2009.05.01 Friday
◇4月30日(木)阪神−横浜6回戦(阪神4勝2敗、18時、甲子園、45758人)
横 浜 000 020 000− 2
阪 神 000 000 003X−3
【横浜】マストニー 山口 高崎 ●石井(0勝2敗)
【阪神】久保 江草 ウィリアムス ○アッチソン(2勝1敗)
[本塁打]梶谷1号(横)
初回、不安な立ち上がりで一死一三塁、前夜の主役村田から併殺を取って切り抜ける。先発久保に初勝利を。チームみんなその気持ちがあっただろうが、ベイスターズ先発マストニーを攻略できない。長身から投げ下ろす直球、曲がりの大きいカーブ、落差のあるチェンジアップ。まとまっているようで荒れているようで、初物に的が絞り込めない。
4回ウラ、無死二塁、無死一二塁のチャンス。ところが金本三振、新井左飛と進塁さえ叶わず、満塁としてもセカンド先発の藤本が凡退でチェンジ。
直後5回表二死から1番石川がヒット、2番梶谷の3球目、配球を見透かされたようにフォークで盗塁成功。そして1−2からの4球目内角厳しい直球を右翼席に運ばれてしまう。全然悪いコースではなく、むしろファールを計算できるような球。鋭く小さな振りで切れずに伸びていった。痛恨の一発で2点先制されてしまう。
その後マストニーはスイスイ。7回表一死二塁の好機でも代打を送らなかったほど。二死二塁となったピンチは久保から江草にスイッチして切り抜ける。この日も久保初勝利ならず。だけど悪いなりの粘りの投球で試合は作っている。援護のない巡り合わせが残念だった。
首脳陣の思惑通りにならず、マストニーは7回ウラに苦労する。7回ウラ、タイガースは葛城くるぶしへの死球で無死一塁(代走浅井)、藤本クリーンヒットで無死一二塁、狩野良い当たりも一ゴロ併殺崩れで一死一三塁と好機を展開する。代打桧山で、ベイは速球派セットアッパー山口にスイッチ。桧山の打球はそこそこのライナー性だったが、強肩吉村への浅め右飛でタッチアップは自重。しかし平野死球で二死満塁、今乗っている男、満塁に強い関本に期待がかかったが二ゴロでチェンジ。もっと乗っているベイのセカンド梶谷に軽く裁かれた。
8回はジェフ投入。一死から内川にヒット(本当は投ゴロだけど、投げた後ジェフはそこにいないからヒット)は打たれたが、スライダーで男村田の腰を引かせて三振、盗塁企図を見抜いて牽制で刺してチェンジ。さあ良いムード!
ところが大矢監督もなかなか切れ味鋭く、8回ウラは度胸満点の若手高崎を上げてくる。タイガース中軸と気迫の勝負。鳥谷振り切って二遊間を破るヒットで無死一塁。金本は仕留め損ねの右飛。新井の打球は二塁左を破ってセンター前…ところが乗ってる梶谷、これをスーパーキャッチして素速く二塁送球フォースアウト!これはやられた。まさに「梶谷デー」。二死一塁、浅井も良く粘ったが9球目力ない中飛でチェンジ。マストニー(28)、カジタニー(21)、タカサキー(24)ベイの若手伸び盛りだなぁ。
9回表はアッチソン。吉村にヒット、無警戒にして盗塁を許すも後続を断つ。
さあこのままやられっぱなしの完封負けじゃ情けない。ベイのマウンドは若き左のクローザー石井裕也(28)。こっちの若いのも力見せろよ。ところが9回表先頭藤本への代打桜井初球を打って一邪飛。狩野は10球投げさせる粘りを見せたが一二塁間のゴロ、二塁カジタニー華麗に裁いて二死。完封負け、4月負け越し借金2へあと一人。9番アッチソンへの代打は今岡。初球フォークが外高めに落ちない。今岡これを引っ掛けて凡ゴロ、ただし三遊間ど真ん中、しかし石川ギリギリ追いついて、おっとグラブを弾いた!内野安打。たぶん捕って投げていれば一塁アウトだったろうね。ラッキー。MBS(ガオラ)の放送ブースでは、ヨッシャー佐々木&往年のイケメン太田幸司が、実用化前のフォークをここで試したバッテリーの余裕を指摘。代走大和。
二死一塁で平野。投手への重圧はこの一人の走者で変わる。ここを繋げば面白い。初球ボール、2球目ストライク。見逃し二つの間、平野のせわしないこと(笑)。見逃し方のオーバーアクションで笑える選手ナンバーワン(笑)。厳しいところをカットして、際どいボールを見逃して2−2からの6球目、低め直球を会心の振り抜き、打球は右中間に伸びて行く、ライト吉村懸命のダイブ及ばず打球はフェンスまで。一走大和ホームイン1点差、打った平野も三塁へ、三塁打!来た、ついに来た!平野もやるやると見せかけてぜんぜんやらなかったが、ついにやった!(笑)ポカはあっても、こういう大きなプレーをやってのける思い切りの良さが平野の持ち味だからね。ここでハマってくれて嬉しいよ。
さあまた良い打順だ。二死三塁で関本。しかし石井も落ち着いてアウトロー厳しいコースを攻めてくる。ここらへんはさすが。ボール、ストライク、ファールで2−1と追い込まれる。4球目、アウトローへ142km/hの生きた直球、関本押し込まれながらも必死でおっつける、弱いゴロが二塁左へ、しかしここにはノリノリカジタニー華麗にキャッチ、してジャンピングスロー、内野安打か?いや関本の足ことのほか遅い、ワンバウンド、ツーバウンド、なんとこれを一塁佐伯が捕球できない!関本一塁をどたどたと駆け抜け、後逸を確認して二塁へ!平野はもちろん生還、2−2同点!なんとここにきてカジタニーのツキが切れた。練られた二遊間ならアライバで楽に一塁刺せたね。しかし関本もどたどたと必死で良く走った。
同点で9回二死二塁鳥谷。こうなると石井の方がしんどい。初球ど真ん中まっすぐを悠然と見逃し。的が外れたのだろうが、その仕草がまたバッテリーを追いつめる。スライダーを続けて、ボール、空振り、ファール。2−1からの5球目、抜け気味内角のスライダー、鳥谷ジャストミート!糸を引くような右前ライナーヒット。関本三塁ストップ、吉村から矢の送球が中継まで。代走出してもし勝負してたらアウトだな(笑)。
二死一三塁、金本。今岡、平野、関本、鳥谷、ここまで4連打で作ったお膳立て。そりゃ何とかするでしょう金本なら。もはや進退窮まってイチかバチかの直球勝負、その3球目、石井はすでに30球目、すでに威力を失った137km/hを捉える。梶谷懸命に飛びつくが、強烈な打球はそのグラブの先を抜けていった。右手を上げる金本が一塁ベースにちょんと乗るとあっという間に選手たちが集まってヒーローに抱きついた。
ツーアウトランナーなし。足の遅い打者の緩いゴロ。終わったと思った瞬間からの大逆転。その試合のたくさんの良いプレーを、勝利の内に終わらせるという重責を担うクローザー。たった1球で、その心理が大きく変わってしまう恐ろしさ。振り返れば桜井の積極性も、狩野の粘りも、石井攻略の1ピースだったかも知れない。
月末決算、この試合自体も帳尻合わせの最後だけだったけど、面白すぎる1試合だった。ナイスゲーム!
4回ウラ、無死二塁、無死一二塁のチャンス。ところが金本三振、新井左飛と進塁さえ叶わず、満塁としてもセカンド先発の藤本が凡退でチェンジ。
直後5回表二死から1番石川がヒット、2番梶谷の3球目、配球を見透かされたようにフォークで盗塁成功。そして1−2からの4球目内角厳しい直球を右翼席に運ばれてしまう。全然悪いコースではなく、むしろファールを計算できるような球。鋭く小さな振りで切れずに伸びていった。痛恨の一発で2点先制されてしまう。
その後マストニーはスイスイ。7回表一死二塁の好機でも代打を送らなかったほど。二死二塁となったピンチは久保から江草にスイッチして切り抜ける。この日も久保初勝利ならず。だけど悪いなりの粘りの投球で試合は作っている。援護のない巡り合わせが残念だった。
首脳陣の思惑通りにならず、マストニーは7回ウラに苦労する。7回ウラ、タイガースは葛城くるぶしへの死球で無死一塁(代走浅井)、藤本クリーンヒットで無死一二塁、狩野良い当たりも一ゴロ併殺崩れで一死一三塁と好機を展開する。代打桧山で、ベイは速球派セットアッパー山口にスイッチ。桧山の打球はそこそこのライナー性だったが、強肩吉村への浅め右飛でタッチアップは自重。しかし平野死球で二死満塁、今乗っている男、満塁に強い関本に期待がかかったが二ゴロでチェンジ。もっと乗っているベイのセカンド梶谷に軽く裁かれた。
8回はジェフ投入。一死から内川にヒット(本当は投ゴロだけど、投げた後ジェフはそこにいないからヒット)は打たれたが、スライダーで男村田の腰を引かせて三振、盗塁企図を見抜いて牽制で刺してチェンジ。さあ良いムード!
ところが大矢監督もなかなか切れ味鋭く、8回ウラは度胸満点の若手高崎を上げてくる。タイガース中軸と気迫の勝負。鳥谷振り切って二遊間を破るヒットで無死一塁。金本は仕留め損ねの右飛。新井の打球は二塁左を破ってセンター前…ところが乗ってる梶谷、これをスーパーキャッチして素速く二塁送球フォースアウト!これはやられた。まさに「梶谷デー」。二死一塁、浅井も良く粘ったが9球目力ない中飛でチェンジ。マストニー(28)、カジタニー(21)、タカサキー(24)ベイの若手伸び盛りだなぁ。
9回表はアッチソン。吉村にヒット、無警戒にして盗塁を許すも後続を断つ。
さあこのままやられっぱなしの完封負けじゃ情けない。ベイのマウンドは若き左のクローザー石井裕也(28)。こっちの若いのも力見せろよ。ところが9回表先頭藤本への代打桜井初球を打って一邪飛。狩野は10球投げさせる粘りを見せたが一二塁間のゴロ、二塁カジタニー華麗に裁いて二死。完封負け、4月負け越し借金2へあと一人。9番アッチソンへの代打は今岡。初球フォークが外高めに落ちない。今岡これを引っ掛けて凡ゴロ、ただし三遊間ど真ん中、しかし石川ギリギリ追いついて、おっとグラブを弾いた!内野安打。たぶん捕って投げていれば一塁アウトだったろうね。ラッキー。MBS(ガオラ)の放送ブースでは、ヨッシャー佐々木&往年のイケメン太田幸司が、実用化前のフォークをここで試したバッテリーの余裕を指摘。代走大和。
二死一塁で平野。投手への重圧はこの一人の走者で変わる。ここを繋げば面白い。初球ボール、2球目ストライク。見逃し二つの間、平野のせわしないこと(笑)。見逃し方のオーバーアクションで笑える選手ナンバーワン(笑)。厳しいところをカットして、際どいボールを見逃して2−2からの6球目、低め直球を会心の振り抜き、打球は右中間に伸びて行く、ライト吉村懸命のダイブ及ばず打球はフェンスまで。一走大和ホームイン1点差、打った平野も三塁へ、三塁打!来た、ついに来た!平野もやるやると見せかけてぜんぜんやらなかったが、ついにやった!(笑)ポカはあっても、こういう大きなプレーをやってのける思い切りの良さが平野の持ち味だからね。ここでハマってくれて嬉しいよ。
さあまた良い打順だ。二死三塁で関本。しかし石井も落ち着いてアウトロー厳しいコースを攻めてくる。ここらへんはさすが。ボール、ストライク、ファールで2−1と追い込まれる。4球目、アウトローへ142km/hの生きた直球、関本押し込まれながらも必死でおっつける、弱いゴロが二塁左へ、しかしここにはノリノリカジタニー華麗にキャッチ、してジャンピングスロー、内野安打か?いや関本の足ことのほか遅い、ワンバウンド、ツーバウンド、なんとこれを一塁佐伯が捕球できない!関本一塁をどたどたと駆け抜け、後逸を確認して二塁へ!平野はもちろん生還、2−2同点!なんとここにきてカジタニーのツキが切れた。練られた二遊間ならアライバで楽に一塁刺せたね。しかし関本もどたどたと必死で良く走った。
同点で9回二死二塁鳥谷。こうなると石井の方がしんどい。初球ど真ん中まっすぐを悠然と見逃し。的が外れたのだろうが、その仕草がまたバッテリーを追いつめる。スライダーを続けて、ボール、空振り、ファール。2−1からの5球目、抜け気味内角のスライダー、鳥谷ジャストミート!糸を引くような右前ライナーヒット。関本三塁ストップ、吉村から矢の送球が中継まで。代走出してもし勝負してたらアウトだな(笑)。
二死一三塁、金本。今岡、平野、関本、鳥谷、ここまで4連打で作ったお膳立て。そりゃ何とかするでしょう金本なら。もはや進退窮まってイチかバチかの直球勝負、その3球目、石井はすでに30球目、すでに威力を失った137km/hを捉える。梶谷懸命に飛びつくが、強烈な打球はそのグラブの先を抜けていった。右手を上げる金本が一塁ベースにちょんと乗るとあっという間に選手たちが集まってヒーローに抱きついた。
ツーアウトランナーなし。足の遅い打者の緩いゴロ。終わったと思った瞬間からの大逆転。その試合のたくさんの良いプレーを、勝利の内に終わらせるという重責を担うクローザー。たった1球で、その心理が大きく変わってしまう恐ろしさ。振り返れば桜井の積極性も、狩野の粘りも、石井攻略の1ピースだったかも知れない。
月末決算、この試合自体も帳尻合わせの最後だけだったけど、面白すぎる1試合だった。ナイスゲーム!