2012.03.03 Saturday
あ、まず何のことかって言うのを説明しておく。MLBやパ・リーグでは、翌日の両先発投手が誰かって前日に発表する「予告先発」っていう制度があって、セ・リーグでもやった方がいいんじゃないか?と実行委員会で議論になっていたと。報道だと、阪神だけが慎重姿勢を見せて、継続審議になっていたが、阪神も参加に回るようで今季から導入される勢いだとか。
それに対するセ・リーグ球団ファンの反応は、私の印象だと反対&冷ややかが大勢のように思われる。
で、私個人は「本質的なことではないからあんまり意識してなかったけど、言われてみれば導入した方がいいよな、レギュラーシーズンは。ポストシーズンはダメだけど」という意見だ。
私にとっての野球は生活の一部だから、予告先発があるかないかによって何か具体的な行動や習慣として影響があるかと言われればあんまりない。球場に行くかどうかも、自分の都合との兼ね合いだけで、特に先発投手が誰だからというのはない。今現在の野球ファンはみなだいたいそうだろうと思う。先発の予想というのは楽しみの一つではあるかも知れないが、数ある楽しみの中の一つであり、言ったら枝葉の部分にすぎないと思う。
そこらへんファン心理もなかなか微妙なものがあるようで、先発を予想するのが楽しみ!という人も、自分でチームに帯同して情報収集しているワケじゃないから、基本は中何日という単純な計算と、メディアからの情報をあてにしているのだ。
試合当日朝のスポーツ新聞の予想先発欄で、そうか今日はあの投手が先発なんだなと調べる人もいるだろう。まあどっちにしても「教えてもらっている」ようなもんだ。
それでもこれだけ反対の声があがる一番の理由は、「両チームの先発投手を発表します」のアナウンスをドキドキして聞きたいという一点じゃないかと思うのだ。これは本当によくわかる。ほとんど誰だかはわかっているのだけど、当日まで言わないでくれ!ってやつ。
でもね、実は予告先発にもあるんだよね。火曜の試合で「明日の先発投手を発表します」って水曜の試合の投手を発表する。まあ自分が今見ている試合じゃないんだけど、でも球場でそれが発表されて、うわ!それなら明日も見に行きたいと思うケースもあるだろう。リピート客を増やす効果が予告先発にはあるのだ。
予告先発の最大の狙いは、客が呼べる投手の試合を事前に宣伝し、より多くのお客さんに来てもらうことにある。MLBでもパ・リーグでも一定の効果が認められているからこそ続けられている。その現実をしっかり見ることは大事だ。
野球産業にとっては集客増は最大の命題。今現在「野球大好き!」という人にとって予告先発はドキドキ感を減らすものにすぎないが、これから野球ファンになっていくかも知れないが今はまだスーパーライトなお客さんを獲得する手段としても予告先発は有効だ。商品の良さ、確かさを事前に宣伝できるのだからね。
もう一つネガティブな意見として、「そらスターを予告すれば客が入るだろうが、不人気な投手を予告すれば客が減るから意味がない」というのがある。でもこれってどうなのかな…と考えてしまうのだ。
逆の言い方だと、「言っちゃったらお客さんが来なくなってしまうような先発投手で試合をやらなきゃいけなんだから、やめておけ」ってことにならないか。堂々と明日はこれを売ります!買ってください!と言えないような商品を、「明日は明日のお楽しみだよ!さあ何が出るかな?」と、福袋商法で売ってしまえってこと?
脱線するけど、売れる福袋ってのは、どれを買ってもハズレがないってわかっているから売れるのであって、基本的にスカが多いとバレているような福袋は初売りだって売れない。中身を隠すことが福袋の本質なんじゃなくて、「お得」が本質なのだ。
野球界のサービスで言えば、お客を呼べる投手を揃えることが球団がやるべきことなのだ。だから「やらなくていい理由」を排除することは、とても大切だと思うのだ。
ということで考えていくと、得られるものは、連日のリピート客であったり、先発投手個人に焦点を当てたセールスであったり、その個人を目当てにやってくるライトなファンであったり、「商品」の質を向上させなければいけないという球団のモチベーションであったり、すでにある程度実証されている動員増であったり…。
逆に犠牲になるのは「試合当日球場でアナウンスを聞く時のドキドキ感」と「スポーツ新聞を見ながら1週間のローテーションを予想する楽しみ」、それと各チーム年間に多くても数試合程度の「奇襲」、ちょっと入れ替えたりとか偵察メンバー使ったりとか、そんな感じの「駆け引き」くらいか。申し訳ないけど、さっきのものに比べたら私には小さいもんに感じられてしまうのだ。
さて、阪神が慎重姿勢だったのは当然のことだ。基本的に観客動員に苦労をしていない数少ない球団で、それを考えたとしても重要なのは「自チームの優勝に損か得か」だけだからだ。そしてその結果、「得」ということになったらしい(笑)。
またポストシーズンも動員の心配がないから、ありとあらゆる「枝葉の面白さ」を追求しなきゃいけない。クライマックスシリーズ、日本シリーズは予告なしでお願いしたい。
面白かったのが岡田監督。彼は05年の日本シリーズで予告先発をしようと相手のマリーンズ、バレンタイン監督に持ちかけた張本人。駆け引きの面白さがなくなると大ブーイングだったが、攻撃力に自信があったタイガースなので予告先発が優位に働くと踏んだのだろう。結果については言うまい。
そして現在の報道。
「セが予告先発になったら、交流戦も予告先発になるわけやろ?日本シリーズもやん。おもんないわ。反対やな」(デイリー)
おもろいおっさんやで、マジで(笑)。
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それに対するセ・リーグ球団ファンの反応は、私の印象だと反対&冷ややかが大勢のように思われる。
で、私個人は「本質的なことではないからあんまり意識してなかったけど、言われてみれば導入した方がいいよな、レギュラーシーズンは。ポストシーズンはダメだけど」という意見だ。
私にとっての野球は生活の一部だから、予告先発があるかないかによって何か具体的な行動や習慣として影響があるかと言われればあんまりない。球場に行くかどうかも、自分の都合との兼ね合いだけで、特に先発投手が誰だからというのはない。今現在の野球ファンはみなだいたいそうだろうと思う。先発の予想というのは楽しみの一つではあるかも知れないが、数ある楽しみの中の一つであり、言ったら枝葉の部分にすぎないと思う。
そこらへんファン心理もなかなか微妙なものがあるようで、先発を予想するのが楽しみ!という人も、自分でチームに帯同して情報収集しているワケじゃないから、基本は中何日という単純な計算と、メディアからの情報をあてにしているのだ。
試合当日朝のスポーツ新聞の予想先発欄で、そうか今日はあの投手が先発なんだなと調べる人もいるだろう。まあどっちにしても「教えてもらっている」ようなもんだ。
それでもこれだけ反対の声があがる一番の理由は、「両チームの先発投手を発表します」のアナウンスをドキドキして聞きたいという一点じゃないかと思うのだ。これは本当によくわかる。ほとんど誰だかはわかっているのだけど、当日まで言わないでくれ!ってやつ。
でもね、実は予告先発にもあるんだよね。火曜の試合で「明日の先発投手を発表します」って水曜の試合の投手を発表する。まあ自分が今見ている試合じゃないんだけど、でも球場でそれが発表されて、うわ!それなら明日も見に行きたいと思うケースもあるだろう。リピート客を増やす効果が予告先発にはあるのだ。
予告先発の最大の狙いは、客が呼べる投手の試合を事前に宣伝し、より多くのお客さんに来てもらうことにある。MLBでもパ・リーグでも一定の効果が認められているからこそ続けられている。その現実をしっかり見ることは大事だ。
野球産業にとっては集客増は最大の命題。今現在「野球大好き!」という人にとって予告先発はドキドキ感を減らすものにすぎないが、これから野球ファンになっていくかも知れないが今はまだスーパーライトなお客さんを獲得する手段としても予告先発は有効だ。商品の良さ、確かさを事前に宣伝できるのだからね。
もう一つネガティブな意見として、「そらスターを予告すれば客が入るだろうが、不人気な投手を予告すれば客が減るから意味がない」というのがある。でもこれってどうなのかな…と考えてしまうのだ。
逆の言い方だと、「言っちゃったらお客さんが来なくなってしまうような先発投手で試合をやらなきゃいけなんだから、やめておけ」ってことにならないか。堂々と明日はこれを売ります!買ってください!と言えないような商品を、「明日は明日のお楽しみだよ!さあ何が出るかな?」と、福袋商法で売ってしまえってこと?
脱線するけど、売れる福袋ってのは、どれを買ってもハズレがないってわかっているから売れるのであって、基本的にスカが多いとバレているような福袋は初売りだって売れない。中身を隠すことが福袋の本質なんじゃなくて、「お得」が本質なのだ。
野球界のサービスで言えば、お客を呼べる投手を揃えることが球団がやるべきことなのだ。だから「やらなくていい理由」を排除することは、とても大切だと思うのだ。
ということで考えていくと、得られるものは、連日のリピート客であったり、先発投手個人に焦点を当てたセールスであったり、その個人を目当てにやってくるライトなファンであったり、「商品」の質を向上させなければいけないという球団のモチベーションであったり、すでにある程度実証されている動員増であったり…。
逆に犠牲になるのは「試合当日球場でアナウンスを聞く時のドキドキ感」と「スポーツ新聞を見ながら1週間のローテーションを予想する楽しみ」、それと各チーム年間に多くても数試合程度の「奇襲」、ちょっと入れ替えたりとか偵察メンバー使ったりとか、そんな感じの「駆け引き」くらいか。申し訳ないけど、さっきのものに比べたら私には小さいもんに感じられてしまうのだ。
さて、阪神が慎重姿勢だったのは当然のことだ。基本的に観客動員に苦労をしていない数少ない球団で、それを考えたとしても重要なのは「自チームの優勝に損か得か」だけだからだ。そしてその結果、「得」ということになったらしい(笑)。
またポストシーズンも動員の心配がないから、ありとあらゆる「枝葉の面白さ」を追求しなきゃいけない。クライマックスシリーズ、日本シリーズは予告なしでお願いしたい。
面白かったのが岡田監督。彼は05年の日本シリーズで予告先発をしようと相手のマリーンズ、バレンタイン監督に持ちかけた張本人。駆け引きの面白さがなくなると大ブーイングだったが、攻撃力に自信があったタイガースなので予告先発が優位に働くと踏んだのだろう。結果については言うまい。
そして現在の報道。
「セが予告先発になったら、交流戦も予告先発になるわけやろ?日本シリーズもやん。おもんないわ。反対やな」(デイリー)
おもろいおっさんやで、マジで(笑)。
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