2006.03.21 Tuesday
オープン戦6試合が行われるようだが、CSでの中継は一切無し。まあそれぐらいのことはしても良いと思う。先日の準決勝韓国戦ではS−Eだけフジテレビ739でやってたみたいね。フジテレビめー!(笑)。
今大会の規定、リーグ戦の勝率が同じで、直接対決が相星の時は、「失点率」の低い方が優先されるというルールがあって、日本はほんのわずかにアメリカ、メキシコを凌いだ。これって変なルールだと思ったが、国際野球連盟(IBAF)主催のワールドカップでも採用されている「由緒正しき」ルールなんだね。トーナメントに入ってしまえば関係ないが、いかに失点を抑えるか、いかに一つでも多くのアウトを取るかが重要だったということ。
でも、このルールやっぱりヘンだ。特に今大会はコールドを採用しているので、弱いチーム相手ならコールドにしないで、0点を9回まで続けた方が良いということになる。そういえばあのアメリカ−メキシコの試合、メキシコが準決勝に出るためには延長十何回まで0−0の同点で行かなきゃいけないとかって話だった。これはやっぱり変だな。こういうルールは、見ているものが楽しい試合になるよう誘導すべきものだから、もうちょっとよく考えた方が良いと思う。「1イニングあたりの守備時間が短いチームが優位」なんてのどうかな?
さて、由緒正しくしかも変なルールのIBAFワールドカップ、一番初め(1938年)は参加2カ国。というよりアメリカ対イギリスの対抗戦で始まったんだって。その後はずっと中南米で行われていたんだって。野球の国際大会は、ずっとカリビアンたちのものだったんだね。で、1974年のアメリカ大会からちょっとワールドワイドになって、そして1998年からプロの参加もOKになって、そして2001年から金属バット禁止になって世界選手権から「ワールドカップ」と改称したんだって。
そのIBAFワールドカップで無類の強さを誇って来たのがキューバである。36回の大会で優勝24回だって(笑)。しかも優勝してない大会のうちいくつかは参加していない。彼らは歴史と伝統とプライドに彩られた野球の国の人たちだ。どんな決勝戦になるのだろう。わくわくするったらありゃしない。
(参考資料はこちら)
「最強野球国」に対抗するのは、王貞治監督が率いる日本代表。
子どもの時から、「僕の大好きな田淵」の前に立ちはだかっていた、憎たらしいホームラン王だった。あと少しでタイガースが勝てるという試合を、一発でひっくり返しちゃう悪いヤツ(笑)。右足を上げてピタッと静止。投手のボールは誘われるように、その上げた膝小僧の先に吸い込まれていく…その一瞬、石のように静止していた打者が急に動く…練習方法そのままに、バットではなく日本刀を振り下ろして、ボールをまっぷたつに切り裂く…いや、実際持っているのはバットだから、ボールは割れたりせず、バックスピンしながらライトスタンドにまっしぐら。さっきまで描いていた、勝利のイメージを粉砕した。
長嶋さんは晩年の衰えたところしか生で見ていないが、王さんはずっと現役バリバリだった。ベーブ・ルースやハンク・アーロンの記録を抜いていく時は、いくら憎たらしいジャイアンツの選手といっても、大選手の大記録に興奮した。
王さんは、いつもじっと待っている。1打席の間に必ず1球、打てる球が来ると信じて、じっと待っている。三振して帰って行く時は、いつでも潔い。あれはピッチャーが良かったんだから仕方ない…そんな納得した顔でさばさばと駆け足で帰っていった。
ジャイアンツの監督になっても、王さんは王さんのままだった。人を責めたり、言い訳したりはしない。じっとチャンスを待って、うまくいかなくても、それは相手が素晴らしかったんだと褒め称える。角を出し、鹿取を出し、いつでも形どおりに律儀な野球をする人だった。
決して名監督と呼ばれることのなかった王監督だが、福岡に行っても同じだった。ファンから罵声だけでなく、卵を投げつけられたという話を聞いた時は胸が痛かった。でも王さんはじっと待っていた。必ず来るチャンスを、しっかりやることをやって待っていた。ホークスの黄金期の根本にあるのは、福岡という土地に宿る野球への愛情と、王貞治の意志の力と忍耐力だったと思う。資金を活用できる幸運に恵まれたのは偶然じゃない。
そして日本代表の監督になっても、王監督らしい待つ野球。待ちすぎて危うく見逃し三振になりそうだったが、ギリギリのところでファールに出来た。そして、押し出しの四球を得た。それは、やるべきことをひたむきにやり続けて来たことで、中南米のサムライ・スピリッツを持ったアミーゴたちを動かしたこと。決して偶然だけではない。
そして一昨日、待ちに待った「甘い球」を見逃さずに捉えた。日本刀のようなスイングは、「代打起用」に変わっていたけれど、ホームラン王の切れ味はそのままだった。
憎たらしかったけど、尊敬していた王さん。一世一代のこの勝負、どうか好きなように「待って」、好きなように「振って」来て欲しいと思う。
今大会の規定、リーグ戦の勝率が同じで、直接対決が相星の時は、「失点率」の低い方が優先されるというルールがあって、日本はほんのわずかにアメリカ、メキシコを凌いだ。これって変なルールだと思ったが、国際野球連盟(IBAF)主催のワールドカップでも採用されている「由緒正しき」ルールなんだね。トーナメントに入ってしまえば関係ないが、いかに失点を抑えるか、いかに一つでも多くのアウトを取るかが重要だったということ。
でも、このルールやっぱりヘンだ。特に今大会はコールドを採用しているので、弱いチーム相手ならコールドにしないで、0点を9回まで続けた方が良いということになる。そういえばあのアメリカ−メキシコの試合、メキシコが準決勝に出るためには延長十何回まで0−0の同点で行かなきゃいけないとかって話だった。これはやっぱり変だな。こういうルールは、見ているものが楽しい試合になるよう誘導すべきものだから、もうちょっとよく考えた方が良いと思う。「1イニングあたりの守備時間が短いチームが優位」なんてのどうかな?
さて、由緒正しくしかも変なルールのIBAFワールドカップ、一番初め(1938年)は参加2カ国。というよりアメリカ対イギリスの対抗戦で始まったんだって。その後はずっと中南米で行われていたんだって。野球の国際大会は、ずっとカリビアンたちのものだったんだね。で、1974年のアメリカ大会からちょっとワールドワイドになって、そして1998年からプロの参加もOKになって、そして2001年から金属バット禁止になって世界選手権から「ワールドカップ」と改称したんだって。
そのIBAFワールドカップで無類の強さを誇って来たのがキューバである。36回の大会で優勝24回だって(笑)。しかも優勝してない大会のうちいくつかは参加していない。彼らは歴史と伝統とプライドに彩られた野球の国の人たちだ。どんな決勝戦になるのだろう。わくわくするったらありゃしない。
(参考資料はこちら)
「最強野球国」に対抗するのは、王貞治監督が率いる日本代表。
子どもの時から、「僕の大好きな田淵」の前に立ちはだかっていた、憎たらしいホームラン王だった。あと少しでタイガースが勝てるという試合を、一発でひっくり返しちゃう悪いヤツ(笑)。右足を上げてピタッと静止。投手のボールは誘われるように、その上げた膝小僧の先に吸い込まれていく…その一瞬、石のように静止していた打者が急に動く…練習方法そのままに、バットではなく日本刀を振り下ろして、ボールをまっぷたつに切り裂く…いや、実際持っているのはバットだから、ボールは割れたりせず、バックスピンしながらライトスタンドにまっしぐら。さっきまで描いていた、勝利のイメージを粉砕した。
長嶋さんは晩年の衰えたところしか生で見ていないが、王さんはずっと現役バリバリだった。ベーブ・ルースやハンク・アーロンの記録を抜いていく時は、いくら憎たらしいジャイアンツの選手といっても、大選手の大記録に興奮した。
王さんは、いつもじっと待っている。1打席の間に必ず1球、打てる球が来ると信じて、じっと待っている。三振して帰って行く時は、いつでも潔い。あれはピッチャーが良かったんだから仕方ない…そんな納得した顔でさばさばと駆け足で帰っていった。
ジャイアンツの監督になっても、王さんは王さんのままだった。人を責めたり、言い訳したりはしない。じっとチャンスを待って、うまくいかなくても、それは相手が素晴らしかったんだと褒め称える。角を出し、鹿取を出し、いつでも形どおりに律儀な野球をする人だった。
決して名監督と呼ばれることのなかった王監督だが、福岡に行っても同じだった。ファンから罵声だけでなく、卵を投げつけられたという話を聞いた時は胸が痛かった。でも王さんはじっと待っていた。必ず来るチャンスを、しっかりやることをやって待っていた。ホークスの黄金期の根本にあるのは、福岡という土地に宿る野球への愛情と、王貞治の意志の力と忍耐力だったと思う。資金を活用できる幸運に恵まれたのは偶然じゃない。
そして日本代表の監督になっても、王監督らしい待つ野球。待ちすぎて危うく見逃し三振になりそうだったが、ギリギリのところでファールに出来た。そして、押し出しの四球を得た。それは、やるべきことをひたむきにやり続けて来たことで、中南米のサムライ・スピリッツを持ったアミーゴたちを動かしたこと。決して偶然だけではない。
そして一昨日、待ちに待った「甘い球」を見逃さずに捉えた。日本刀のようなスイングは、「代打起用」に変わっていたけれど、ホームラン王の切れ味はそのままだった。
憎たらしかったけど、尊敬していた王さん。一世一代のこの勝負、どうか好きなように「待って」、好きなように「振って」来て欲しいと思う。