自称阪神タイガース評論家（跡地）

　コンラッド内野手との契約も発表されたようだ（スポニチ）。ブラゼルは一生懸命プレーする大好きな選手だったけれど、ケガの影響もあってだろうがまともに走れなかったのはいかんともしがたい欠点だった。背番号42をつける新外国人には、迫力ある走塁を見せて欲しいと思う。

　ここからは契約更改も本格化していく。この日は倍増した筒井と、背番号を40ではなく68にして欲しいと申し出た俊介が更改したと伝えられている。
　何年か前に更改後の会見で金本が、「○○円です。推定なんてボクはおかしいと思うので」と、言っていたことがあった。この「金額は推定」ってやつ、そろそろやめるべきタイミングだと思う。

　正しいことはわからないので、それこそ私の「推定」だけど、これは「プライバシーの保護」とかそんなことで始まったのではないと思う。選手名鑑に自宅住所や家族の名前まで書かれていたくらい、昔はそんな概念はまったくなかった。憧れのプロ野球選手のお給料は、球団としても大いに出したい情報だったはず。「推定」つまりウソの発表にしたのは、経営側、特に読売の都合が大きい。戦後のインフレ経済の日本で、長嶋、王が公表された金額よりずっと多くもらっていたという話は有名で、他の選手の年俸を抑えるための「戦略」だったという。

　ま、読売に限った話ではないのだけど、野球界は昔からウソばっかりで（笑）、東京ドームは毎試合５万５千人、こないだの優勝パレードは３８万人（おいおい）と「主催者発表」でやりたい放題だった。また今年は現役世代の中にも、契約金や公表されている以外の報酬が存在していたことがリークされたりもした。「金額は推定」もそういう考え方の中にあったものだろうと推定する。

　そんな独自の「ウソも方便」的発展をとげてきた日本プロ野球も、ＭＬＢからの影響を直接的、間接的に受けるようになり、変化してきた。年俸調停があれば、本当の年俸が公開されることになるし、ＦＡのランク分けという制度ができているということは、「推定」じゃない本当の参稼報酬額が本部レベルでは共有されているということだろう。

　プロ野球を楽しむファンも、時に経営者の感覚になって、金の使い方について批評したりするし、それぞれの球団の問題点について語ったりもする。ファンタジーベースボールや各種のゲームでも「年俸」というのは使って楽しいパラメータのはず。

　べつに誰がいくらもらっているかを興味本位で知りたいといのはまったくないが、球団ごとの年俸総額（ペイロール）を比較したり、推移をながめたりすることは、ディープなファンにとっては不可欠なことだと思うし、それをもとにＦＡやドラフトの制度を建設的に議論していくことも楽しいこと。その基礎数字を公表することはファンサービスだと思う。

　金本が「おかしい」と言ったのは、ウソを公表する悪習についてだと思うし、選手が自分のステータスとして数値化できるものを正々堂々とアピールしたいという気持ちもあったのだろう。ＮＰＢが主導して、「金額は推定」をやめにしてもいいタイミングだと思う。