自称阪神タイガース評論家（跡地）

チームの「先端部」赤星、ウィリアムス、アッチソンが去り、若きエース岩田が長期離脱、オープン戦で先発投手陣が不安を見せるという状況の中で、タイガースの前評判は高くない。だが、そんなもんは知るか。思ったとおりにならないのが勝負である。諦めずに戦い続けた者だけが勝者になれる。

　城島と鳥谷のシーズン。それが２０１０年開幕に私が持っているイメージだ。
　勝つ者が必ず持っているタフな心、胆力。監督であれ、選手であれ、パーソナリティの発する胆力がチームに伝播し、勝つチームになっていく。タイガースの胆力を長期的に支えているのが金本知憲だ。しかし去年のように金本が胆力を発揮できるコンディションにないと、タイガースは芯を失ったかのように弱体化する。チームの芯を作り出し得る者は、複数いて補い合える方が良いに決まっている。城島は金本に匹敵しうる胆力の持ち主で、しかも金本と好相性の特性を持っている、私はそういう気がしてならない。
　攻守の要点を支える城島が、チームにどんな影響をもたらすのか、楽しみだ。

　どれだけひたむきに努力を重ねても、期待値と実績と周囲の評価と本人の評価が決して像を結ばなかったのが鳥谷だ。実像がどうなのかはもはやどうでも良くて、それぞれ受け手が勝手に作り出した虚像が空回りしているような不思議な存在に感じてしまっていた。
　きっと今年鳥谷は実像を見せる。本人は何も変わっていないと言うだろう。でもそういうことじゃないんだ。選手会長になって鳥谷は変わった。表情が変わった。言動が変わった。受け取る側が、「鳥谷は変わった」と認める準備をした。だから今年鳥谷が見せるプレーの一つ一つが実像を結んでいく。良いものであれ、悪いものであれ、今年鳥谷が残す結果が、阪神タイガース鳥谷敬の実像となる。そしてそれはきっとものすごく良いものになるだろうと私は心の底から期待している。

　さあ長くて短いプロ野球シーズン、今年も思いっきり楽しませてくれ！Ｇｏ！タイガース！