2007.05.21 Monday
一死から金本が四球、続く今岡は追い込まれてからしっかり粘って、最後は外角のボール球をバットの先ですくい上げる。これが打球が上がった瞬間から、センターとセカンドの間に落ちるとわかる絶妙の当たりだったため、金本は迷いなく三塁に進む。一死一三塁。ベイ先発加藤はここまで丁寧な投球をしてきたが、両足がつるアクシデントで山北に交代。林は、変則左サイドハンダーの逃げるスライダーがやや甘くなる所をきっちり捉え右前へのタイムリーヒット。良い繋がりだった。
しかしその後は、5回から8回まで毎回先頭が出塁し、すべて犠打で二塁に送った(8回は犠打の構えから強行成功)のに点が入らなかった。葛城やシーツまでバントを成功させたのだから、なんとかもう1点取っても良さそうなもんだったけどね。惜しい当たりもあったし、何より6連敗中のベイ投手陣も必死だったと思う。
8回は無死一塁で送りバントの構えをしていた矢野がバスター。叩きつけた打球が前進して来たサードの頭上を越える。無死一二塁となって、投手の代打としてネクストで素振りをしていた桜井が引っ込み、秀太が代打に告げられる。ところがバントできず、追い込まれて見逃し三振。制球が安定しない那須野に対して、1球ごとに変わるサインに対応できなかったように見えた。
ここの判断は本当に難しいところ。思惑通りスコアリングポジションに走者をすすめたのだから、一死一二塁で桜井で勝負に行っても良かった。ただしこの試合1−0のまま試合が進行していたのは、もちろんKJFの実力もあるが、タイガースが毎回走者をバントで進め、大事な1点を取るために「努力」をしていたからとも言える。ただこの「努力」が正しい努力なのかは別のテーマ。バント作戦の実効性に関する数学的・あるいは確率的な議論は非常に奥深いからね。事実この日は「無駄な努力」になってしまった。ただし日本野球精神的議論の上では、バント作戦の実効性はものすごいものがある。「努力したのにダメだった」その時、日本人の精神性は「まだ努力が足りなかったんだ、次頑張ろう」という気持ちになる。これが決定打の出ないダメダメ打線だったのにもかかわらず、まったく相手に流れが行かなかった理由のように思えた。
秀太で送って一死二三塁にしたかった…でもダメだった。それでも勝っちゃった。ただ私の個人的好みから言えば、ここだけはゲッツーOKで代打桜井が見たかった。
もちろん14残塁の拙攻だったのに1−0で決着できたのは、ベイスターズ打線の不調も大きいだろう。もうひとつやっぱり流れが変わらなかったのは、6回まで無失点、奪三振9の快投を見せた中村泰に、今季初先発初勝利をプレゼントしたいというチーム全体の気持ちのつながりだよね。バント攻撃の流れもあるけど、なんといってもこれ。
中継中のレポートによると、ヤスのメンタルについては、ブルペン担当の中西コーチも、マウンドへの往復はのしのし歩け、三振取ったら打者を睨み付けろなどのアドバイスを与えたとか。親からの助言、恩師からの助言もあったって(サンスポ)。おそらくヤスの周辺にはこの手の話がゴマンとあるのだろう。誰もが皆、ヤスのビビリをなんとかしたいと願っていただろうからね。
去年先発で何かを掴みかけたが、層の厚い投手陣の中で、それに割り入るだけのものを出し切れなかった。井川が抜けて先発枠入りのチャンスが膨らんだ今年、実戦で制球難を露呈し、やっぱり「ビビリのヤス」は治ってないと判断される。正直、もう終わりかもしれないと思った。ヤス自身もそうだったんじゃないかなぁ。でもそのどん底が良い方向に働いたのだと思う。二軍戦22回を投げて防御率0.41。中継ぎとして昇格してから、9試合13回を投げ無失点、奪三振18という抜群の成績で先発チャンスを掴む。そしてこの日の快投で、実に10試合19回で無失点、奪三振27だ。
凄い数字であることは間違いないが、まだまだサンプルが少ない。「人は変われる」これを実証するために、もっともっと輝き続けて欲しい。ナイスピッチング!ヤス!
しかしその後は、5回から8回まで毎回先頭が出塁し、すべて犠打で二塁に送った(8回は犠打の構えから強行成功)のに点が入らなかった。葛城やシーツまでバントを成功させたのだから、なんとかもう1点取っても良さそうなもんだったけどね。惜しい当たりもあったし、何より6連敗中のベイ投手陣も必死だったと思う。
8回は無死一塁で送りバントの構えをしていた矢野がバスター。叩きつけた打球が前進して来たサードの頭上を越える。無死一二塁となって、投手の代打としてネクストで素振りをしていた桜井が引っ込み、秀太が代打に告げられる。ところがバントできず、追い込まれて見逃し三振。制球が安定しない那須野に対して、1球ごとに変わるサインに対応できなかったように見えた。
ここの判断は本当に難しいところ。思惑通りスコアリングポジションに走者をすすめたのだから、一死一二塁で桜井で勝負に行っても良かった。ただしこの試合1−0のまま試合が進行していたのは、もちろんKJFの実力もあるが、タイガースが毎回走者をバントで進め、大事な1点を取るために「努力」をしていたからとも言える。ただこの「努力」が正しい努力なのかは別のテーマ。バント作戦の実効性に関する数学的・あるいは確率的な議論は非常に奥深いからね。事実この日は「無駄な努力」になってしまった。ただし日本野球精神的議論の上では、バント作戦の実効性はものすごいものがある。「努力したのにダメだった」その時、日本人の精神性は「まだ努力が足りなかったんだ、次頑張ろう」という気持ちになる。これが決定打の出ないダメダメ打線だったのにもかかわらず、まったく相手に流れが行かなかった理由のように思えた。
秀太で送って一死二三塁にしたかった…でもダメだった。それでも勝っちゃった。ただ私の個人的好みから言えば、ここだけはゲッツーOKで代打桜井が見たかった。
もちろん14残塁の拙攻だったのに1−0で決着できたのは、ベイスターズ打線の不調も大きいだろう。もうひとつやっぱり流れが変わらなかったのは、6回まで無失点、奪三振9の快投を見せた中村泰に、今季初先発初勝利をプレゼントしたいというチーム全体の気持ちのつながりだよね。バント攻撃の流れもあるけど、なんといってもこれ。
中継中のレポートによると、ヤスのメンタルについては、ブルペン担当の中西コーチも、マウンドへの往復はのしのし歩け、三振取ったら打者を睨み付けろなどのアドバイスを与えたとか。親からの助言、恩師からの助言もあったって(サンスポ)。おそらくヤスの周辺にはこの手の話がゴマンとあるのだろう。誰もが皆、ヤスのビビリをなんとかしたいと願っていただろうからね。
去年先発で何かを掴みかけたが、層の厚い投手陣の中で、それに割り入るだけのものを出し切れなかった。井川が抜けて先発枠入りのチャンスが膨らんだ今年、実戦で制球難を露呈し、やっぱり「ビビリのヤス」は治ってないと判断される。正直、もう終わりかもしれないと思った。ヤス自身もそうだったんじゃないかなぁ。でもそのどん底が良い方向に働いたのだと思う。二軍戦22回を投げて防御率0.41。中継ぎとして昇格してから、9試合13回を投げ無失点、奪三振18という抜群の成績で先発チャンスを掴む。そしてこの日の快投で、実に10試合19回で無失点、奪三振27だ。
凄い数字であることは間違いないが、まだまだサンプルが少ない。「人は変われる」これを実証するために、もっともっと輝き続けて欲しい。ナイスピッチング!ヤス!