2012.09.16 Sunday
能見、すべてが決してしまった後だけど、素晴らしい投球。真っ直ぐでインコースを切り込む時の、あの冷たーい感じが好き(笑)。もう二度とわからんくならんように。ナゴドに続き東京ドームの連敗ストップ、かっこいい!でも遅いわ。
鳥谷、100号おめでとう!でも遅いわ(笑)。いろいろ考えすぎずに、自分の記録のために野球していいんだよ。ホームランボール来い来い、キターーーー!!っていう野球やっていいんだよ。あ、阪神でね。
藤井、ナイスリード。配球も大事だけど、それ以上に投手と打者の気持ちの勝負が肝心という、能見の闘志を引き出していたと思う。
そしてナイスマルチヒット。あのエンドランは最高に気持ちよかった。
大和もナイスマルチ。特に右へのヒットが良かったね。春先は、「流す」という意識で体中が右に流れてしまっていたけれど、今は右足に残ったまま、ギリギリまでよく引きつけて、力をぶつけられている。引っ張り同様に、いい打球が飛ぶようになったのはいいね。イヤらしくなってきたよ。、
新井、久々一発は値千金だった。アニキにぎろっと睨まれて良かったね(笑)。
タイガースもGM制度を導入し、チーム作りとその周辺の報道官は中村氏が務めることになったようで、和田監督は「采配」に専念すれば良くなったらしい。プロ野球の采配とは、「試合中に次々と判断をしていく仕事」なのだが、私は和田監督の采配力が現時点でかなり低いと思っており、その能力を大幅に向上させるようなナンバー2を配置しない限り(その人が事実上の指揮官ということだ)、すぐには改善の見込みがなさそうだと思う。それを大変懸念している。
よく言う話ではあるけど、ものごとには陰陽があり、表裏は一体のもの。
例として2−0でリードした試合の7回表、3点目を取るためにスクイズのサインを出す時で考えてみる。
まず考えることは、その作戦(この場合はスクイズ)は勝算があるか。バレないか、相手投手の力、バントする選手、走者の力を総合的に考えて、成功確率がどれくらいあるかを考える必要がある。失敗にはどんな種類の失敗があるかも考える。ファール、空振り、正面、フライ併殺…。で、その確率を元に選択すべきかどうかを見ていく。
次に、成功して得られるものと失敗して失うものを天秤にかける。どちらかがあまりにも重いようなら、確率を無視すべきということもある。今回の例ではなく、僅差の試合から3点差、4点差と開き、相手ががっくりしてるところでさらにダメ押しのスクイズを仕掛ける場面をよく目にする。アレなんかは、相手の警戒がないから成功確率が高い上に、失敗して失うものも大してないからやりやすいってところなのだろう。
さて接戦のスクイズの場合、成功して得られる最大のものは「どうしても欲しい1点」。他にもリスクの高い作戦を成功させることで、相手をかけひきに負けたというショック状態に追い込める。バントや走者として成功に参画した選手たちは、緊張の場数を一つ踏んで成長がある。
失敗して失うものはどうか。これはたいがい「1点が入らなかった」だけでは済まない。作戦を見抜かれた場合にせよ、こっちの失敗にせよ、相手にとってみれば大ピンチを凌いで、次はこっちの番だというムードをもたらす。こっちはショックでしょげかえり、ヤバイという暗雲に覆われる。
で、陰陽、表裏を考えるということは、さらにそのウラまで考えるべきということだ。
「成功したとして、どんな悪いことがあるか」。作戦が成功したのだから悪いことなどないと考えてしまっては陰陽を見ていないということになる。例えば、そのスクイズのサインを選手たちが「非常に消極的」とか「つまんね」とか「あの選手にスクイズさせるなんて狂ってる」「監督について行けない」などと考えさせてしまうのに十分だったら、たとえその作戦自体が成功しても、同時に「悪いこと」は進行する。
逆に作戦は失敗したけれど、それでも良いことが同時進行するというのもある。バントが上手いと思っている選手がそうでもないとわかるとか、たった1つの戦術選択ミスで、一気に逆転されてしまうことがあると学ぶとか、その対策について考える機会を得たりとか、悔しさを増幅させ復讐の気持ちに変えるとか…まあ、そういう建設的な考え方ができるかどうかによる部分は大きいけれど、失敗にこそ次への原動力があるという考え方は極めて一般的だ。
ということで、くどくど書いてきたけれど、戦略や戦術の選択は、
(1)勝算を見積もる
(2)「勝ち」のメリットと「負け」のデメリットを列挙する
(3)「勝ち」のデメリットと「負け」のメリットも列挙する
(4)勝算に照らし合わせて、選択するかどうかを判断する
これを瞬時に行わなければ行けないのだから、指揮官という職業は、プロとしての適正が問われるのだ。
そこで素速く判断するためにある程度セオリーというようなものが出来てくるのだけど、優秀な指揮官になると、そのセオリーも裏をかく材料として活用したりもする。
私なりに今までいろんな指揮官を見てきたけれど、「手堅い」というのはやはり一つの強さだ。基本は「辛抱」で、それによって少しずつ流れを持ってくる、その一方で簡単には相手に流れをやらない。
「超積極的」というのも一つの強さ。迷ったら「行け」、行ったら「悔やむな」が基本。勢いをつけやすいし、「失敗のメリット」を最大限に生かせる。
上の二つの型をバランス良く配合するという人もいる。それと、もって生まれた才能だけでなく、経験を積んで指揮官としての能力を向上させていく人も当然いる。
逆に弱いのは「辛抱できない」と「超消極的」。今季、和田監督はそのどちらをも見せていたし、今もってまだそこから脱却していくのだという意志を表現できていないように私は思う。
「二日連続で金本はネクストチョロ見せまで」について考えていたら、ここまでのことになってしまった。私の中では、今シーズンの低迷なんかより、この2試合の最後の攻撃の方が、よっぽど「解任動議」に値するように感じたから。
※おっと、追記。ブラゼルがツイッターで退団をにおわせるつぶやき。
https://twitter.com/cbraz67/status/247115536247435264