2009.10.01 Thursday
◇9月30日(水)ヤクルト−阪神21回戦(ヤクルト12勝9敗、18時、神宮、17252人)
阪 神 100 000 204―7
ヤクル 000 000 001―1
【阪神】○能見(12勝9敗) アッチソン S藤川(25セーブ)
【ヤクルト】●ユウキ(5勝6敗) 押本 五十嵐 橋本
[本塁打] ブラゼル15号(神)
降り続く雨の中、気温も下がる中、声援を送り続けた両チームファンの皆さんお疲れさま!熱のこもった素晴らしいゲームになった。
タイガースは、先日の岩田に続き、中4日で能見を立てる必勝態勢。一方のスワローズは順番通り、タイガース戦でも良い内容を見せているユウキ。ショート先発は右手剥離骨折が伝えられていた宮本がテーピングをして出場。もうここまで来れば理屈じゃない、根性だ。初戦だってあのヘッドスライディングがチームを動かしたものなぁ。
しかし能見も根性で負けていなかった。不安を挙げればキリがない登板だっただろうが、初回金本の先制タイムリーでもらった1点を意識しすぎるでもなく、止まない雨に心を乱されるでもなく、強い気持ちで投げ続けた。能見で勝たなきゃ誰で勝つんだ。重責を感じさせない集中した投球には、落ち着きと風格があった。
でも4回二死満塁、畠山センター前逆転タイムリーか?おお平野前進してキャッチ!という場面はドキドキ、ほっ(笑)。
飛ばしていったのもあって6回にも一死一三塁のピンチを招くが、力を振り絞ってガイエルへの代打、イヤらしい福地を空振り三振に取る。二死としてアッチソンにマウンドを譲り、お役御免となった。絶対落とせない試合に厳しいローテで登板し、試合を作るどころか、苦しい1点リードをゼロに抑えたまま勝ちパターン継投に繋ぐ。これをエースの仕事と呼ばずに何と呼ぶ。根性を見せた92球。ナイスピッチ能見。
アッチは畠山四球で二死満塁とするも、雰囲気のある川本を素晴らしいインロー直球で見逃し三振、窮地を脱した。
一方のユウキも根性の投球。2回以後はメリハリの利いた投球で、良く振れているT打線を抑え込んだ。味方が大きな好機を逃し、打順のめぐりから言って最後の回となる7回表は、鳥谷からの「最後の山」。鳥谷は食い込んでくる速めの球をファール、ファールで粘るが、最後は捉えきれずに一ゴロ。当たりを取り戻している金本。カーブ、フォーク、カット…変化球を続けタイミングを外す。2−2、ファール、ファールで7球目、渾身の高め直球ボール球、本当に気持ちの乗った伸び上がるストレートに、金本のフルスイングが空を切る。主軸に対する必死の攻防に、ユウキ思わずガッツポーズで2アウト。山を越えた…心の中にチラッと芽生える安堵。しかしこの日のタイガース打線には、ひと山越えてもうひと山の粘りがあった。外へのカット、2球続けたところを新井がしぶとく一二塁間を破るヒット。これがユウキの101球目。
7回表二死一塁、打席にブラゼル。前の打席(5回)は内野安打で出塁している。珍しくファールでしっかり粘り、バットを折られながらも一塁左へのゴロ、痛い足を引きずりながらも一塁へ全力疾走、ユウキのベースカバーが遅れて出塁した。その後併殺で戻って来た時の足取りは、とても出場できるようには見えない。相当痛そうだ。
戦線復帰後、ブラゼルの振りは弱々しかった。それでも真弓監督は辛抱して使っていた。どうしても必要なワンピース。どうしても欲しい、局面を一変させられるホームランバッター。そして7回表二死一塁、今がまさにホームランシチュエーション。
初球フォーク振らずにボール。スワローズバッテリーもホームランだけを警戒する局面。2球目川本の要求は内角ボール球、ふわっとした抜き球でファールを打たせる意図。その球が狙いより低く行き、腕が良く伸びる所、タイミングが完璧に合う。すくい上げたライナーが真っ直ぐライトポールへ、右か左か…コンとポールに当たる!ヒザの力が抜け崩れ落ちるユウキ、痛みを我慢しながら、足を引きずりながら、やっとのことでダイヤモンドを一周するブラゼル。
グラウンドコンディションを意識したのか、深谷球審の超ワイドなストライクゾーンの助けもあったけれど、能見とユウキの投げ合いは明暗のコントラストくっきり、実に野球らしい美しいドラマだった。
3−0となってあとはスイスイと思いきや、快調アッチソンの後、2回を任された藤川が打たれまくってヒヤヒヤ。アッチソンとは体の強さが違うんだろうな。気持ちはあっても球が行かない。そして球児とともに出場した矢野も気後れしていたんじゃないだろうか。2盗塁を許し、リベンジの機会を活かせなかった。
9回、先頭大和の三遊間コースヒットからビッグイニングになった。鳥谷がぐんと成長したのは、大和が出るようになってからだと思う。大和にヒットが出るようになったのは野原や柴田が上がってきてからだと思う。一番下っ端だと甘えが出る。お兄さんになると、良いところを見せなきゃ…と張り切る。
トリしぶとく左中間コース二塁打、金本レフト線根性2点タイムリー二塁打、新井ライト線力ずく三塁打(ライト飯原根性ダイブ及ばず、負傷してしまったようだ)、バル凡退を挟んで、柴田がセンター犠牲フライでプロ初打点!スワローズ必死継投の五十嵐から4点を奪って試合を決めた。
後半ジャイアンツ戦を圧倒的勝率で完全優勝を阻止して「日本一への資格」を取得、ナゴドのD戦で「日本一への手応え」をゲット、この神宮の死闘に勝ち越し「日本一への歩み」を継続。脇目もふらず、あくまでもこの歩みを続けること。負けても負けても歩み続けること。今季は本当に24年ぶり日本一のまたとないチャンスだぞ!
(追記)懐かしいVTRを見ながら、あらためてすごい選手だったんだなあと痛感した。中日ドラゴンズ立浪和義選手、22年間の現役生活お疲れさまでした!
タイガースは、先日の岩田に続き、中4日で能見を立てる必勝態勢。一方のスワローズは順番通り、タイガース戦でも良い内容を見せているユウキ。ショート先発は右手剥離骨折が伝えられていた宮本がテーピングをして出場。もうここまで来れば理屈じゃない、根性だ。初戦だってあのヘッドスライディングがチームを動かしたものなぁ。
しかし能見も根性で負けていなかった。不安を挙げればキリがない登板だっただろうが、初回金本の先制タイムリーでもらった1点を意識しすぎるでもなく、止まない雨に心を乱されるでもなく、強い気持ちで投げ続けた。能見で勝たなきゃ誰で勝つんだ。重責を感じさせない集中した投球には、落ち着きと風格があった。
でも4回二死満塁、畠山センター前逆転タイムリーか?おお平野前進してキャッチ!という場面はドキドキ、ほっ(笑)。
飛ばしていったのもあって6回にも一死一三塁のピンチを招くが、力を振り絞ってガイエルへの代打、イヤらしい福地を空振り三振に取る。二死としてアッチソンにマウンドを譲り、お役御免となった。絶対落とせない試合に厳しいローテで登板し、試合を作るどころか、苦しい1点リードをゼロに抑えたまま勝ちパターン継投に繋ぐ。これをエースの仕事と呼ばずに何と呼ぶ。根性を見せた92球。ナイスピッチ能見。
アッチは畠山四球で二死満塁とするも、雰囲気のある川本を素晴らしいインロー直球で見逃し三振、窮地を脱した。
一方のユウキも根性の投球。2回以後はメリハリの利いた投球で、良く振れているT打線を抑え込んだ。味方が大きな好機を逃し、打順のめぐりから言って最後の回となる7回表は、鳥谷からの「最後の山」。鳥谷は食い込んでくる速めの球をファール、ファールで粘るが、最後は捉えきれずに一ゴロ。当たりを取り戻している金本。カーブ、フォーク、カット…変化球を続けタイミングを外す。2−2、ファール、ファールで7球目、渾身の高め直球ボール球、本当に気持ちの乗った伸び上がるストレートに、金本のフルスイングが空を切る。主軸に対する必死の攻防に、ユウキ思わずガッツポーズで2アウト。山を越えた…心の中にチラッと芽生える安堵。しかしこの日のタイガース打線には、ひと山越えてもうひと山の粘りがあった。外へのカット、2球続けたところを新井がしぶとく一二塁間を破るヒット。これがユウキの101球目。
7回表二死一塁、打席にブラゼル。前の打席(5回)は内野安打で出塁している。珍しくファールでしっかり粘り、バットを折られながらも一塁左へのゴロ、痛い足を引きずりながらも一塁へ全力疾走、ユウキのベースカバーが遅れて出塁した。その後併殺で戻って来た時の足取りは、とても出場できるようには見えない。相当痛そうだ。
戦線復帰後、ブラゼルの振りは弱々しかった。それでも真弓監督は辛抱して使っていた。どうしても必要なワンピース。どうしても欲しい、局面を一変させられるホームランバッター。そして7回表二死一塁、今がまさにホームランシチュエーション。
初球フォーク振らずにボール。スワローズバッテリーもホームランだけを警戒する局面。2球目川本の要求は内角ボール球、ふわっとした抜き球でファールを打たせる意図。その球が狙いより低く行き、腕が良く伸びる所、タイミングが完璧に合う。すくい上げたライナーが真っ直ぐライトポールへ、右か左か…コンとポールに当たる!ヒザの力が抜け崩れ落ちるユウキ、痛みを我慢しながら、足を引きずりながら、やっとのことでダイヤモンドを一周するブラゼル。
グラウンドコンディションを意識したのか、深谷球審の超ワイドなストライクゾーンの助けもあったけれど、能見とユウキの投げ合いは明暗のコントラストくっきり、実に野球らしい美しいドラマだった。
3−0となってあとはスイスイと思いきや、快調アッチソンの後、2回を任された藤川が打たれまくってヒヤヒヤ。アッチソンとは体の強さが違うんだろうな。気持ちはあっても球が行かない。そして球児とともに出場した矢野も気後れしていたんじゃないだろうか。2盗塁を許し、リベンジの機会を活かせなかった。
9回、先頭大和の三遊間コースヒットからビッグイニングになった。鳥谷がぐんと成長したのは、大和が出るようになってからだと思う。大和にヒットが出るようになったのは野原や柴田が上がってきてからだと思う。一番下っ端だと甘えが出る。お兄さんになると、良いところを見せなきゃ…と張り切る。
トリしぶとく左中間コース二塁打、金本レフト線根性2点タイムリー二塁打、新井ライト線力ずく三塁打(ライト飯原根性ダイブ及ばず、負傷してしまったようだ)、バル凡退を挟んで、柴田がセンター犠牲フライでプロ初打点!スワローズ必死継投の五十嵐から4点を奪って試合を決めた。
後半ジャイアンツ戦を圧倒的勝率で完全優勝を阻止して「日本一への資格」を取得、ナゴドのD戦で「日本一への手応え」をゲット、この神宮の死闘に勝ち越し「日本一への歩み」を継続。脇目もふらず、あくまでもこの歩みを続けること。負けても負けても歩み続けること。今季は本当に24年ぶり日本一のまたとないチャンスだぞ!
(追記)懐かしいVTRを見ながら、あらためてすごい選手だったんだなあと痛感した。中日ドラゴンズ立浪和義選手、22年間の現役生活お疲れさまでした!