をつくオールフォークの組み立て、本当に良く見ていたよ)で一死一三塁の同点期は、代打高橋光信の犠牲フライに託される。もちろんヒットでも併殺崩れでもボテボテゴロでも三走さえ帰せればなんでも良い。だが光信が狙うべきものはある程度の飛距離があるフライだ。
フォークを2つ振って、空振りと辛うじてのファール、カウントは2−2。まっすぐは150近く、前の打者からフォークを連投している。どっちだどっちだ。5球目は外角低めの直球147km/h、前の大きい特徴的なスイングでボールをきっちり捉える、上がった、どうだ?距離十分!センターへの犠飛で同点!スゴイ仕事!このプレッシャーの中で、この難しい仕事をこともなげにこなすだなんて。
9回ウラ、二死から赤星。2ストライクまではバットを振らない。永川から四球を取ると決めている。ボールを見ているだけ、カウントは1−3から2−3。ここからはストライクをファールにして、ボールを待つ。それが赤星の仕事その1。2つファールのあと8球目で四球。赤星にとって永川は簡単な投手なのかも知れない。
当然盗塁を警戒する永川、その中で関本への初球でスタート、速球、捕手倉無駄なく送球、しかしタッチより赤星の足が早くベースに到達、盗塁成功!赤星の仕事その2。その瞬間、パーンと手を打ち、どうだ!とばかりに赤松の方を見たような気がしたが、気のせいかもしれない。
11回ウラ、一死から矢野が技あり右前ヒットで出塁。平野、初球投前三塁側に絶妙のセーフティバント、投手岸本急いで拾って一塁に投げるが悪送球(残念ながら記録はE)、ちなみに二塁手東出が素晴らしいバックアップをしていた。狙い通りのところへ一発で決めた平野の仕事。
赤星二ゴロ併殺崩れで二死一三塁、2イニング目の岸本はさすがに厳しいところ。あとは関本が決めるだけ。外よりのスライダーにしっかり合わせて、ヘッドを返す。絶対にヒットになる三塁手頭の上のゾーンにきっちりと弾き返した。これも狙い打った仕事だった。
やるべきこと、やった方が良いこと、自分に求められていること、自分にできること、それをやったらチームがどうなるか、それをやったらチームメイトはどう感じるか。
仕事ってのはこんな風にやりたいね。