自称阪神タイガース評論家（跡地）

「赤松二塁挑戦」のおさらい。ウェスタンで首位打者＆盗塁王を取った赤松は、「一年遅れ西のＳ青木」として期待の星。しかし赤星、金本が固め、濱中、桧山、スペンサー、中村豊、林…と強打者、ベテランがひしめき合うＴの外野陣に、我慢して使ってやる余地はなさそう。一方、本来２番二塁を藤本と関本で決めたかったが、双方期待に応えられず、２番は鳥谷を入れたのが奏功。流れのまま最後まで押し切ったが、飛躍の３年目を迎えるであろう鳥谷を６，７番で打たせるのは既定路線。ユーティリティ的に使ってきた関本も本来の力を殺してまで藤本のライバルとしてあり続ける必然性はない。２番二塁藤本が高レベルで機能することが理想的だが、その対抗馬は必要。で、そんなこんなを絡めると、２番二塁赤松という可能性があったらどんなに良いだろうか…というのが首脳陣の思惑。それは絶対に実現させたいというようなレベルではなく、現時点では願望に近い。

この安芸キャンプでは、自分でやるべき練習内容を申告する時間帯が設けられていて、赤松がそこに「守備、打撃」と書いちゃったのが監督の逆鱗に触れちゃったらしい。お前は二塁守備をみっちりやる時だろと。赤松にしてみれば、一軍定着するためには打撃こそ上げなきゃいけないものだと考えたのだろう。そっちの方が正しいもん（笑）。
運がないと言えば運がない。赤星が００年ドラフト４位で入団した時、最下位チームのスター新庄が抜けた。当時の「小さなビッグマウス君」はその穴は自分が埋めるとほざいて周囲を引かせたが、本当にそうなった。赤松が０４年ドラフト６位で強豪チームに入団した時は外野ポジションはぎゅうぎゅうで二軍で大活躍しても一軍にチャンスなく内野練習をさせられる…。
だが、ここはこの一点にしか自分の生きる道はないと自分を信じ込ませて突破するしかないのだ。二塁のレギュラーを獲れなければ、来季の赤松は、代走７割、外野守備固め３割の控え選手、いや今年同様、半分以上二軍暮らしになるかも知れない。二塁守備に光明が見えれば、今季の関本のように起用される可能性だってある。そうだとすれば、ノックの１本とて決しておろそかにできないはず。岡田監督の雷は、その「本気度の低さ」を見透かされたということだ。才能があってもチャンスを生かさなければ成功はない。

時代が赤松を求めていることだけは間違いない。二塁挑戦が成功しなくても、チャンスは何度もあるだろう。問題は、どれが最後のチャンスなのかということ。それは終わってからでないとわからないのだ。