2011.10.29 Saturday
ドラフトから一夜、アメリカのワールドシリーズは好勝負、今日からクライマックスシリーズ…野球ファンにはまだまだ楽しいことたくさんの秋。
ファイターズが東海大菅野を指名し、くじも引き当てた話題が野球ファンの間で大いに盛り上がっている。単純に衝撃的な出来事だったというのもあるし、これまでの経緯から来る感情的な意見もあるし、ドラフトの是非論や日本プロ野球のあり方の問題もある。私自身もこの一日で、愉快不愉快、いろんな思いが入り混じったやりとりをあちこちで経験した。
そんな中でつくづく思ったのは「ファイターズのドラフト戦略の巧みさ」だ。通常ドラフト戦略と言えば、いかに必要な戦力を獲得していくかということが目的なのだが、今回ファイターズの戦略はもっとデカい。それは早大ソフトボール部大嶋を7位で指名したことにも表れている。
たとえ、もしこれで菅野が入団に至らなかったとしても、ファイターズはこのドラフトでもっと大きなものを獲得しただろう。プロ野球ビジネスの本質を捉えた巧みさだと思う。
さて一方のタイガースでは和田新監督の発表と、就任会見が行われた。まあみんな知ってたけど(笑)。
そつのない会見。粘り強くて実直、浮ついたところなく内に秘めた闘志、現役時代からよく知っている和田さんらしい受け答えだった。
個人的には今回の人選に反対の立場だった。セクションとしては良い成績ではあるが、攻撃面のチーフとして真弓内閣の中枢にいた存在。責任を負うべき立場だと言える。いずれ監督になる人物だと目していたが、なぜかまだ二軍監督をやっていない。準備途中の幹部候補生という感じだ。
それより何より、事なかれ主義で内向きな人事に対して本能的に嫌気がした。現役時代からずっと球団内にいて、フロントとして使いやすそうという判断ではなかったのか。
現在の低迷の原因を単に「真弓監督の采配」に求めていては進歩がない。なぜ真弓監督と長期契約だったのか。なぜ急遽交代になったのか。それらを生み出したものをもっと大きなものとして捉える必要があると思う。
ファイターズの戦略とは逆で、「大きくなった利益を守ろうとするあまりに企業姿勢が萎縮している」。私にはそう思える。それが事なかれ主義を生み、じり貧を生んでいると思う。
だからフロントに対して喧嘩できる(その手法はともかく)人物が必要だと思っていた。
私にとって「和田監督」はその対極に位置するだけに否定的に見えたのは事実だ。
しかし…なのだ。やっぱりこうして和田さんの顔を見て、その重責に押しつぶされそうになりながら慎重に言葉を選び、それだけではなくて素直に自分の言葉を口にしている様子を見れば、「お前の出番だぜ!」と応援する気持ちでいっぱいになる。打てないバッターばかりズラズラ並ぶオーダーの中で、唯一プロらしい数字を残し続けていた和田選手を応援していた時と同じ気持ちになる。一人の選手としてチームを激変させることはできなかったけれど、監督としてならできるかも知れない。暗黒とは何か、暗黒からの浮上とは何かをずーっと見ていた人だから、フロントに対しても愛を持って戦いを挑める人なのかも知れない。
まずはピリッとした空気を導入できる首脳が絶対に必要だ。そこから先は和田監督の信念が試される。この球団、単なる現場監督では済まない。信念で突き進むしかない。
応援する気持ちに偽りはない。信念のチーム運営を。信念の采配を。
来年優勝しよう。
ファイターズが東海大菅野を指名し、くじも引き当てた話題が野球ファンの間で大いに盛り上がっている。単純に衝撃的な出来事だったというのもあるし、これまでの経緯から来る感情的な意見もあるし、ドラフトの是非論や日本プロ野球のあり方の問題もある。私自身もこの一日で、愉快不愉快、いろんな思いが入り混じったやりとりをあちこちで経験した。
そんな中でつくづく思ったのは「ファイターズのドラフト戦略の巧みさ」だ。通常ドラフト戦略と言えば、いかに必要な戦力を獲得していくかということが目的なのだが、今回ファイターズの戦略はもっとデカい。それは早大ソフトボール部大嶋を7位で指名したことにも表れている。
たとえ、もしこれで菅野が入団に至らなかったとしても、ファイターズはこのドラフトでもっと大きなものを獲得しただろう。プロ野球ビジネスの本質を捉えた巧みさだと思う。
さて一方のタイガースでは和田新監督の発表と、就任会見が行われた。まあみんな知ってたけど(笑)。
そつのない会見。粘り強くて実直、浮ついたところなく内に秘めた闘志、現役時代からよく知っている和田さんらしい受け答えだった。
個人的には今回の人選に反対の立場だった。セクションとしては良い成績ではあるが、攻撃面のチーフとして真弓内閣の中枢にいた存在。責任を負うべき立場だと言える。いずれ監督になる人物だと目していたが、なぜかまだ二軍監督をやっていない。準備途中の幹部候補生という感じだ。
それより何より、事なかれ主義で内向きな人事に対して本能的に嫌気がした。現役時代からずっと球団内にいて、フロントとして使いやすそうという判断ではなかったのか。
現在の低迷の原因を単に「真弓監督の采配」に求めていては進歩がない。なぜ真弓監督と長期契約だったのか。なぜ急遽交代になったのか。それらを生み出したものをもっと大きなものとして捉える必要があると思う。
ファイターズの戦略とは逆で、「大きくなった利益を守ろうとするあまりに企業姿勢が萎縮している」。私にはそう思える。それが事なかれ主義を生み、じり貧を生んでいると思う。
だからフロントに対して喧嘩できる(その手法はともかく)人物が必要だと思っていた。
私にとって「和田監督」はその対極に位置するだけに否定的に見えたのは事実だ。
しかし…なのだ。やっぱりこうして和田さんの顔を見て、その重責に押しつぶされそうになりながら慎重に言葉を選び、それだけではなくて素直に自分の言葉を口にしている様子を見れば、「お前の出番だぜ!」と応援する気持ちでいっぱいになる。打てないバッターばかりズラズラ並ぶオーダーの中で、唯一プロらしい数字を残し続けていた和田選手を応援していた時と同じ気持ちになる。一人の選手としてチームを激変させることはできなかったけれど、監督としてならできるかも知れない。暗黒とは何か、暗黒からの浮上とは何かをずーっと見ていた人だから、フロントに対しても愛を持って戦いを挑める人なのかも知れない。
まずはピリッとした空気を導入できる首脳が絶対に必要だ。そこから先は和田監督の信念が試される。この球団、単なる現場監督では済まない。信念で突き進むしかない。
応援する気持ちに偽りはない。信念のチーム運営を。信念の采配を。
来年優勝しよう。