2012.12.16 Sunday
若年カテゴリーの試合で、少年が集団で副審に暴行し、結果死なせてしまったという。記事によるとサッカー界では大きな話題になっていたようで、クラブ・ワールドカップで黙祷が捧げられたと言うことだからご存じの方も多いのだろう。
私はといえばそんなことも知らなかったし、オランダという国については、大きな人の多い、性やクスリにゆるい、オモロいけどちょっとコワい国というようなイメージが先行していたのだけれど、先日たまたま出会った読み物で、福祉や雇用について先進的な改革を成功させた国でもあるということを知った。
→素晴らしき、強制労働社会(橘玲の日々刻々)
オランダモデルと呼ばれる改革が功を奏し、若年層を含む失業率が先進国の中で群を抜いて低いというオランダ。だけどFIFAのブラッター会長が言うように、サッカーが社会の縮図なら、オランダ社会のひずみが若いサッカー選手たちの行動に表れたということになる。さてどこに問題があるのか。
それを現地に飛ぶでもなく、座ったままカチカチやって調べようというのも虫が良すぎるとは思うけど、新旧二つのページでもなんとなく感じることはできた。
一つは橘玲氏に参考文献としてあげられていた、「水島治郎『反転する福祉国家―オランダモデルの光と影―』」という著書名でヒットしたこのページ。
hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
オランダの最近の政治史らしい。この記事によって、「きれいごと」だけでは解決しない問題があるという当たり前のことをよく理解できた。
《「全員参加型」福祉社会の背後にある現象を、脱工業化による労働の非物質化、サービス化と考え、そこで求められるコミュニケーション能力、ポスト近代型能力への要求が、包摂と排除を産み出すのだというのです。》
この論旨とサッカー少年の愚考を結びつけることはできないけれど、線になっていきそうな「点」を感じる。
もう一つはもう10年以上も前になる、「ほぼ日」の過去ログから。トム・ホフマンという人はオランダ人の俳優らしい。
【トム・ホフマンインタビュー】その2(オランダは未来か 1999)
大して知りもしないのに、訳知り顔で結論めいたことを語るのは恥ずべきことだけれど、
《オランダでは男女がいろいろな意味で対等で、
サラリーとか権利とかにおいても全部平等です。
それが日本ととても違うような気がします。》
《女性がみんな
ビジネスマンになってしまっているんです。》
《私は今のオランダの若者達の多くは
心が損なわれていると思います。
両親の離婚を経験している者も多いです。
そしてセックスのモラルもとても低い。
みな基本的に寂しくて不幸です。
生活の中にしっかりとした規範が
なくなってしまいました。》
という記述を見て、「サッカー少年が年長の副審を暴行死させる」という事件と、オランダという国が繋がったような気がした。浅はかな知識で、印象だけで語っていることは、重ねてお詫びするけれど。
そんな衆議院選挙投票日の朝。誰に投票するかまだ決めていないというのも、個人的にあまりにも珍しいことだけど、それでもよく考えて今から投票してくる。