2008.05.01 Thursday
盤石の勝利も良いけれど、興奮するのはこういう試合。時が経つのを忘れてしまう。
先制点は出塁率と盗塁でリーグトップを走る赤星のスーパーランニングから。1回ウラ、赤星レフト前ポテン、平野の犠打で一死二塁。新井のレフト前クリーンヒットで躊躇無く本塁へ。レフト飯原も好チャージ、好返球!送球の速さ、走者の位置とスピード、長年野球を見てきた人なら、誰しも「アウト」だと思う。ところが赤星は本塁寸前でまるで再加速するように捕手福川のミットの前をヒラリと通過してスライディング。なぜか捕手はタッチすることすらできない。セーフ!1−0、赤星得点、新井打点のタイガース必勝パターンでまず先制。
走ってきてスライディングするということは、トップスピードからゼロまで急減速することを意味する。しかし赤星の本塁突入は、まったくノーブレーキだ。すごいもんだ。
月間MVPに名乗りを上げる5勝目を目指す下柳が先発。ただしこの日は思い通りの球筋が描けず、3回表に3本の長短打を集められてあっさりと逆転を許す。1−2。
しかしそのウラ、一死後平野ボテボテ内野安打、新井カウント2−3からのランエンドヒット、鋭い当たりがショート左へ、宮本ベースカバーの意識から打球への反応が送れて横っ飛びも届かず打球はレフトへ。平野は迷わず三塁へ。三振の多い新井だが、2−3のカウントはしっかり作ってくる。S先発リオスのように、走者によるプレッシャーに弱い投手には、こういうジックリ構えた攻めが有効だ。生まれ変わったタイガースの積極走塁、それを引き出した平野新井のコンビで一死一三塁。
金本は四球を選び、一死満塁で5番葛城。簡単に追い込まれたが、ゲッツー狙いの低めチェンジアップをハードヒット、打球は一二塁間を破る同点タイムリー!2−2。有形無形の高い壁をたたき壊してきた葛城には、「4月の課題」を解決して欲しい。
なおも一死満塁、鳥谷は初球から打ってファール、2球目も強く叩く。打球は高いバウンドの二ゴロ、セカンド田中は猛ダッシュで一塁アウトが精一杯、一点追加で逆転!3−2。ここは、この4月ようやく目覚めた鳥谷の勇猛さを褒めて良いだろう。
ところがところが、シモさんたらあっさりしまくり。苦労して苦労して再逆転したのに、4回表先頭飯原にあっけなくバックスクリーンに運ばれて同点。さらに二死から青木にヒット、盗塁で二死二塁。これ良い球が行けば青木を刺せたんだけどねえ。赤星の盗塁王争いにとっても青木は最大のライバルだから、そういう意味でも矢野は頑張らないとね。
そしてすかさず川島にこの日2本目のタイムリーでまたもや逆転を許し3−4。本当に点の取られ方があっけないんだよなぁ。ただなんとなくそれが良かったのかも知れないけれど。
その後はスワローズのちぐはぐな攻撃にも助けられ、下柳は6回を4失点。球数も111球投げて、次の打順の代打で降板。粘った方だと思う。たまにはこんな日もあるさ。ていうより、今までが出来過ぎだった?(笑)
6回ウラ、Sは2番手五十嵐がマウンドへ。一死から関本がレフト線二塁打。下柳の代打今岡は初球レフトフライ。直球にうまく合わせていったが、打球は大きめのレフトフライ。わずかに球速に押された。二死二塁となって、赤星はセンター前クリーンヒット、ただしセンター青木が「二遊間の少し後ろ」に守っていたため、さすがに関本もストップ、二死一三塁。
ここで平野。五十嵐初球のスピードボールが外れて、2球目からはストライクを置きに行く。それはそうだ、万一平野に粘られて四球でも出せば、満塁で新井、金本となってしまう。
平野は今自分がすべきことを良く考える打者。それがいつでも確実にできるかどうかは別として、何が必要かはわかる選手だ。二死一三塁、一走赤星は走らないで、ファーストをベースに張り付けて一二塁間を開けておいてくれる。そうここは走者のことは何も考えずに、甘いボールを自分のスイングで打つだけだ。3球目ど真ん中。フルスイング。平野本来のスイングはパワフルだ。下半身のバネを効かせ、その粘り強い動力でボールをバットに乗せて大きなフォローでダイナミックに運ぶ。打球は強い浜風に逆らって前進守備のライトの頭上を遙かに超え、フェンスに達する。二者生還、自らも三塁へ!逆転、5−4!大甲子園が小さい平野を讃える。
これでシモさんの5勝目が見えた。7回表は渡辺がピシャッと3人切り。7回ウラは左が続くところでS左腕佐藤をぶつけられ、一死から葛城四球(左でもいけると思うよ)、鳥谷にバントまでさせたが無得点。
でも8回表に出てきた久保田が不運な打球のヒットを足掛かりに1点を失ってしまう。終盤に来て5−5同点。乱戦模様も、もうこれで大丈夫と思いかけたら、ねえ。でもまあこんなもんかな。
後で下柳に謝るんだろうなぁ、こういう時は。心の中では「おいヒゲ、あんなピッチングで勝ち投手だなんて甘いぞ。オレが許さん」と思っている…いやそんなことはないね(笑)。
8回ウラ、Sはイキの良い松岡。代打桧山にヒットは出たが期待の赤星、平野が倒れて無得点。
9回表は藤川登場。同点の9回以降、ホームチームは良い投手から切っていくのがセオリーではある。そしてセオリーなんていう言葉を越えるような、素晴らしい投球で相手の主軸、ガイエル、リグスを連続三振、イヤな宮本を投ゴロに抑えてくれちゃうと、もうこれでサヨナラの予感がぷんぷんして来る。
9回ウラ、先頭は新井。新井もまあこのチームにやってきて、金本の前の3番を任されて、ずいぶんと気苦労もあるだろう。だけど右方向に食らいつく打撃、カウントを整えて、ファールで粘って四球を奪う打撃、カープ時代よりずっとイヤな打者になっていると思う。多いと言われる三振だって、三振して良いところでしている印象だから、まったく気にならない。ここは出塁が求められるけれど、もっと欲しいのは長打。行っていいよ。
カウント1−2、狙う場面、外低め素晴らしい所にフォークを落とされた、ファール。凡打にならなくて良かった。2−2、バッテリーはもう1球フォーク、今度は真ん中低めボールにして三振を取りたい。しかしそのボールは意図したように行かず、ど真ん中へ。軌道インプット済みの新井は、ジャストミート!打球は左中間へ、レフトセンターともフェンス際まで追う、見送る、入ったー!サヨナラ!
全力疾走で二塁に達しようかという新井がダグアウトを振り返りながら大ジャンプ!喜びを爆発させる。三塁を踏んで和田コーチとタッチ、ヘルメットを投げ捨てて、皆が待つホームベースにぴょんと飛び乗る。ボコボコボコボ…(笑)。こらこら蹴るな、たいがいにしとけ(笑)。
2−2からの甘いフォーク。この時、新井は本来のスラッガーだった。なんの遠慮もなんの気配りもない、カープの4番を張り、ジャパンの4番を打った新井貴浩のフルスイング。やっとそういう新井を見せてくれたね。今季チーム甲子園1号、劇的なサヨナラホームラン。いやあ、ホント面白かった!
先制点は出塁率と盗塁でリーグトップを走る赤星のスーパーランニングから。1回ウラ、赤星レフト前ポテン、平野の犠打で一死二塁。新井のレフト前クリーンヒットで躊躇無く本塁へ。レフト飯原も好チャージ、好返球!送球の速さ、走者の位置とスピード、長年野球を見てきた人なら、誰しも「アウト」だと思う。ところが赤星は本塁寸前でまるで再加速するように捕手福川のミットの前をヒラリと通過してスライディング。なぜか捕手はタッチすることすらできない。セーフ!1−0、赤星得点、新井打点のタイガース必勝パターンでまず先制。
走ってきてスライディングするということは、トップスピードからゼロまで急減速することを意味する。しかし赤星の本塁突入は、まったくノーブレーキだ。すごいもんだ。
月間MVPに名乗りを上げる5勝目を目指す下柳が先発。ただしこの日は思い通りの球筋が描けず、3回表に3本の長短打を集められてあっさりと逆転を許す。1−2。
しかしそのウラ、一死後平野ボテボテ内野安打、新井カウント2−3からのランエンドヒット、鋭い当たりがショート左へ、宮本ベースカバーの意識から打球への反応が送れて横っ飛びも届かず打球はレフトへ。平野は迷わず三塁へ。三振の多い新井だが、2−3のカウントはしっかり作ってくる。S先発リオスのように、走者によるプレッシャーに弱い投手には、こういうジックリ構えた攻めが有効だ。生まれ変わったタイガースの積極走塁、それを引き出した平野新井のコンビで一死一三塁。
金本は四球を選び、一死満塁で5番葛城。簡単に追い込まれたが、ゲッツー狙いの低めチェンジアップをハードヒット、打球は一二塁間を破る同点タイムリー!2−2。有形無形の高い壁をたたき壊してきた葛城には、「4月の課題」を解決して欲しい。
なおも一死満塁、鳥谷は初球から打ってファール、2球目も強く叩く。打球は高いバウンドの二ゴロ、セカンド田中は猛ダッシュで一塁アウトが精一杯、一点追加で逆転!3−2。ここは、この4月ようやく目覚めた鳥谷の勇猛さを褒めて良いだろう。
ところがところが、シモさんたらあっさりしまくり。苦労して苦労して再逆転したのに、4回表先頭飯原にあっけなくバックスクリーンに運ばれて同点。さらに二死から青木にヒット、盗塁で二死二塁。これ良い球が行けば青木を刺せたんだけどねえ。赤星の盗塁王争いにとっても青木は最大のライバルだから、そういう意味でも矢野は頑張らないとね。
そしてすかさず川島にこの日2本目のタイムリーでまたもや逆転を許し3−4。本当に点の取られ方があっけないんだよなぁ。ただなんとなくそれが良かったのかも知れないけれど。
その後はスワローズのちぐはぐな攻撃にも助けられ、下柳は6回を4失点。球数も111球投げて、次の打順の代打で降板。粘った方だと思う。たまにはこんな日もあるさ。ていうより、今までが出来過ぎだった?(笑)
6回ウラ、Sは2番手五十嵐がマウンドへ。一死から関本がレフト線二塁打。下柳の代打今岡は初球レフトフライ。直球にうまく合わせていったが、打球は大きめのレフトフライ。わずかに球速に押された。二死二塁となって、赤星はセンター前クリーンヒット、ただしセンター青木が「二遊間の少し後ろ」に守っていたため、さすがに関本もストップ、二死一三塁。
ここで平野。五十嵐初球のスピードボールが外れて、2球目からはストライクを置きに行く。それはそうだ、万一平野に粘られて四球でも出せば、満塁で新井、金本となってしまう。
平野は今自分がすべきことを良く考える打者。それがいつでも確実にできるかどうかは別として、何が必要かはわかる選手だ。二死一三塁、一走赤星は走らないで、ファーストをベースに張り付けて一二塁間を開けておいてくれる。そうここは走者のことは何も考えずに、甘いボールを自分のスイングで打つだけだ。3球目ど真ん中。フルスイング。平野本来のスイングはパワフルだ。下半身のバネを効かせ、その粘り強い動力でボールをバットに乗せて大きなフォローでダイナミックに運ぶ。打球は強い浜風に逆らって前進守備のライトの頭上を遙かに超え、フェンスに達する。二者生還、自らも三塁へ!逆転、5−4!大甲子園が小さい平野を讃える。
これでシモさんの5勝目が見えた。7回表は渡辺がピシャッと3人切り。7回ウラは左が続くところでS左腕佐藤をぶつけられ、一死から葛城四球(左でもいけると思うよ)、鳥谷にバントまでさせたが無得点。
でも8回表に出てきた久保田が不運な打球のヒットを足掛かりに1点を失ってしまう。終盤に来て5−5同点。乱戦模様も、もうこれで大丈夫と思いかけたら、ねえ。でもまあこんなもんかな。
後で下柳に謝るんだろうなぁ、こういう時は。心の中では「おいヒゲ、あんなピッチングで勝ち投手だなんて甘いぞ。オレが許さん」と思っている…いやそんなことはないね(笑)。
8回ウラ、Sはイキの良い松岡。代打桧山にヒットは出たが期待の赤星、平野が倒れて無得点。
9回表は藤川登場。同点の9回以降、ホームチームは良い投手から切っていくのがセオリーではある。そしてセオリーなんていう言葉を越えるような、素晴らしい投球で相手の主軸、ガイエル、リグスを連続三振、イヤな宮本を投ゴロに抑えてくれちゃうと、もうこれでサヨナラの予感がぷんぷんして来る。
9回ウラ、先頭は新井。新井もまあこのチームにやってきて、金本の前の3番を任されて、ずいぶんと気苦労もあるだろう。だけど右方向に食らいつく打撃、カウントを整えて、ファールで粘って四球を奪う打撃、カープ時代よりずっとイヤな打者になっていると思う。多いと言われる三振だって、三振して良いところでしている印象だから、まったく気にならない。ここは出塁が求められるけれど、もっと欲しいのは長打。行っていいよ。
カウント1−2、狙う場面、外低め素晴らしい所にフォークを落とされた、ファール。凡打にならなくて良かった。2−2、バッテリーはもう1球フォーク、今度は真ん中低めボールにして三振を取りたい。しかしそのボールは意図したように行かず、ど真ん中へ。軌道インプット済みの新井は、ジャストミート!打球は左中間へ、レフトセンターともフェンス際まで追う、見送る、入ったー!サヨナラ!
全力疾走で二塁に達しようかという新井がダグアウトを振り返りながら大ジャンプ!喜びを爆発させる。三塁を踏んで和田コーチとタッチ、ヘルメットを投げ捨てて、皆が待つホームベースにぴょんと飛び乗る。ボコボコボコボ…(笑)。こらこら蹴るな、たいがいにしとけ(笑)。
2−2からの甘いフォーク。この時、新井は本来のスラッガーだった。なんの遠慮もなんの気配りもない、カープの4番を張り、ジャパンの4番を打った新井貴浩のフルスイング。やっとそういう新井を見せてくれたね。今季チーム甲子園1号、劇的なサヨナラホームラン。いやあ、ホント面白かった!