2005.12.23 Friday
「やっぱりストレートなんだよ」
今年一年、岡田野球のなんたるかを見て、「The Game」を見て、優勝を見て、幸福な最終戦を見て、4連敗にショックを受け、「博士の愛する数式」の映画を観て本を読んで、「牙〜江夏とその時代」を読んで、仰木監督の死とその周辺の記事などを読んで…。
年もいよいよ押し詰まって、ようやく結論が出た。
今年一年、岡田野球のなんたるかを見て、「The Game」を見て、優勝を見て、幸福な最終戦を見て、4連敗にショックを受け、「博士の愛する数式」の映画を観て本を読んで、「牙〜江夏とその時代」を読んで、仰木監督の死とその周辺の記事などを読んで…。
年もいよいよ押し詰まって、ようやく結論が出た。
何の話かというと、4/21東京ドーム、8点差Tリードの7回ウラ二死満塁、打席には500号HRにあと一つと迫った清原。カウント2−3から藤川が投げたフォークボールについてのこと。その翌日、私はなんとも混乱した記事を書いているのだが、だいぶ時間が経ってようやく整理がついた(笑)。
といって、矢野と球児の選択について文句を言っているのではない。あのフォークがあったからこそ、今年のジャイアンツの「分解」が決定的になり、藤川のレベルが格段に上がるきっかけになり、優勝への道筋になっていったのだから。
あの試合の後、藤川は「本当は(最後は)ストレートを投げたかったんですが、そこまでの力がないですから…」と語った。正直な気持ちだと思う。事実その後、自信をつけた藤川と矢野のバッテリーは、直球勝負を楽しむようになって行く。
また、あそこでフォークを投げられる清原という選手、ジャイアンツというチームに問題があると言うことも出来る。
かの昔、阪神と巨人が、村山と長嶋が、江夏と王が、「宿命のライバル」として一騎打ちを繰り広げていた頃と、あの時の状況とではあまりにも違いすぎる。名勝負を生むだけの土壌がなかったということではないか。
数ヶ月後、9/7ナゴヤドーム、9回ウラ一死満塁。マウンドの久保田は、直球を投げ続けた。1球1球に気迫を込めて、いや「殺意」を込めて。本当の勝負をする時、様々な可能性と駆け引きを考えた上で、最後には自分の心と相談して決断をする。選択するボールは、自分のもっとも信頼する、「殺傷能力」の高い球となり、それをわかっている打者とのサシの勝負となる。そんな勝負を見ると、体が熱くなり、涙が出てくる。ああだこうだという理屈など何もなく、直接、脳や神経を刺激する。
岡田監督は、どこかの対談か何かで、もっとわくわくするようなチームを作っていきたいと語っていた。「戦術がない」「打つばっかり」と揶揄される岡田野球だが、確かに自分の理想へのこだわりというものは感じる。それは、自分が少年時代に見ていた、村山や江夏がいたころのタイガースの姿なのだろう。金本や今岡の打席や、JFKの投球にドキドキハラハラする勝負の面白さを感じることができた。昔のタイガースと、仰木監督の采配に影響を受けた岡田監督の中にある、1対1の真剣勝負に対する思い入れの強さを感じる。ドラフトで速球派投手を集めたのも、そんな理由からだろう。
「やっぱりストレートなんだよ」
私の結論。「理想」の勝負の1球は、やっぱりストレートなんだと思う。それを生む土壌さえあれば、生きるか死ぬかの勝負にさえなれば、最高の直球を投げる投手がマウンドにいて、そのライバルが打席に立つことになるのだと思う。
来季は、そんな勝負を何度でも楽しませて欲しいと思う。
といって、矢野と球児の選択について文句を言っているのではない。あのフォークがあったからこそ、今年のジャイアンツの「分解」が決定的になり、藤川のレベルが格段に上がるきっかけになり、優勝への道筋になっていったのだから。
あの試合の後、藤川は「本当は(最後は)ストレートを投げたかったんですが、そこまでの力がないですから…」と語った。正直な気持ちだと思う。事実その後、自信をつけた藤川と矢野のバッテリーは、直球勝負を楽しむようになって行く。
また、あそこでフォークを投げられる清原という選手、ジャイアンツというチームに問題があると言うことも出来る。
かの昔、阪神と巨人が、村山と長嶋が、江夏と王が、「宿命のライバル」として一騎打ちを繰り広げていた頃と、あの時の状況とではあまりにも違いすぎる。名勝負を生むだけの土壌がなかったということではないか。
数ヶ月後、9/7ナゴヤドーム、9回ウラ一死満塁。マウンドの久保田は、直球を投げ続けた。1球1球に気迫を込めて、いや「殺意」を込めて。本当の勝負をする時、様々な可能性と駆け引きを考えた上で、最後には自分の心と相談して決断をする。選択するボールは、自分のもっとも信頼する、「殺傷能力」の高い球となり、それをわかっている打者とのサシの勝負となる。そんな勝負を見ると、体が熱くなり、涙が出てくる。ああだこうだという理屈など何もなく、直接、脳や神経を刺激する。
岡田監督は、どこかの対談か何かで、もっとわくわくするようなチームを作っていきたいと語っていた。「戦術がない」「打つばっかり」と揶揄される岡田野球だが、確かに自分の理想へのこだわりというものは感じる。それは、自分が少年時代に見ていた、村山や江夏がいたころのタイガースの姿なのだろう。金本や今岡の打席や、JFKの投球にドキドキハラハラする勝負の面白さを感じることができた。昔のタイガースと、仰木監督の采配に影響を受けた岡田監督の中にある、1対1の真剣勝負に対する思い入れの強さを感じる。ドラフトで速球派投手を集めたのも、そんな理由からだろう。
「やっぱりストレートなんだよ」
私の結論。「理想」の勝負の1球は、やっぱりストレートなんだと思う。それを生む土壌さえあれば、生きるか死ぬかの勝負にさえなれば、最高の直球を投げる投手がマウンドにいて、そのライバルが打席に立つことになるのだと思う。
来季は、そんな勝負を何度でも楽しませて欲しいと思う。