2006.12.25 Monday
NPB2の方でも少し意見交換をしたのだが、そのやりとりをまとめる記事。
高校卒業してすぐのプロ入団を禁止にしては?という乱暴なことを想像してみる。まあまあ、そう言わないで、想像だけだから(笑)。
ちょうど今年の高校野球を盛り上げまくった斉藤投手が早大入りし、田中投手がプロ(イーグルス)入りしたこともあって、ああだこうだ言うには良い機会だと思う。
タイガースでも、また他のどのチームでも、「高卒で獲って来た選手が成長してレギュラーになってくれることほど嬉しいことはない」などと言う。私も言う。この言葉の裏にあるのは、「高卒選手よ、大学出や社会人のキャリア組に負けるな」のような、「逆学歴差別」であったり、「高卒で獲った選手はなかなか思うように成長しない」というようなチームの育成能力への疑問であったりするのかなぁ、とも思う。
よく考えると、高卒のプロ選手に「大卒キャリアに負けるな」などと言うのは根本的におかしな話だ。いろいろあっても一般的には、高卒から入る選手の方が、少なくともその時点ではプロからの評価が高い選手が圧倒的に多いのだから、その野球選手という職業に限って言えば、高卒選手の方がよっぽどのエリート。それなのに一般の営業職や事務職などと同じ感覚で見ちゃうから変な「逆差別」になっちゃう(笑)。むしろ「おい大学出の遅咲き、エリートに負けるなよ」の方が正しい判官贔屓のはずなのに(笑)。
「そもそも論」で始めると、現在の日本には「大学ってダメ」という空気がある。遊んでばっかりのムダな時間で意味がない、社会に出ても役に立たない、社会で学ぶこともできる、入試が難関で卒業は楽々じゃダメ…すべてそのとおりで、大学の改革は必要だと思う。一方、最先端の研究は常に社会から必要とされ続けて、その存在意義は一度も揺るいでいない。落語にたとえて言うと、古典軽視・新作重視という傾向かな。それが現代日本の社会的風潮でもあって、普遍的な価値観が軽視され、新しい価値観にどんどん飛び付いていくというのがある。
おっと話戻して、高卒選手をプロがちゃんと育成できているかについては、なかなか検証が難しいことなのでなんとも言えない。印象としては、プロに早く入ったからと言って、それがプロで有利に働くということないんじゃないかなぁって感じ。一部の高卒数年で頭角を表す選手は、すでに高卒の段階であるレベルに達していて、あとから出てくる選手は、肉体的成長にともなって、プロで活躍できる要件(性格的な適性や、精神面の強さなど)が満たされたものだけで、それ以外は淘汰されているように思う。簡単に言ってしまうと、一般的にプロ球団の育成能力って、ひょっとするとあまり高くないんじゃない?ってこと。
自分で選んだ道で、成功を掴めなかったのは自分の責任。厳しい現実に負けず、次の人生で頑張れ!なんていうのは簡単だけど、高校卒業したばかりの少年をドラフト指名して、「夢の達成」と契約金を与えて、商業主義の現実の中に放り込んで、あとは実力主義の名の下に取捨選択して捨ててしまうのではちょっと酷いと思ってしまうのだ。現実的に、元プロ野球選手が問題を起こしたり、悲惨な人生を歩んだりする記事に出くわすと、悲しい気持ちになる。
だからといって「高卒選手をプロに入れるな」というのは論理飛躍があるけれど、現実NFL(米プロフットボール)では高卒はドラフト対象外。日本でも少子化の中、大学の受け入れ体制はたっぷりあるはずだと思うし、今後日本でも重視されるであろう、トレーニング方法、社会とスポーツ、教育とスポーツなど、たとえば勉強嫌いのアスリートでも、「やっておいて損のない」研究テーマはたくさんある。
選手の育成能力についても、最近の大学卒、社会人出の選手たちの安定感は、プロに負けるものだとは思わない。今後、企業スポーツから変質するかも知れないクラブチームともども、大学チームが「育成受け皿」として活用されるべきだと思う。
問題は「1年でも早くプロに入った方が得」「旬の今売った方が得」のような短絡的(ちょっと乱暴)な価値観なんじゃないかな。もちろんトップ選手にとっては、キャリア記録を目指すとか、いろんな意味で早くデビューしたいというのはわかるので、「一律禁止」とするのは非難されるかもしれないが、そんな選手だっていいとこ40歳そこそこで「現役引退」するのがプロ野球、その後の人生を考えたら、3年4年の社会勉強、専門研究を役立てることも意義深いと思う。またそれがあったからプロでも成功のチャンスが広がることもあるだろう。
「高卒禁止」うんぬんとは関係なく、若いプロ野球選手に社会との接点を持たせるような教育プログラムを徹底することも重要で、ここも他のプロスポーツに比してプロ野球が大きく遅れをとっている部分でもある。
ちょうど今年の高校野球を盛り上げまくった斉藤投手が早大入りし、田中投手がプロ(イーグルス)入りしたこともあって、ああだこうだ言うには良い機会だと思う。
タイガースでも、また他のどのチームでも、「高卒で獲って来た選手が成長してレギュラーになってくれることほど嬉しいことはない」などと言う。私も言う。この言葉の裏にあるのは、「高卒選手よ、大学出や社会人のキャリア組に負けるな」のような、「逆学歴差別」であったり、「高卒で獲った選手はなかなか思うように成長しない」というようなチームの育成能力への疑問であったりするのかなぁ、とも思う。
よく考えると、高卒のプロ選手に「大卒キャリアに負けるな」などと言うのは根本的におかしな話だ。いろいろあっても一般的には、高卒から入る選手の方が、少なくともその時点ではプロからの評価が高い選手が圧倒的に多いのだから、その野球選手という職業に限って言えば、高卒選手の方がよっぽどのエリート。それなのに一般の営業職や事務職などと同じ感覚で見ちゃうから変な「逆差別」になっちゃう(笑)。むしろ「おい大学出の遅咲き、エリートに負けるなよ」の方が正しい判官贔屓のはずなのに(笑)。
「そもそも論」で始めると、現在の日本には「大学ってダメ」という空気がある。遊んでばっかりのムダな時間で意味がない、社会に出ても役に立たない、社会で学ぶこともできる、入試が難関で卒業は楽々じゃダメ…すべてそのとおりで、大学の改革は必要だと思う。一方、最先端の研究は常に社会から必要とされ続けて、その存在意義は一度も揺るいでいない。落語にたとえて言うと、古典軽視・新作重視という傾向かな。それが現代日本の社会的風潮でもあって、普遍的な価値観が軽視され、新しい価値観にどんどん飛び付いていくというのがある。
おっと話戻して、高卒選手をプロがちゃんと育成できているかについては、なかなか検証が難しいことなのでなんとも言えない。印象としては、プロに早く入ったからと言って、それがプロで有利に働くということないんじゃないかなぁって感じ。一部の高卒数年で頭角を表す選手は、すでに高卒の段階であるレベルに達していて、あとから出てくる選手は、肉体的成長にともなって、プロで活躍できる要件(性格的な適性や、精神面の強さなど)が満たされたものだけで、それ以外は淘汰されているように思う。簡単に言ってしまうと、一般的にプロ球団の育成能力って、ひょっとするとあまり高くないんじゃない?ってこと。
自分で選んだ道で、成功を掴めなかったのは自分の責任。厳しい現実に負けず、次の人生で頑張れ!なんていうのは簡単だけど、高校卒業したばかりの少年をドラフト指名して、「夢の達成」と契約金を与えて、商業主義の現実の中に放り込んで、あとは実力主義の名の下に取捨選択して捨ててしまうのではちょっと酷いと思ってしまうのだ。現実的に、元プロ野球選手が問題を起こしたり、悲惨な人生を歩んだりする記事に出くわすと、悲しい気持ちになる。
だからといって「高卒選手をプロに入れるな」というのは論理飛躍があるけれど、現実NFL(米プロフットボール)では高卒はドラフト対象外。日本でも少子化の中、大学の受け入れ体制はたっぷりあるはずだと思うし、今後日本でも重視されるであろう、トレーニング方法、社会とスポーツ、教育とスポーツなど、たとえば勉強嫌いのアスリートでも、「やっておいて損のない」研究テーマはたくさんある。
選手の育成能力についても、最近の大学卒、社会人出の選手たちの安定感は、プロに負けるものだとは思わない。今後、企業スポーツから変質するかも知れないクラブチームともども、大学チームが「育成受け皿」として活用されるべきだと思う。
問題は「1年でも早くプロに入った方が得」「旬の今売った方が得」のような短絡的(ちょっと乱暴)な価値観なんじゃないかな。もちろんトップ選手にとっては、キャリア記録を目指すとか、いろんな意味で早くデビューしたいというのはわかるので、「一律禁止」とするのは非難されるかもしれないが、そんな選手だっていいとこ40歳そこそこで「現役引退」するのがプロ野球、その後の人生を考えたら、3年4年の社会勉強、専門研究を役立てることも意義深いと思う。またそれがあったからプロでも成功のチャンスが広がることもあるだろう。
「高卒禁止」うんぬんとは関係なく、若いプロ野球選手に社会との接点を持たせるような教育プログラムを徹底することも重要で、ここも他のプロスポーツに比してプロ野球が大きく遅れをとっている部分でもある。