自称阪神タイガース評論家(跡地)

かつてブログ「自称阪神タイガース評論家」があった場所。
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井川と若き左腕と呼ばれた男
大勝の後は、接戦で負け。得点はソロHR2本のみって、ウチは巨人か?(苦笑)
そういえばこの正念場を迎えるにあたって、投手コーチが「2勝1敗ペースで行けるローテで望む」と言っていたので、この負けは計算の内?はぁ、イガワ…。

今季3つ目の黒星は、またしても井川の登板日だった。
この日は前回の反省から、投球フォームのバランスを意識して、力まないように投げていた。不思議なもので、軽く投げているようでも、スピードガン表示は好調時とさほど変わらない。見た目にはゆったりと投げているのに球は来ているという感じだった。
しかし先発投手として、ねばり強く投げるだけではピンチをしのぎきれない。今年の井川はシフトチェンジが出来ない点に最大の問題があるように思う。ここ一番、アドレナリンを出しながら、目一杯の力で投げ込む…そういう投球がない。それをやろうとするととたんにフォームがバラバラになる…。

今季の岡田采配は、先手先手を打って成功している。井川の不振を考えれば、5回無失点で御の字、6回から橋本・吉野・ジェフ・久保田の継投にスイッチする手もあったかもしれない。しかし、軽い投げ方でしかもゼロに抑えている「エース」を5回で降ろすことは考えていなかっただろう。当然誰も、「1つの白星をきっかけにして」などと低いレベルで見ていなかった。だが、この日の6回の炎上で、考えを改めざるを得ないだろう。

かつてタイガースに「若き左腕エース」と呼ばれた江夏豊投手がいた。先発完投型として剛速球と大きいカーブだけで勝ち星を積み重ね、誰もが認めるエースだった。しかしその勢いは25,6歳の時、急激に衰えた。時が過ぎてから振り返れば、(おそらく)不摂生が元の肥満が進行し、球の力や体力が衰えたのだろう。しかし周囲はなかなかその現実を認められず「本来はそんなもんじゃない」と思い続けた。結果として江夏は低迷のまま数年後、阪神を追われ、移籍先の南海で野村監督のもと「ストッパー」として変身を遂げ、後「優勝請負人」として大成をすることになるのだが…。

井川の不振に、江夏を持ち出すのは不的確かも知れないが、「こんなもんじゃない」「やってくれるはずだ」と言っているうちに思いもよらぬ末路をたどることもあるということ。
開幕からもうすぐ2週間、過去の実績や希望的観測からできあがってしまった幻影を消し去って、現実にそこにいる井川をしっかりと認識しなければいけない。幸いなことに代わりが効く層の厚さがある。時間をかけてでも自信がつくまで二軍で鍛錬すべきではないか。

Posted by torao at 08:08 | -
[退団者]井川慶
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