2007.08.29 Wednesday
早速安藤が登板して2回をカンペキ。初めはおそるおそるコントロールに注意しながら投げている風だったが、そこはもう甲子園という場所がすぐにすべてを思い出させてくれたようで、途中からは「普通に」安藤だった。どの程度の練習を積み上げてきていて、故障の治りがどういう状態なの知らないが、楽しみだね、こりゃ。中で使うも良し、先発もありそうだね。
延長12回、3−3ドロー。ホームでの引き分けは、それだけで負けに等しい。まず始めに「これで負けはなくなった」がやってくる。相手には「勝ちがない」がやってきて、その後で負けを防いで終わるから、「勝利」の握手をしてゲームを締める。「あとは勝つだけ」を逃したこっちは「敗北」の店じまいをして、足取りも重くベンチを出る。
「こんなんやってたらピッチャーが潰れてしまう。情けないの〜」4回〜12回まで9イニングゼロだったのだから、完封負け一つくらったのと一緒、岡田監督の口調も苛つく。
以前同じ状況で、大矢監督がベンチ出口近くに立って、出ていく選手一人一人に声を掛けながら送り出す様子を見たことがある。踏ん張る投手陣を助けたかったという気持ち、悔しい思いは皆同じ。徒労感は、実際に体を使った選手たちの方が大きい。
今は選手をかばってやる時じゃないのか。悪い時でもオーナーが監督をかばってくれたように、「お疲れさん。よう頑張った。明日は必ず勝とう」と一人一人を労ってやる時じゃないのか。最下位カープに勝てなかったというよりも、自分たちの心の中にある動揺に勝てなかったのだから。例え心の中で「情けないの〜」と思っていてもね。
久々に甲子園に戻る。基本的に我が巨大空母に戻れば安心感はある。それは間違いない。だけど甲子園は優しいだけじゃない、時には厳しい母なのだ。このゲームでそれを痛感した。
甲子園の観客は、まるでベテラン選手のように試合の流れを読む。勝手に読んでしまう。「ここでこうなったから、次はこうなるに決まっている」それがタイガースにとって良いことだと、「ほらみろ!そうだ!いけー!おりゃーどんどん!」となって一気に流れを持って来るのだが、逆に出ると、「そんなんしてたらあかんて、ほれみろ、あ〜あ、こら、あ〜あ、何しとんねん、アホー」となって、どんどん選手を萎縮させていく。下位球団相手、勝って当たり前だという考えは捨てて、丁寧に丁寧に試合を運んでいかないといけないね。
1回表、ヒット、バント、エラーで作ってしまった二死一三塁のピンチ、打者栗原は能見の変化球にタイミング合わず、簡単に追い込まれる。ここで高校野球の監督が考えそうな仕掛け。一塁走者スタートして、捕手から二塁に送球する間に三走がスタート。まんまとダブルスチールを許してしまう。矢野から関本への送球が高く、チャージして処理できなかったのもあるが、楽々セーフのあのタイミングだと三走梵はギャンブルスタートをかけている。矢野は三走の動きを視界に入れているように見せていたが、スタートするはずはないとたかをくくっていたのではないか。サインプレーの中ではもっとも原始的なもの。やられて悔しいプレーだった。
先発能見は、まっすぐの走りがイマイチだったことで自信を持てないマウンドだったのだろう。右打者インコース膝元へ曲げ落とすスライダー、懐をつくクロスファイアの制球がともに悪く、外を狙われてしまった。カープ打線は、逃げる相手をつかまえるのは上手い。大股で近寄ってきて、首根っこを掴むように、踏み込んで来ては強く芯でとらえてくる。
まあこの日の調子なら、結果は変わらないかも知れないが、前回結果を出した野口とのコンビの方が能見との相性は良いと思う。
【仮説「バッテリーの相性とはSMである」】
矢野はドS、矢野「こらー、もっと隅っこに集めんか」、投手「ひぃ、このへん…」、矢野「もっと隅っこ!」投手「ひぃ」。
野口はドM、野口「インハイまっすぐ下さい」投手「これか」野口「ひぃ!今度はど真ん中にチェンジアップ」投手「これか」野口「ひぃ」…
みたいな(笑)。失礼。
能見が同点に追いつかれて、こっちの攻撃に勢いなく。ヤバイ雰囲気を安藤が一気に引っ張り込んで、さあ!というところでも援護できず、KJFとカンペキに抑え込んでも点取れず。ついに藤川に2イニング放らせてもサヨナラにできず。読みの良い甲子園のファンが、これは負けるかもと思った時に、渡辺がその心配を払拭する快投を見せた。
藤川の後の11回表。場内の雰囲気だけじゃなく、藤川の後というだけで実際相手は意気上がるし、「藤川よりははるかに打ちやすいボール」に期待が高まる。ところが渡辺は落ち着いていた。ねぇ、今年は押し出しもやったし、いろいろやっているから根性も座って来たよ。大したもんだ。緩急自在にアレックスを追い込んで、最後はインローズバっと決めてぴくりとも動けず。新井、栗原へは、正直渡辺の球というより、矢野の外一辺倒に恐怖を覚えていたが、直球の球筋が素晴らしいこと!150km/hでシューっと音を立てながら(想像)攻めてくる。その残像にビビって内野ゴロ二つ(一つは内野安打)。ラスト前田にはチェンジアップに手を出させず、当てさせず、締めは直球で空振り三振!12回は先頭にヒットを許して江草の助け(助けになっているのかどうか疑問だけどw)を借りたが、とにかく素晴らしいまっすぐを度胸満点に投げ込んだ。もうこれを見ただけで良いじゃない、この試合は。私はそう思ったよ。
※10:06 事実関係をちょっと修正
延長12回、3−3ドロー。ホームでの引き分けは、それだけで負けに等しい。まず始めに「これで負けはなくなった」がやってくる。相手には「勝ちがない」がやってきて、その後で負けを防いで終わるから、「勝利」の握手をしてゲームを締める。「あとは勝つだけ」を逃したこっちは「敗北」の店じまいをして、足取りも重くベンチを出る。
「こんなんやってたらピッチャーが潰れてしまう。情けないの〜」4回〜12回まで9イニングゼロだったのだから、完封負け一つくらったのと一緒、岡田監督の口調も苛つく。
以前同じ状況で、大矢監督がベンチ出口近くに立って、出ていく選手一人一人に声を掛けながら送り出す様子を見たことがある。踏ん張る投手陣を助けたかったという気持ち、悔しい思いは皆同じ。徒労感は、実際に体を使った選手たちの方が大きい。
今は選手をかばってやる時じゃないのか。悪い時でもオーナーが監督をかばってくれたように、「お疲れさん。よう頑張った。明日は必ず勝とう」と一人一人を労ってやる時じゃないのか。最下位カープに勝てなかったというよりも、自分たちの心の中にある動揺に勝てなかったのだから。例え心の中で「情けないの〜」と思っていてもね。
久々に甲子園に戻る。基本的に我が巨大空母に戻れば安心感はある。それは間違いない。だけど甲子園は優しいだけじゃない、時には厳しい母なのだ。このゲームでそれを痛感した。
甲子園の観客は、まるでベテラン選手のように試合の流れを読む。勝手に読んでしまう。「ここでこうなったから、次はこうなるに決まっている」それがタイガースにとって良いことだと、「ほらみろ!そうだ!いけー!おりゃーどんどん!」となって一気に流れを持って来るのだが、逆に出ると、「そんなんしてたらあかんて、ほれみろ、あ〜あ、こら、あ〜あ、何しとんねん、アホー」となって、どんどん選手を萎縮させていく。下位球団相手、勝って当たり前だという考えは捨てて、丁寧に丁寧に試合を運んでいかないといけないね。
1回表、ヒット、バント、エラーで作ってしまった二死一三塁のピンチ、打者栗原は能見の変化球にタイミング合わず、簡単に追い込まれる。ここで高校野球の監督が考えそうな仕掛け。一塁走者スタートして、捕手から二塁に送球する間に三走がスタート。まんまとダブルスチールを許してしまう。矢野から関本への送球が高く、チャージして処理できなかったのもあるが、楽々セーフのあのタイミングだと三走梵はギャンブルスタートをかけている。矢野は三走の動きを視界に入れているように見せていたが、スタートするはずはないとたかをくくっていたのではないか。サインプレーの中ではもっとも原始的なもの。やられて悔しいプレーだった。
先発能見は、まっすぐの走りがイマイチだったことで自信を持てないマウンドだったのだろう。右打者インコース膝元へ曲げ落とすスライダー、懐をつくクロスファイアの制球がともに悪く、外を狙われてしまった。カープ打線は、逃げる相手をつかまえるのは上手い。大股で近寄ってきて、首根っこを掴むように、踏み込んで来ては強く芯でとらえてくる。
まあこの日の調子なら、結果は変わらないかも知れないが、前回結果を出した野口とのコンビの方が能見との相性は良いと思う。
【仮説「バッテリーの相性とはSMである」】
矢野はドS、矢野「こらー、もっと隅っこに集めんか」、投手「ひぃ、このへん…」、矢野「もっと隅っこ!」投手「ひぃ」。
野口はドM、野口「インハイまっすぐ下さい」投手「これか」野口「ひぃ!今度はど真ん中にチェンジアップ」投手「これか」野口「ひぃ」…
みたいな(笑)。失礼。
能見が同点に追いつかれて、こっちの攻撃に勢いなく。ヤバイ雰囲気を安藤が一気に引っ張り込んで、さあ!というところでも援護できず、KJFとカンペキに抑え込んでも点取れず。ついに藤川に2イニング放らせてもサヨナラにできず。読みの良い甲子園のファンが、これは負けるかもと思った時に、渡辺がその心配を払拭する快投を見せた。
藤川の後の11回表。場内の雰囲気だけじゃなく、藤川の後というだけで実際相手は意気上がるし、「藤川よりははるかに打ちやすいボール」に期待が高まる。ところが渡辺は落ち着いていた。ねぇ、今年は押し出しもやったし、いろいろやっているから根性も座って来たよ。大したもんだ。緩急自在にアレックスを追い込んで、最後はインローズバっと決めてぴくりとも動けず。新井、栗原へは、正直渡辺の球というより、矢野の外一辺倒に恐怖を覚えていたが、直球の球筋が素晴らしいこと!150km/hでシューっと音を立てながら(想像)攻めてくる。その残像にビビって内野ゴロ二つ(一つは内野安打)。ラスト前田にはチェンジアップに手を出させず、当てさせず、締めは直球で空振り三振!12回は先頭にヒットを許して江草の助け(助けになっているのかどうか疑問だけどw)を借りたが、とにかく素晴らしいまっすぐを度胸満点に投げ込んだ。もうこれを見ただけで良いじゃない、この試合は。私はそう思ったよ。
※10:06 事実関係をちょっと修正