2006.08.31 Thursday
「もう絶対に負けられない」が合言葉のはずのタイガースは、いきなり失点しても、追加点を奪われても、なぜか余裕さえ感じさせる試合運び。地球の自転によって発生する偏西風のように、「タイガースが粘って盛り上げないと面白くない」という野球世論が、強力なエネルギーとなって、両チームに力を加えているかのようだった。落合監督は、そのうねりのようなパワーを恐れたからこそ、初回からスクイズを敢行したり、早めの代打策、継投策に持ち込んだりと動いていったのだろう。
「先に動いちゃいかん。やっちゃいかんことをした」
いつもは本音を言わない落合監督だが、本心だろうと思う。その動きは指揮官の焦りにも見え、選手たちが萎縮していったように思う。
はたして、ドラゴンズを圧倒的優位にしたはずの、必死で取りに行った2点のリードは、見る見る失われ、9回表二死カウント2−1、マウンドに藤川球児、ドラゴンズ絶体絶命。だが、そこで井上の一発が生まれる。
井上一樹、17年目、35歳、選手会長。鉄壁を誇るドラゴンズ外野陣にあっては、準レギュラー、左代打の切り札という存在。状況を考えれば奇跡に近いその同点ホームランを見て、打った球、スイングする時の井上の顔、振り方、弾道、井上を迎えるドラゴンズのベンチ、場内の空気から、去年の中村豊の一発を思い出した。
「ああ…ああ…」打球を追いかける赤星が向き直らないのを見て、声にならない声が出る。もちろん私にとっても辛い一発だったが、井上を賞賛せずにはいられない。モモちゃん(2年前に私が命名した井上の愛称。ただし誰も使ってないw)、あそこで打つなんて、すげえよ。
さて、なにやらこの引き分けで、沈鬱なムードが演出されているようだが、それはどうだろう。沈鬱になるべき時は、これより前にいくらでもあったじゃないか。少なくとも昨夜の試合は、私の希望通り、両チームが気持ちの入った熱い勝負をしたんだから。
序盤の攻撃、代打、守備固めの起用、配球など、「ああしたら勝てたのに」はいくらでもあったし、いくらでも言えるが、言ってもツマンナイので言わない(笑)。ひとつだけ言うとするなら、藤川の直球があと数ミリ、井上のバットの上っ面に当たっていればなぁ…それだけにしとくわ。
下柳、点を取られながらも良く粘った。その投球と表情で、焦らなくても良い、絶対に逆転できるとナインを鼓舞し続けた。
関本、気持ちを結果に繋げた。不細工なヒットでチャンスを作り、金本のライナーで飛び出さず、反撃の1点目のホームを踏む。2点目はバットを折りながらさらに不細工なタイムリー。良いよ。
桧山、同点に繋がる二塁打。しっかりと振れてるじゃないか。
逆転のチャンスを作った金本の三塁打。ファーストストライクからアグレッシブに行く姿勢を後続の打者に与えた。
矢野の逆転打、良く初球から行った。一塁上での咆吼は熱かった。
2点のビハインドを、6,7,8回に1点ずつ返しての逆転。意地、積極性、気合溢れる良い攻撃だった。
もともと結果は気にしなくて良いんよ。大事なのは、その結果を「偶然の産物」と片づけないで、しっかりと結果を受け入れて、生かすこと。辛いことの中に、必ず次に繋がる幸福の種がある。この日もあったよ、それは「球児に頼ってばかりじゃ強くなれないよ」ってこと。
藤川が降りた後の投手陣の頑張り良かった。Dは引き分けでOKだから、ちょっと力弱かったが、流れは完全に失っていた中、みんな良く投げた。久保田の離脱(腰痛で抹消)で、またしても先発から配置転換されながら強い気持ちを見せた安藤、良かった。崩れそうになりながら踏ん張ったウィリアムスは久しぶりにスライダーを有効に使えた。悔しい気持ちをボールに乗せてぶちまけたダーウィン、熱かった。
そして巡ってきたチャンスに淡々と自分の投球をした吉野。12回二死一塁、クローザーと同じ、非常に難しい場面だ。やや当たりがないとはいえ、首位打者福留が相手。一発もあるし、繋がれるだけでも決勝点を失う流れが一気にできあがる。しかし、セ最強打者を相手にして、数日前まで二軍で調整していた吉野がしっかりとした表情で、自分の球筋を信じて、強く腕を振っていたのが嬉しかった。簡単そうに見えて、簡単なことじゃないよ。ナイスピッチング!
そして球児、お疲れさん。全然悪くなかったよ。
もちろん、首脳陣にこそ、なぜ球児がまさかの一発を食らったか、そしてその後の投手の生かし方について、しっかりと分析、考察して欲しいと思う。
さて、今日は福原と川上か。また熱い勝負を見せてくれよ!食らいついていけ!
「先に動いちゃいかん。やっちゃいかんことをした」
いつもは本音を言わない落合監督だが、本心だろうと思う。その動きは指揮官の焦りにも見え、選手たちが萎縮していったように思う。
はたして、ドラゴンズを圧倒的優位にしたはずの、必死で取りに行った2点のリードは、見る見る失われ、9回表二死カウント2−1、マウンドに藤川球児、ドラゴンズ絶体絶命。だが、そこで井上の一発が生まれる。
井上一樹、17年目、35歳、選手会長。鉄壁を誇るドラゴンズ外野陣にあっては、準レギュラー、左代打の切り札という存在。状況を考えれば奇跡に近いその同点ホームランを見て、打った球、スイングする時の井上の顔、振り方、弾道、井上を迎えるドラゴンズのベンチ、場内の空気から、去年の中村豊の一発を思い出した。
「ああ…ああ…」打球を追いかける赤星が向き直らないのを見て、声にならない声が出る。もちろん私にとっても辛い一発だったが、井上を賞賛せずにはいられない。モモちゃん(2年前に私が命名した井上の愛称。ただし誰も使ってないw)、あそこで打つなんて、すげえよ。
さて、なにやらこの引き分けで、沈鬱なムードが演出されているようだが、それはどうだろう。沈鬱になるべき時は、これより前にいくらでもあったじゃないか。少なくとも昨夜の試合は、私の希望通り、両チームが気持ちの入った熱い勝負をしたんだから。
序盤の攻撃、代打、守備固めの起用、配球など、「ああしたら勝てたのに」はいくらでもあったし、いくらでも言えるが、言ってもツマンナイので言わない(笑)。ひとつだけ言うとするなら、藤川の直球があと数ミリ、井上のバットの上っ面に当たっていればなぁ…それだけにしとくわ。
下柳、点を取られながらも良く粘った。その投球と表情で、焦らなくても良い、絶対に逆転できるとナインを鼓舞し続けた。
関本、気持ちを結果に繋げた。不細工なヒットでチャンスを作り、金本のライナーで飛び出さず、反撃の1点目のホームを踏む。2点目はバットを折りながらさらに不細工なタイムリー。良いよ。
桧山、同点に繋がる二塁打。しっかりと振れてるじゃないか。
逆転のチャンスを作った金本の三塁打。ファーストストライクからアグレッシブに行く姿勢を後続の打者に与えた。
矢野の逆転打、良く初球から行った。一塁上での咆吼は熱かった。
2点のビハインドを、6,7,8回に1点ずつ返しての逆転。意地、積極性、気合溢れる良い攻撃だった。
もともと結果は気にしなくて良いんよ。大事なのは、その結果を「偶然の産物」と片づけないで、しっかりと結果を受け入れて、生かすこと。辛いことの中に、必ず次に繋がる幸福の種がある。この日もあったよ、それは「球児に頼ってばかりじゃ強くなれないよ」ってこと。
藤川が降りた後の投手陣の頑張り良かった。Dは引き分けでOKだから、ちょっと力弱かったが、流れは完全に失っていた中、みんな良く投げた。久保田の離脱(腰痛で抹消)で、またしても先発から配置転換されながら強い気持ちを見せた安藤、良かった。崩れそうになりながら踏ん張ったウィリアムスは久しぶりにスライダーを有効に使えた。悔しい気持ちをボールに乗せてぶちまけたダーウィン、熱かった。
そして巡ってきたチャンスに淡々と自分の投球をした吉野。12回二死一塁、クローザーと同じ、非常に難しい場面だ。やや当たりがないとはいえ、首位打者福留が相手。一発もあるし、繋がれるだけでも決勝点を失う流れが一気にできあがる。しかし、セ最強打者を相手にして、数日前まで二軍で調整していた吉野がしっかりとした表情で、自分の球筋を信じて、強く腕を振っていたのが嬉しかった。簡単そうに見えて、簡単なことじゃないよ。ナイスピッチング!
そして球児、お疲れさん。全然悪くなかったよ。
もちろん、首脳陣にこそ、なぜ球児がまさかの一発を食らったか、そしてその後の投手の生かし方について、しっかりと分析、考察して欲しいと思う。
さて、今日は福原と川上か。また熱い勝負を見せてくれよ!食らいついていけ!