自称阪神タイガース評論家（跡地）

　平野もたいがい戦略ミスをしているけれど、球団の方も福留獲りについてはかなりの戦略ミスをしている模様。大本営発表を鵜呑みにする虎新聞の報道も、「虎の福留秒読み」→「ベイスターズが条件引き上げ」→「ベイスターズはこれから条件提示で本格交渉」と変わってきて、いよいよタイガースはただの当て馬だったっぽくなってきた。近いうちに「断り」または「もっと待って欲しい（まだしばらく当て馬でいてくれ）」という連絡が来て、球団は憤慨、ファンは喜ぶというストーリーになりそうな予感。

　平野が投げられたボールを持ったまま沈黙してるのは、「平野相場」が今、底値だからだろう。１．９億円だった年俸から、現在球団が提示している金額については各紙「推理」がまちまちだ。スポニチは減額制限を大幅に越える半額以下だと報道、サンスポは《両者折り合いがつかない中、宣言後に阪神サイドは条件を上乗せし、水面下で接触。現状維持の近い額まで条件を修正した》とホンマかいな情報を出している。

　明らかに初手を間違った平野だが、こうなってしまった以上は持久戦に持ち込むしかない。福留破談が決まれば「実績があり守備のいい外野手」として平野の値段は多少なりとも上がる。また保留選手名簿に入っているので、来年１月１０日以後は日割りの報酬が発生するとのことなので、球団としては着地点まで歩み寄るか、または自由契約にする（人的補償がなくなれば他球団も動きやすくなるだろう）という「圧力」がかかる。

　いずれにしても条件どん底になっている平野にとって、今何かをするのは得策でない。福留の動向を見定め、最悪のケースをちらつかせていくしかない。ただそれもまた、球団の心証を悪くしてしまうことで、今後この球団でやっていく上で、自らを厳しい状況に追い込んでしまうことになりそうだ。

　残留となればライトのレギュラー候補、または若手育成の補完戦力としてタイガースにとって大きな価値になるが、平野自身のためには早期に自由契約をかちとるのが、もっともハッピーなシナリオなのかもしれない…そんな風に思ってしまう。