自称阪神タイガース評論家（跡地）

歩いて駅まで行くと、６０くらいのおっちゃんがＨＴマークの帽子被っていそいそと歩いていく、私と同年代くらいのお父さんが全身ユニフォームの小さい子の手を引いて先を急いでいる…。今日は特別な日だけれど、普段からそんな人たちがフツーにいる町。なんか落ち着くね（笑）。電車に乗ると、あちこちにパレードっぽい人たち。窓の外を見ると河原のグラウンドで雨にも負けず野球の練習をする少年たち。脈々と野球が生き続けている町なんだなぁ。思わず息子に、「選手たくさん見えると良いな」と話しかけた。

梅田に着いたのは８時過ぎか。「いかにも」の人が増えてきた。駅員さんも拡声器を手に混雑を知らせる。でも思ったより静かだな…。御堂筋線に乗り換えて、本町駅で下車。地上に出てみると…人はほとんど出ていない。拍子抜けしたような表情のボランティア係員さんに「ここ通るところですよね？」「はい、そうです」「じゃ、ここにいたら最前列ですよね」「そうですね、でもお子さんは道路の中に入れますよ、保護者は１人ですけど」「親２人で子供１人なので、こっちで良いです」。

家人のお目当ては下柳と矢野。問題は選手の立つ位置によっては、どっちか一方しか見られない選手がでること。今なら向こう側も最前列が空いている。どうやら向こう側にカメラマン席が設けられているようだ。ボランティアさん曰く、「スター選手はみんなあっちなんちゃうかなー」…どうする？家人「でも動いて、逆だったら悔しさ倍増だからこっちで良い」。なるほど、こっちに乗ってると良いね。

前回は１８年ぶり、今回は２年ぶり。やはりエネルギーの量が絶対的に違うようだ。また、前回は熱狂のシリーズ最終戦での敗退、今回は悪夢の４連敗ということで、意気消沈してしまった人も多いのだろう。選手だってそうだと思う。どんな顔でパレードのフロートの上で手を振れば良いのか…そんな気持ちの選手も多いだろう。でも、それだからこそ、元気いっぱいリーグ優勝を褒め称えたい。ファンはこんなに喜んでいるんだというところを見せたい。この雨だから仕方ないけど、選手が来る時までは沿道いっぱいに幾重にも人垣をつくってくれよと願うような気持ちになった。

雨の中の２時間近い待ち時間は、子供にとっては拷問だろう。選手の背番号あてクイズしようか。１番…鳥谷、正解！、２番…野口、正解！、３番…関本、正解！…でもこんなことしてても１０分と持たないし…「お父さん、もう帰りたい」「じゃ、一人で帰りな」「いつ来るの」「まだまだ」「まだまだっていつ？」みたいな（笑）。辛抱せい。

やっとやっとスタート時刻。場内アナウンスがパレードの出発を告げる。今か今かと身を乗り出して見ても何も見えない。気がつけば沿道は隙間なく埋まり、二重三重の人垣になっていた。ようやくボール型のバルーンで飾られた１号車が遠目に見えてきた。これがなぜだかなかなか近づいてこないんだな。あ、見えた、コーチ陣…。ふと先導する乗用車を見ると、知った顔が手を振っている。9.7の登場人物だ。「牧田社長！おめでとう！」思わず叫んだ。社長とは名ばかりの現場監督、これからますます不安な日々になるだろう。でもあの日、ナゴヤドーム、ベンチで岡田監督を諭して中断を18分にしたのはあなただ。
ちびっ子席がすぐ下なものだから、うつむくような視線が多いな。「和田さん、久保さん、おめでとう！」息子が振り返る「お父さん、うるさいよ」「こういう時は大きな声を出すのが正しいの！」。
１号車後方に今岡、金本、赤星らの姿。前日騒いでヘボヘボのノドで叫び、手を振る。笑ってる。でも時々虚しそうな顔もする。仕方ないよな、札幌行って帰って来て雨の中引きずり回されて。でも元気出してくれよ。みんな本当に感謝してるんだ。こんなに楽しませてくれたシーズンはめったになかった。

２号車、あっ、球児だ！「球児ー！球児ー！」何度も叫び、手を振り続けた。今季唯一球場で観戦した連敗中のハマスタ、今岡の逆転満塁ＨＲのあと、球児が登場しただけで涙がこみ上げてきたのを思い出す。銭の稼げる投手になったな。やったな、球児！福原、良い笑顔だ！今季はうちのブログにも貢献してくれてありがとう！息子「お父さん、お父さん、今、トラッキーもいたね！」あ、そうだった？（笑）

３号車、ああ、ハシケンよくがんばったなぁ、「久保田ー！久保田ー！」頭の中は9.7のあの顔で満たされている。本当によく投げたな、あの試合。「江草ー！」「能見ー！」「豊ー！」顔が見えた選手の名前を片っ端から呼んだ（時間の関係で貢献度の低かった選手は割愛させてもらったがw）。後方には井川の顔が見えた。去って行く間「井川ー！井川ー！」叫び続けた…。


あー行っちゃった。待つのは長いけど、通り過ぎるのはあっという間だなぁ。息子に「選手見えた？」と聞くと「見えた！いっぱい見えた！」「誰いた？」「アニキ、今岡、赤星、球児、久保田…いっぱい！あとトラッキーも！」と目を輝かせていた。よく覚えておけよ、2005年優勝したチームはむちゃくちゃ強かったんだ。一年生の時、大阪までパレードを見に行ったことを大きくなっても自慢するんだぞ！

ふと気づくと、涙目の家人。「見られなかった…」。あ、そういえば…（笑）。ニュースで見たら反対側だったね。

というわけで大満足の大阪遠征を終えて、再びロングドライブ、遠い我が家へ向かったのであった。