自称阪神タイガース評論家（跡地）

　藤川が右内転筋の張りのため登板回避だとか。ＭＬＢチャレンジの意志が固いのであれば、もう「ラスト登板」に備えればいいと思う。べつに健康状態を賭してまで勝つべき試合などないのだからね。逆にタイガースはこの日のように、藤川なしで逃げ切る（逃げ切りたい）試合を経験しておくのはいいこと。この日のように、あと一人から追いつかれて、福原の適正はどうなのか、次に同じ局面が来たら、誰を試すのか…来季を展望しながらテストを重ねるべき。クライマックス決定チームはもうプレーオフ期間のためにいろいろ試している。さらに先を試せるのは脱落チームの特権だ。

　来季もこの１，２番で行くのなら、無死二塁、一死二塁で打席に２番大和というケースも増える。上本は二塁打が多いし、出塁後の盗塁も軽く決められる。ここで大和に求められるのは、「少なくとも三塁に走者を進めるという最低限の成果を確保しつつ、自分も生きる、さらに一気に走者を返すという上級の成功を目指す」こと。采配にもよるけれど、当然のようにそんな成果を残してくれる打者にならないとね。投手の攻め方を考えながら、イヤらしさのバリエーションを増やしていかないといけない。もうレベルアップしなきゃいけない時期だ。こと打席については進みが遅いと思う。

　センター荒波の壁が破れず苦戦したが、鳥谷の逆転３点三塁打でようやく突破した。もちろん鳥谷はタイミングを外されながらよく対応したけれど、本当はそこに守っていたくないという守備位置に荒波をいさせた、満塁を作るまでの攻撃もあっての一打。初回３失点でもしっかり粘り強く試合を運び、先発メッセンジャーに勝ち投手の権利をつけてやる攻撃まで持って行けたことは大いに評価していい。ただし金本登場による集中力向上効果という「ドーピング」あっての攻撃だったことも忘れずに。

　３安打２盗塁の上本、この日はナイス。小さい好機をそつなく生かすように。期待させる１，２，３，４番がユニットとしての機能を向上させて、もっと力をつけていかないと点は入らない。いいところまで来ているとは思うが、まだまだ最下位争いのレベルでしかないと自戒しながら、思い切ってやっていって欲しい。