2007.08.26 Sunday
ウッズ曰く「今季のウチの投手の中で、きょうの小笠原が最高のピッチング」。15三振を奪われる。一方、ボーグルソンも力強い投球で、弱みをみせることがなかったし、久々登板となったJFKで完封リレーを完成させる。息が詰まるような投手戦になったが、基本的にそれ自体がタイガースのペースだとは言える。
あらためてニッカンのテーブルスコアを見てみると、力関係や心理状態が現れているようでそこはかとなく面白い。
前半にチャンスが集中したドラゴンズは、特に3回ウラの攻撃が痛かっただろう。小笠原倒れて一死から、井端が中前ヒット。すかさず二盗を企図するが、これを矢野が「なめるな!」と完璧な送球で刺す。すこしでもぶれていたらセーフだったろう。二死走者なしになってから荒木が中前へ。センター桜井を走らせる打球だったので、もし盗塁成功していれば楽々生還していただろうし、もし井端が盗塁せずに一塁にいれば、スタートをかけてなくても三塁を取っていただろう。「もし」も「れば」もないけれど、この後ノリがエンドラン成功で二死一三塁とするも、ウッズを力で封じ込んで、この回、3安打されながらゼロ。その後のボギーをどんどん乗せていく大きな盗塁刺殺だった。
そのプレー、井端の盗塁死がなぜ飛び出たのかと言えば、「小笠原倒れて一死」という状況があったから。もし「この回の先頭井端が出塁」なら、単独スチールというリスキーな選択肢は取らなかったように思う。
実はその前、2回裏、二死から連打で一二塁のピンチ、打者谷繁という場面があった。ここでのバッテリーの強い気持ちが良かったんだよね。先制のピンチということを考えれば、空いているベースと次打者小笠原まで考えた配球、谷繁を歩かせて小笠原勝負ということまで考えたくなる場面。特に矢野はそういう思考に走りがちな捕手だ。しかしここは、絶対に谷繁を抑え込むという気迫を投手にもしっかり伝えるように、速球2本で追い込み、こういう時にイヤな働きをする谷繁を力で抑え込んだ。この強気が、次の回の井端盗塁死に、あるいはその後のボーグルソンのテンポ良い投球にと、プラスにプラスに回っていった。さらに言うとこじつけのようになるけれど、常に強気のリードで良い成果を出している野口が矢野に影響を与えたような気もする。
ここを境にドラゴンズは4回以後ノーヒットに終わる。ボーグルソンは4,5,6回を三者凡退に取る。JFK出現が近づくにつれ脅威を感じ始め、JFKを出されたらおしまいなのである。
一方のタイガースは4回までノーヒット。5回先頭金本の初ヒットの後、三者三振。7回二死からまたも金本がフェンス直撃二塁打で出ても、林三振でおしまい。8回は先頭桜井右中間オーバー二塁打改めライト英智スーパーキャッチ改め三塁打。いったんは英智がジャンピングキャッチしたかに見えたが、着地の反動でボールをこぼしちゃったんだね。桜井は全力疾走→取られてガッカリ→スピードゆるめて目をそらし→歓声に気付いて→落としたの?→また全力疾走(笑)。さあ、代走に赤星を出して、もうなんでも1点入る構え。しかしなんとこの後も矢野、関本がまさかの連続三振。さらには代打狩野まで三者連続三振。「まさかの」というのは枕詞みたいなもんだから書いたけど、この日の小笠原の投球からして、矢野と関本が三振する確率ってそんなに低くないよね。試合後岡田監督が「工夫がない」って言っていたらしいけど、なかなかオモロイこと言うな、おっさん(笑)。
で、普通はこのウラに点を取られて負けるものだ。だいたい野球のシナリオはそう書かれている。ところがこの試合は、矢野とボーグルソンとJFKの心がけがあまりにもよかったために、当たりのない下位打線を久保田が相手することになっていた。二死からまわった井端を四球で出してしまい、「やっぱりダメですか、まだ足りませんか神様」と思ったが、さっきの刺殺のインパクトは大きかったのか井端はスタートを切らず、まるでそれがわかっていたかのような矢野は、盗塁警戒で直球に絞っている荒木に対しスライダーを続け、遊ゴロに取る。オッケー、この試合負けない。
この8回裏の攻撃、一死で小笠原に打順が回ったが、落合監督は続投を選んだ。流れのあるここで代打が出塁しイバアラと回れば一気に行けそうなものだが、久保田を見て、そんなに上手くはいかないと踏んだのだろう。例え消極的でも、この試合勝つには小笠原をひっぱるだけ引っ張りながら、JFKを崩すしかないと。
9回表、その消極的な空気が伝わったか、単純に疲れたか、またも先頭濱中がヒット。代走藤原を鳥谷がなんとか送って一死二塁。シーツ先っぽ左前ヒットで一死一三塁。あっという間に小笠原は崩れた。もう流れができてしまったので、金本敬遠で、林に岩瀬をぶつけるしかなくなった。手詰まり。
岩瀬もこの展開をどの時点で予想したか。もう行くしかないという手詰まり感の中で、林に飛距離十分のセンター犠飛(これシーツ三塁取れなかったかなぁ、まあ無理するところではないけど)、ついに均衡破れる。さらに赤星中前で二死満塁、矢野もセンター前で決定的な2点目も入る。
藤川がストレートの四球でノリを歩かして、ウッズに詰まらせながらも大きな右飛。ドッキリもここまで。上手い配球をしながら、森野と李を三振に仕留めてゲームセット。まずはノルマ達成の1勝、2年ぶりナゴド勝ち越しの1勝をものにした。苦しいところもあったけど、全体としては気持ちが前に向いているナイスゲームだったと思うよ。
もう8/26、子どもらの夏休みも終わりか。そろそろ良いね。ちょうど良い時期だ。
ここからチームに勢いをつけていくのは、この時期に試合に出られること、この時期にベンチにいられることを幸せに感じている選手たちの仕事だ。プレーだけが仕事じゃないよ。ゲーム中はもちろん、練習中も、ミーティング中も、移動中も、その嬉しいという気持ちを素直に表現して欲しい。爽やかな笑顔、でっかい声、キビキビした動き、気配りと下働き。そういう前向きな行動一つ一つが、良いムードになって、積極的なプレーを引き出して、チームの勢いになって行く。
玉置、上園、桜井、狩野、渡辺、能見、藤原、ダーウィン、野口…。今年は楽しいだろう?最高だろう?この優勝争いの緊張感の中で、自分ら力を必要とされているんだぜ!嬉しいよな、幸せだよな。その嬉しさを目一杯出して行けよ!
さてレギュラーシーズン今季ナゴド最終戦、D先発予定の中田とは今季初対戦。一応去年までは「打てない投手リスト」の上の方にあった投手。
こっちの先発はダーウィン?その場合は、ほころぶ前に江草やら渡辺やらバンバン注ぎ込んで行けよ。そういうスペシャルな試合も見てみたいような気がするけど、個人的には能見&野口で行って欲しいなぁ。
あらためてニッカンのテーブルスコアを見てみると、力関係や心理状態が現れているようでそこはかとなく面白い。
前半にチャンスが集中したドラゴンズは、特に3回ウラの攻撃が痛かっただろう。小笠原倒れて一死から、井端が中前ヒット。すかさず二盗を企図するが、これを矢野が「なめるな!」と完璧な送球で刺す。すこしでもぶれていたらセーフだったろう。二死走者なしになってから荒木が中前へ。センター桜井を走らせる打球だったので、もし盗塁成功していれば楽々生還していただろうし、もし井端が盗塁せずに一塁にいれば、スタートをかけてなくても三塁を取っていただろう。「もし」も「れば」もないけれど、この後ノリがエンドラン成功で二死一三塁とするも、ウッズを力で封じ込んで、この回、3安打されながらゼロ。その後のボギーをどんどん乗せていく大きな盗塁刺殺だった。
そのプレー、井端の盗塁死がなぜ飛び出たのかと言えば、「小笠原倒れて一死」という状況があったから。もし「この回の先頭井端が出塁」なら、単独スチールというリスキーな選択肢は取らなかったように思う。
実はその前、2回裏、二死から連打で一二塁のピンチ、打者谷繁という場面があった。ここでのバッテリーの強い気持ちが良かったんだよね。先制のピンチということを考えれば、空いているベースと次打者小笠原まで考えた配球、谷繁を歩かせて小笠原勝負ということまで考えたくなる場面。特に矢野はそういう思考に走りがちな捕手だ。しかしここは、絶対に谷繁を抑え込むという気迫を投手にもしっかり伝えるように、速球2本で追い込み、こういう時にイヤな働きをする谷繁を力で抑え込んだ。この強気が、次の回の井端盗塁死に、あるいはその後のボーグルソンのテンポ良い投球にと、プラスにプラスに回っていった。さらに言うとこじつけのようになるけれど、常に強気のリードで良い成果を出している野口が矢野に影響を与えたような気もする。
ここを境にドラゴンズは4回以後ノーヒットに終わる。ボーグルソンは4,5,6回を三者凡退に取る。JFK出現が近づくにつれ脅威を感じ始め、JFKを出されたらおしまいなのである。
一方のタイガースは4回までノーヒット。5回先頭金本の初ヒットの後、三者三振。7回二死からまたも金本がフェンス直撃二塁打で出ても、林三振でおしまい。8回は先頭桜井右中間オーバー二塁打改めライト英智スーパーキャッチ改め三塁打。いったんは英智がジャンピングキャッチしたかに見えたが、着地の反動でボールをこぼしちゃったんだね。桜井は全力疾走→取られてガッカリ→スピードゆるめて目をそらし→歓声に気付いて→落としたの?→また全力疾走(笑)。さあ、代走に赤星を出して、もうなんでも1点入る構え。しかしなんとこの後も矢野、関本がまさかの連続三振。さらには代打狩野まで三者連続三振。「まさかの」というのは枕詞みたいなもんだから書いたけど、この日の小笠原の投球からして、矢野と関本が三振する確率ってそんなに低くないよね。試合後岡田監督が「工夫がない」って言っていたらしいけど、なかなかオモロイこと言うな、おっさん(笑)。
で、普通はこのウラに点を取られて負けるものだ。だいたい野球のシナリオはそう書かれている。ところがこの試合は、矢野とボーグルソンとJFKの心がけがあまりにもよかったために、当たりのない下位打線を久保田が相手することになっていた。二死からまわった井端を四球で出してしまい、「やっぱりダメですか、まだ足りませんか神様」と思ったが、さっきの刺殺のインパクトは大きかったのか井端はスタートを切らず、まるでそれがわかっていたかのような矢野は、盗塁警戒で直球に絞っている荒木に対しスライダーを続け、遊ゴロに取る。オッケー、この試合負けない。
この8回裏の攻撃、一死で小笠原に打順が回ったが、落合監督は続投を選んだ。流れのあるここで代打が出塁しイバアラと回れば一気に行けそうなものだが、久保田を見て、そんなに上手くはいかないと踏んだのだろう。例え消極的でも、この試合勝つには小笠原をひっぱるだけ引っ張りながら、JFKを崩すしかないと。
9回表、その消極的な空気が伝わったか、単純に疲れたか、またも先頭濱中がヒット。代走藤原を鳥谷がなんとか送って一死二塁。シーツ先っぽ左前ヒットで一死一三塁。あっという間に小笠原は崩れた。もう流れができてしまったので、金本敬遠で、林に岩瀬をぶつけるしかなくなった。手詰まり。
岩瀬もこの展開をどの時点で予想したか。もう行くしかないという手詰まり感の中で、林に飛距離十分のセンター犠飛(これシーツ三塁取れなかったかなぁ、まあ無理するところではないけど)、ついに均衡破れる。さらに赤星中前で二死満塁、矢野もセンター前で決定的な2点目も入る。
藤川がストレートの四球でノリを歩かして、ウッズに詰まらせながらも大きな右飛。ドッキリもここまで。上手い配球をしながら、森野と李を三振に仕留めてゲームセット。まずはノルマ達成の1勝、2年ぶりナゴド勝ち越しの1勝をものにした。苦しいところもあったけど、全体としては気持ちが前に向いているナイスゲームだったと思うよ。
もう8/26、子どもらの夏休みも終わりか。そろそろ良いね。ちょうど良い時期だ。
ここからチームに勢いをつけていくのは、この時期に試合に出られること、この時期にベンチにいられることを幸せに感じている選手たちの仕事だ。プレーだけが仕事じゃないよ。ゲーム中はもちろん、練習中も、ミーティング中も、移動中も、その嬉しいという気持ちを素直に表現して欲しい。爽やかな笑顔、でっかい声、キビキビした動き、気配りと下働き。そういう前向きな行動一つ一つが、良いムードになって、積極的なプレーを引き出して、チームの勢いになって行く。
玉置、上園、桜井、狩野、渡辺、能見、藤原、ダーウィン、野口…。今年は楽しいだろう?最高だろう?この優勝争いの緊張感の中で、自分ら力を必要とされているんだぜ!嬉しいよな、幸せだよな。その嬉しさを目一杯出して行けよ!
さてレギュラーシーズン今季ナゴド最終戦、D先発予定の中田とは今季初対戦。一応去年までは「打てない投手リスト」の上の方にあった投手。
こっちの先発はダーウィン?その場合は、ほころぶ前に江草やら渡辺やらバンバン注ぎ込んで行けよ。そういうスペシャルな試合も見てみたいような気がするけど、個人的には能見&野口で行って欲しいなぁ。