2010.04.24 Saturday
阪神−中日4回戦(中日3勝1敗、18時1分、甲子園、38585人)
中 日 001 000 000―1
阪 神 000 250 00×―7
【中日】●チェン(1勝2敗) 清水昭 長峰 小林正
【阪神】○フォッサム(1勝0敗) 西村 スタンリッジ 川崎 渡辺
フォッサム初勝利おめでとう。オープン戦の時期は、変化球の動きが鈍く、投球の間合いも単調で、ひたすら長打を打たれまくっていたけれど、それが今は球はキレまくって、どんどん自分のペースに引き込む速い間合いとなっている。この日は寒い中、制球にまとまりがなく、球数、四球ともに多めだったが、その分打者にとっては打ちづらそうだった。失点した3回、さらに二死満塁までピンチを拡げたが、肝心のところでスライダーが和田の膝元、絶妙な所に滑り落ちた。大ピンチを最少失点で切り抜けたことがこの試合の大きな勝因。得点力の高いジャイアンツ、ドラゴンズ相手の連続好投は大いに褒め称えたい。
メッセンジャーに代えて登録されたスタンリッジが3番手で7回を担当した。硬くなっていたのか制球が乱れていたが、低く低く外れていたのがこの投手の特徴かも知れない。投げているうちに安定感が出て来そうな予感だ。
4回ウラに逆転して2−1になった時点から、真弓監督は、よし!この1点で絶対に逃げ切ろうと決めただろう。私もそう決めた(笑)。そういう状況でまず「先発の積み残し担当」として西村を用意させたのはナイス。結果的に楽勝の点差になったけれど、きっちり抑えて試合を固めた。西村、スタンリッジ、川崎、渡辺のゼロリレーお見事。ナイス!
良い投手にはだるまさんになったり、ぽんぽんと打ち上げるタンパク質になったり、そんなあきらめの良さで知られるタイガース打線なのだけれど、この日は「おまえらドラゴンズか?」と見まごうばかりの粘着質(まあ一方のドラゴンズの方は、記録に残らない守備ミス連発や、前進外野の頭を越されたり、びっくりするようなタイムリーエラーが出たりで「おまえらタイガースか?」と見まごうばかりではあった)。ツーアウトランナーなしからチャンスを切り開いて、走って繋いでしっかりものにした。やればできるじゃないか!チャンスで打った選手を褒め称えたい。そのチャンスを作り、広げるために全力で走った選手たちも忘れずに褒め称えたい。
始まりはいつも通りだった。ツーアウトランナーなし。ここから1番荒木が塁に出て、故障復帰後初盗塁を決められる。城島の送球も素晴らしくクイックだったけどベースの端っことまではいかなかった。そいで毎度おなじみ井端のヒットで、いとも簡単に3回表先制点を奪われる。でもとにかくその後の二死満塁は踏ん張った。
で、4回、5回と、今度はタイガースがツーアウトランナーなしから素晴らしい粘りのある攻撃を見せるわけである。どの打撃一つとっても本当に気持ちのこもった、バットに当たる瞬間までしっかり集中したスイングだったのだ。その心を呼び出した一番大きな要因は「走り」だった。
端緒は4回ウラツーアウトランナーなし、鳥谷のツマリゴロが三遊間に転がる、今季はショートを守る荒木が追いついて、いつものセカンドゴロを裁くのと同じステップで一塁へ送球、しかしショートだと2歩余分なのだ、全力疾走の鳥谷の足が一瞬早くベースを踏んでセーフ、内野安打となる。もともと打撃急上昇中で、いつでも手を抜かない鳥谷ではあるが、大和と二遊間を組む時はさらにキリッとお兄さんになるのだ。
3アウトチェンジが一転、俊足の走者を置いて4番打者との対決=長打なら同点という局面になる。投手の心が鏡のように平穏のままのはずがない。新井へのカウントは2ボール、ここでワンツのスリーと振り切った新井、バットは折れるも打球に気合が乗ってハーフライナーはセンター前、長打警戒で深く守っていた守備位置が頭に入っているから鳥谷はノールックで一気に三塁へ、チャージしてきたセサル、投げても間に合わなそうなのにダイレクト三塁送球、この斜め上に投げ上げる角度(内野がカットする可能性がある低い球なら走れない)を見て、打者走者新井も二塁を狙う、鳥谷サードセーフ、森野急いで二塁へ送球するが新井もセーフ!ナイスラン!ナイスラン!ナイスラン!
打ち取ったへろへろ打球が2本、チェンジのはずが二死二三塁で打席に城島”メジャーリーガー”健司、マウンドはチェン”チェンジだったのにブツブツ”ウェイン。動揺収まらずカウント3ボール1ストライク。しかしこのところチャンスで凡退の城島、この打席も硬い。谷繁の見る目は怖い。徹底的に内角直球で攻め立てる。ファールでフルカウント。しかしここで失投が来る。内角に構えた谷繁のミットが外に動き、波打つ城島のスイング軌道の中で数少ない球に当たる場所へ。レフト前にクリーンヒット、鳥谷、新井が生還し2−1と逆転した。そりゃあんなに素晴らしい走りをたくさん見せられたら、なんとかしなくちゃいけないよな。二死から必死で作ったチャンスだからこそ。しんどいところで城島よう打った!
続く5回ウラも下位が簡単に打ち取られてツーアウトランナーなし。さあ継投で1点差逃げ切るぞとフォッサムに代打関本。はっきり言って出した真弓監督も「捨て代打」という風情だし、関本にもまったく打ちそうな感じはなかった。2−2から谷繁は直球を外のボールゾーンへ要求、これを関本が見送ってフルカウント。関本はこれで落ち着いた。逆にチェンは力が入ったか、ラストボールは完全に叩きつけて四球。久々、関本らしい粘り強い打席にできた。
で、この次のマートンがまたまた素晴らしかった。難しい球で簡単に追い込まれ、緩急をつけたウィニングショットの膝元へのカーブ。これを左足でぐぐっとタメを作って上半身のツッコミを抑え、一つ送らせてしっかりミート。崩されそうで崩れずに打った打球は勢いよく左中間フェンスまで抜けて行った。脚力に問題がある関本でも長駆ホームインできるタイムリー二塁打で3−1。セキも一生懸命走った。2−1の1点差で勝つことを考えていたんだから2倍楽になった(いや、しんどさが半分になった、か)。
ここでなぜか知らねどチェンキラーとして定着している大和。他の打席では際どいところに手が出なくて残念だったけれど、ここは鋭く三遊間へ、荒木横っ飛び好捕で一塁送球するが、大和せんでも良いヘッドスライディング(気持ちは良くわかる!)でセーフ!内野安打!
場内には「チャンス襲来」。タイガース投手にとってのナゴド「打って打って打ちまくれ」みたいな感じに、甲子園のこの曲をチェンの悪夢にしてやれ!雰囲気ありの鳥谷が四球を選んで二死満塁で新井。新井気合入っていた。直球、直球、直球、新井もブリブリ振ってファールファールファール。危うくチップで三振だったけどラッキー。4球目、谷繁の要求は直球外ボールゾーン、しかしこれがいっぱいストライクへ、新井ぶりっとフルスイング、腕が伸びた大きな打球がライトへ、前進の野本バック、しかしその頭を越える、中継もきっちしていない、一走鳥谷も帰ってくるセーフ!走者一掃6−1!チャンス襲来で雰囲気を作っていたスタンドも思わず大歓喜、バンザーイバンザーイバンザーイ!いやあ素晴らしい。
結局チェンを後略した後、ドラゴンズの誇る層の厚いリリーフ陣を打つことはできなかった。でも決してタンパク質の雑な攻撃はしていなかった。7回ウラ、先頭マートン、粘って粘ってライト前ヒット。二死後、新井の三遊間をまた荒木が好捕、これが内野安打になったのだが、ダメな走者なら二塁封殺で終わりだ。マートンが好スタートから一生懸命走っていたから新井にヒットが記録されたのだ。素晴らしい1番打者だ。
走って粘って。まさに打線が投手陣を助けたナイスゲーム。今季はこういう試合でいっぱい満たして欲しい。
メッセンジャーに代えて登録されたスタンリッジが3番手で7回を担当した。硬くなっていたのか制球が乱れていたが、低く低く外れていたのがこの投手の特徴かも知れない。投げているうちに安定感が出て来そうな予感だ。
4回ウラに逆転して2−1になった時点から、真弓監督は、よし!この1点で絶対に逃げ切ろうと決めただろう。私もそう決めた(笑)。そういう状況でまず「先発の積み残し担当」として西村を用意させたのはナイス。結果的に楽勝の点差になったけれど、きっちり抑えて試合を固めた。西村、スタンリッジ、川崎、渡辺のゼロリレーお見事。ナイス!
良い投手にはだるまさんになったり、ぽんぽんと打ち上げるタンパク質になったり、そんなあきらめの良さで知られるタイガース打線なのだけれど、この日は「おまえらドラゴンズか?」と見まごうばかりの粘着質(まあ一方のドラゴンズの方は、記録に残らない守備ミス連発や、前進外野の頭を越されたり、びっくりするようなタイムリーエラーが出たりで「おまえらタイガースか?」と見まごうばかりではあった)。ツーアウトランナーなしからチャンスを切り開いて、走って繋いでしっかりものにした。やればできるじゃないか!チャンスで打った選手を褒め称えたい。そのチャンスを作り、広げるために全力で走った選手たちも忘れずに褒め称えたい。
始まりはいつも通りだった。ツーアウトランナーなし。ここから1番荒木が塁に出て、故障復帰後初盗塁を決められる。城島の送球も素晴らしくクイックだったけどベースの端っことまではいかなかった。そいで毎度おなじみ井端のヒットで、いとも簡単に3回表先制点を奪われる。でもとにかくその後の二死満塁は踏ん張った。
で、4回、5回と、今度はタイガースがツーアウトランナーなしから素晴らしい粘りのある攻撃を見せるわけである。どの打撃一つとっても本当に気持ちのこもった、バットに当たる瞬間までしっかり集中したスイングだったのだ。その心を呼び出した一番大きな要因は「走り」だった。
端緒は4回ウラツーアウトランナーなし、鳥谷のツマリゴロが三遊間に転がる、今季はショートを守る荒木が追いついて、いつものセカンドゴロを裁くのと同じステップで一塁へ送球、しかしショートだと2歩余分なのだ、全力疾走の鳥谷の足が一瞬早くベースを踏んでセーフ、内野安打となる。もともと打撃急上昇中で、いつでも手を抜かない鳥谷ではあるが、大和と二遊間を組む時はさらにキリッとお兄さんになるのだ。
3アウトチェンジが一転、俊足の走者を置いて4番打者との対決=長打なら同点という局面になる。投手の心が鏡のように平穏のままのはずがない。新井へのカウントは2ボール、ここでワンツのスリーと振り切った新井、バットは折れるも打球に気合が乗ってハーフライナーはセンター前、長打警戒で深く守っていた守備位置が頭に入っているから鳥谷はノールックで一気に三塁へ、チャージしてきたセサル、投げても間に合わなそうなのにダイレクト三塁送球、この斜め上に投げ上げる角度(内野がカットする可能性がある低い球なら走れない)を見て、打者走者新井も二塁を狙う、鳥谷サードセーフ、森野急いで二塁へ送球するが新井もセーフ!ナイスラン!ナイスラン!ナイスラン!
打ち取ったへろへろ打球が2本、チェンジのはずが二死二三塁で打席に城島”メジャーリーガー”健司、マウンドはチェン”チェンジだったのにブツブツ”ウェイン。動揺収まらずカウント3ボール1ストライク。しかしこのところチャンスで凡退の城島、この打席も硬い。谷繁の見る目は怖い。徹底的に内角直球で攻め立てる。ファールでフルカウント。しかしここで失投が来る。内角に構えた谷繁のミットが外に動き、波打つ城島のスイング軌道の中で数少ない球に当たる場所へ。レフト前にクリーンヒット、鳥谷、新井が生還し2−1と逆転した。そりゃあんなに素晴らしい走りをたくさん見せられたら、なんとかしなくちゃいけないよな。二死から必死で作ったチャンスだからこそ。しんどいところで城島よう打った!
続く5回ウラも下位が簡単に打ち取られてツーアウトランナーなし。さあ継投で1点差逃げ切るぞとフォッサムに代打関本。はっきり言って出した真弓監督も「捨て代打」という風情だし、関本にもまったく打ちそうな感じはなかった。2−2から谷繁は直球を外のボールゾーンへ要求、これを関本が見送ってフルカウント。関本はこれで落ち着いた。逆にチェンは力が入ったか、ラストボールは完全に叩きつけて四球。久々、関本らしい粘り強い打席にできた。
で、この次のマートンがまたまた素晴らしかった。難しい球で簡単に追い込まれ、緩急をつけたウィニングショットの膝元へのカーブ。これを左足でぐぐっとタメを作って上半身のツッコミを抑え、一つ送らせてしっかりミート。崩されそうで崩れずに打った打球は勢いよく左中間フェンスまで抜けて行った。脚力に問題がある関本でも長駆ホームインできるタイムリー二塁打で3−1。セキも一生懸命走った。2−1の1点差で勝つことを考えていたんだから2倍楽になった(いや、しんどさが半分になった、か)。
ここでなぜか知らねどチェンキラーとして定着している大和。他の打席では際どいところに手が出なくて残念だったけれど、ここは鋭く三遊間へ、荒木横っ飛び好捕で一塁送球するが、大和せんでも良いヘッドスライディング(気持ちは良くわかる!)でセーフ!内野安打!
場内には「チャンス襲来」。タイガース投手にとってのナゴド「打って打って打ちまくれ」みたいな感じに、甲子園のこの曲をチェンの悪夢にしてやれ!雰囲気ありの鳥谷が四球を選んで二死満塁で新井。新井気合入っていた。直球、直球、直球、新井もブリブリ振ってファールファールファール。危うくチップで三振だったけどラッキー。4球目、谷繁の要求は直球外ボールゾーン、しかしこれがいっぱいストライクへ、新井ぶりっとフルスイング、腕が伸びた大きな打球がライトへ、前進の野本バック、しかしその頭を越える、中継もきっちしていない、一走鳥谷も帰ってくるセーフ!走者一掃6−1!チャンス襲来で雰囲気を作っていたスタンドも思わず大歓喜、バンザーイバンザーイバンザーイ!いやあ素晴らしい。
結局チェンを後略した後、ドラゴンズの誇る層の厚いリリーフ陣を打つことはできなかった。でも決してタンパク質の雑な攻撃はしていなかった。7回ウラ、先頭マートン、粘って粘ってライト前ヒット。二死後、新井の三遊間をまた荒木が好捕、これが内野安打になったのだが、ダメな走者なら二塁封殺で終わりだ。マートンが好スタートから一生懸命走っていたから新井にヒットが記録されたのだ。素晴らしい1番打者だ。
走って粘って。まさに打線が投手陣を助けたナイスゲーム。今季はこういう試合でいっぱい満たして欲しい。