自称阪神タイガース評論家（跡地）

このタイミングで中林、吉野らが一軍キャンプ参加が決定しているらしい。特に初めての一軍キャンプ合流となる中林は、何か一つでも強く印象付けておきたい。


連覇のためには補強が必要という通説について、「岡田流解釈」をした記事がなかなか面白い。
補強が必要とする論拠は、一度達成したことをもう一度やろうとすると、どうにも気持ちが盛り上がらないという、モチベーションの低下を危惧してのもの。それを避けるため、戦力を大きく入れ替え、競争を激化し、危機感を煽るということだと思う。それに対し岡田監督は、無理に戦力の入れ替えを行わなくても、控え層の底上げがあれば同じ事だという。

投手陣では、ブラウンに代えてオクスプリング、前川に代えて相木という最小限の手。また、リリーバーで実績を上げた江草に先発転向指令を出した。たった３つの「政策」だったが、元々層の厚い投手陣の競争は一気に過熱した。最終的にチャンス待ちの列にずらーっと候補が並ぶことになるのだろうから、実績組も勝ち抜き組もまったく安心できない状況だろう。

打撃陣にいたっては、まったく人的入れ替えをしなかった。ところが故障から復帰の濱中と、成長著しい林が、「補強」の役割を十分に果たしている。ライト争い激化で、もちろんセンター、レフトにも緊張感が生まれる。弾き出される者の実力が認められれば、一塁での起用も考えたい…となり、シーツのテンションも高くなる。万一シーツが極度の不振でポジションを失うようなことがあれば、内野ならどこでもこなすシーツのこと、すべてのポジションで気を抜けない状況になる。

もともと金本、下柳らを筆頭に、向上心の高いベテランが良い模範を示しているチームだけに、選手を信用する施策の方が成功しやすいという土壌がある。「補強」で緊張感をつくりながら、あまりガチャガチャしないことで、主力級にとっては「自分のことをしっかりやろう」という落ち着き、集中の助けになったかも知れない。

ヘソの部分に確実に爆薬をセットするような手際。地味で手数が少ないものの、なかなか効果的な補強。ここまでは連覇に向けての施策は上手く機能しているように見える。