2007.04.11 Wednesday
5回ウラ5安打を集めた逆転劇だったが、鳥谷ショート左、赤星レフト前、金本ライト前、今岡ショート右、得点に絡んだ4本は、いずれも野手のグラブの先端ギリギリのところでヒットになった打球。しかもたまたまそういうところに飛んだということではなく、いずれもクリーンヒットの打球であるにもかかわらず、守備位置、守備範囲の広さ、際の際まで打球にチャージする執念によって生み出される「ギリギリ」だ。実際のところ、この「ギリギリ守備」によって、走者はスタートが切れず、本来奪ってもおかしくない塁をとれない。
逆に、濱中の捕球体勢が悪いと見るや、浅めのライトファールフライでも躊躇無く二走森野がタッチアップで三塁を取る。山本昌を降ろした後の継投も、目先を変えながら、また今後に生きるような試運転をやって来る。3点差でKJFと繋がれても、追撃への集中を決して切らすことなく丁寧な打席を重ねてくる。
別にビビる必要はないけれど、まあ強いわ、このチームは。
しかしこの試合の大テーマ、「去年の悔しさをぶつけろ!」はやってくれた。序盤でリードされても、大きなチャンスを潰しかけても、良い目をしていたからね。
先発ジャンは、その悔しさを知らないし、ドラゴンズの特徴である、チーム全体で精神的重圧をかけてくるということも知らない。ちょっと間の抜けたところがあって、ポロンポロンと点は失っても、ドミニカーンなテンポでどんどん投げていくので、守備から攻撃へのリズムは作りやすいかも知れない。
そしてこの試合はシーツが素晴らしかった。連打グセのあるジャンの「あ、今ヤバイ」という瞬間にすすっとマウンドに歩み寄って、抜群の間を取った。ジャンの6回2失点の陰にシーツの冷静さありだ。打っても外をしっかり見極めていたし、守っても(難しい打球でエラーとされたのが一つあったが)ファインプレーを連発。試合の基礎を作った。
久保田、良かったねぇ。二死から谷繁にはいつものヤマカン二塁打を打たれたが、代打立浪の最後空振り三振を奪った外角低め146km/h直球は本当に気持ちの入った素晴らしいボールだった。
ウィリアムスはストライクとボールがはっきりする良くないジェフ。ウッズに一発出れば同点という場面を演出してしまった。しかしそこで気合い入ったね。ハッキリ言って最後の直球はど真ん中だったけど、もう気迫で押し込んで一ゴロ併殺に仕留めた。
前回イマイチだった球児、今回は良かった。高めの直球はしっかり浮き上がっていたし、低めに叩いた直球もビュインと伸びて来た。それでもね、森野はスゴイや。今度大事な場面で当たる時、オール直球では行けないね。それにしても李に4球、ノリに4球、森野に3球、谷繁に3球、全部まっすぐで空振り三振3つ。ウッズもオバケだけど、球児も負けてないね(笑)。
5回ウラ、打者一巡。鳥谷ちょっと積極性がダウンしていたけど、昨日は気持ちが乗っていた。凡退した打球も悪くない。三遊間ライナー性で破って一死一塁。
赤星、落ち着いていた。この日一番の仕事は、この打席レフト線へのヒットもさることながら、前の打席で2−1と追い込まれてから2−3までしっかりボールを見極めて、その後直球を3つファールして、最後ちょっと打ち損ねて三飛になっちゃったけど、嫌がらせしたこと。この打席で3回終わって昌の球数50。こういう仕事が5回に生きてくるのだ。赤星シフトにはまりかけたがなんとか落ちて一死一二塁。
シーツ、外の出し入れを読み切っていた。直球、シンカーの誘いにのらず四球、一死満塁。
最高の状況で金本を迎え、場内は「わっしょい」で大ベテラン山本昌を追い込む。力まないことだけを考えたというこの打席。ここのところヒットは出ていても、好機での凡退が目立っていた。本来貧打の責は、6番8番ではなくクリーンアップにある。3球続けたシンカーをライトへライナー性、深く守っていた福留が猛チャージするがわずかに及ばずショートバウンド。2−2同点となって、なお一死満塁。
一度歓喜に弾け飛んだスタンドの熱気がもう一度集中する。今岡に打ってもらいたい。わっしょいのボルテージが上がったように思う。初球はスローカーブがすっぽぬけ。昌にしては珍しい。バットを握り直す今岡、右手の小指から1本ずつ力を加える。去年痛みに苦しめられた右指が思うとおりに動くことを確認するかのようだった。満塁。初球のスローボールが外れたことで、今岡の頭の中はスッキリしている。外角低めの直球でストライクを取ってくる。描く弾道は一二塁間をライナーで破るライト前ヒット。ボールは思ったところよりやや内に来たが素直に反応した。鋭いゴロが投手左を抜けるマウンドで小高く弾む、井端が打球に追いすがる、捕れば併殺、抜ければ2点…抜けた!赤星、シーツ生還、4−2逆転!なお一死一二塁。
濱中、ヒットは出ていないが、センターから右方向に打ち返すことを頭に入れて、良い打球は打っている。1打席目二ゴロ併殺、2打席目セカンド正面へのライナーあわや併殺。ツイていない。ここはもう気楽に、勢いに乗って!投手ラミレスに交代、その2球目外角直球をセンター右へクリーンヒット。これで一気に戻るね。良かった。一死満塁。
矢野。この試合の数多い隠れヒーローの一人。0−2とリードされた4回ウラ、敵失とヒットで得た無死一三塁のチャンスを、今岡三振、濱中凡退で潰しかける。当たっていない関本を控えて、勝負を避けられるかと思ったが、逆に満塁で関本に開き直られるのを恐れたかまともに勝負。ここできっちりとセンター前タイムリーで追撃の1点を取った。これがなければ、さらに相当な苦戦が続いていただろう。甲子園名物「わっしょい地獄」で矢野押し出し四球。5−2、一死満塁。
あとは関本。あかん目が、目が…100m自由形。タイミング合わないチェンジアップを連投され遊ゴロ併殺。チェンジ。頑張れ負けるな健太郎!
野球はみんなでやるもん。一人一人が勝利に執着して、心を熱くして、頭を冷やして、やるべきことに集中すれば、ボールの行き先にも気迫が込められ、ツキが向いてくる。スタンドで声援を送ったファンを含めてみんなで勝ち取った甲子園初戦勝利おめでとう!ナイスゲーム!
逆に、濱中の捕球体勢が悪いと見るや、浅めのライトファールフライでも躊躇無く二走森野がタッチアップで三塁を取る。山本昌を降ろした後の継投も、目先を変えながら、また今後に生きるような試運転をやって来る。3点差でKJFと繋がれても、追撃への集中を決して切らすことなく丁寧な打席を重ねてくる。
別にビビる必要はないけれど、まあ強いわ、このチームは。
しかしこの試合の大テーマ、「去年の悔しさをぶつけろ!」はやってくれた。序盤でリードされても、大きなチャンスを潰しかけても、良い目をしていたからね。
先発ジャンは、その悔しさを知らないし、ドラゴンズの特徴である、チーム全体で精神的重圧をかけてくるということも知らない。ちょっと間の抜けたところがあって、ポロンポロンと点は失っても、ドミニカーンなテンポでどんどん投げていくので、守備から攻撃へのリズムは作りやすいかも知れない。
そしてこの試合はシーツが素晴らしかった。連打グセのあるジャンの「あ、今ヤバイ」という瞬間にすすっとマウンドに歩み寄って、抜群の間を取った。ジャンの6回2失点の陰にシーツの冷静さありだ。打っても外をしっかり見極めていたし、守っても(難しい打球でエラーとされたのが一つあったが)ファインプレーを連発。試合の基礎を作った。
久保田、良かったねぇ。二死から谷繁にはいつものヤマカン二塁打を打たれたが、代打立浪の最後空振り三振を奪った外角低め146km/h直球は本当に気持ちの入った素晴らしいボールだった。
ウィリアムスはストライクとボールがはっきりする良くないジェフ。ウッズに一発出れば同点という場面を演出してしまった。しかしそこで気合い入ったね。ハッキリ言って最後の直球はど真ん中だったけど、もう気迫で押し込んで一ゴロ併殺に仕留めた。
前回イマイチだった球児、今回は良かった。高めの直球はしっかり浮き上がっていたし、低めに叩いた直球もビュインと伸びて来た。それでもね、森野はスゴイや。今度大事な場面で当たる時、オール直球では行けないね。それにしても李に4球、ノリに4球、森野に3球、谷繁に3球、全部まっすぐで空振り三振3つ。ウッズもオバケだけど、球児も負けてないね(笑)。
5回ウラ、打者一巡。鳥谷ちょっと積極性がダウンしていたけど、昨日は気持ちが乗っていた。凡退した打球も悪くない。三遊間ライナー性で破って一死一塁。
赤星、落ち着いていた。この日一番の仕事は、この打席レフト線へのヒットもさることながら、前の打席で2−1と追い込まれてから2−3までしっかりボールを見極めて、その後直球を3つファールして、最後ちょっと打ち損ねて三飛になっちゃったけど、嫌がらせしたこと。この打席で3回終わって昌の球数50。こういう仕事が5回に生きてくるのだ。赤星シフトにはまりかけたがなんとか落ちて一死一二塁。
シーツ、外の出し入れを読み切っていた。直球、シンカーの誘いにのらず四球、一死満塁。
最高の状況で金本を迎え、場内は「わっしょい」で大ベテラン山本昌を追い込む。力まないことだけを考えたというこの打席。ここのところヒットは出ていても、好機での凡退が目立っていた。本来貧打の責は、6番8番ではなくクリーンアップにある。3球続けたシンカーをライトへライナー性、深く守っていた福留が猛チャージするがわずかに及ばずショートバウンド。2−2同点となって、なお一死満塁。
一度歓喜に弾け飛んだスタンドの熱気がもう一度集中する。今岡に打ってもらいたい。わっしょいのボルテージが上がったように思う。初球はスローカーブがすっぽぬけ。昌にしては珍しい。バットを握り直す今岡、右手の小指から1本ずつ力を加える。去年痛みに苦しめられた右指が思うとおりに動くことを確認するかのようだった。満塁。初球のスローボールが外れたことで、今岡の頭の中はスッキリしている。外角低めの直球でストライクを取ってくる。描く弾道は一二塁間をライナーで破るライト前ヒット。ボールは思ったところよりやや内に来たが素直に反応した。鋭いゴロが投手左を抜けるマウンドで小高く弾む、井端が打球に追いすがる、捕れば併殺、抜ければ2点…抜けた!赤星、シーツ生還、4−2逆転!なお一死一二塁。
濱中、ヒットは出ていないが、センターから右方向に打ち返すことを頭に入れて、良い打球は打っている。1打席目二ゴロ併殺、2打席目セカンド正面へのライナーあわや併殺。ツイていない。ここはもう気楽に、勢いに乗って!投手ラミレスに交代、その2球目外角直球をセンター右へクリーンヒット。これで一気に戻るね。良かった。一死満塁。
矢野。この試合の数多い隠れヒーローの一人。0−2とリードされた4回ウラ、敵失とヒットで得た無死一三塁のチャンスを、今岡三振、濱中凡退で潰しかける。当たっていない関本を控えて、勝負を避けられるかと思ったが、逆に満塁で関本に開き直られるのを恐れたかまともに勝負。ここできっちりとセンター前タイムリーで追撃の1点を取った。これがなければ、さらに相当な苦戦が続いていただろう。甲子園名物「わっしょい地獄」で矢野押し出し四球。5−2、一死満塁。
あとは関本。あかん目が、目が…100m自由形。タイミング合わないチェンジアップを連投され遊ゴロ併殺。チェンジ。頑張れ負けるな健太郎!
野球はみんなでやるもん。一人一人が勝利に執着して、心を熱くして、頭を冷やして、やるべきことに集中すれば、ボールの行き先にも気迫が込められ、ツキが向いてくる。スタンドで声援を送ったファンを含めてみんなで勝ち取った甲子園初戦勝利おめでとう!ナイスゲーム!