2008.05.17 Saturday
ドラゴンズだけ最下位ベイスターズと接戦で、ほうほうなんて余裕カマしてたんだけど、結果を見ればなんのこたあない大差勝ち。一番点差がないのはウチんとこだった(笑)。
先発は安藤。なんでも今季まだ甲子園で2戦2敗と勝ちがない。こちらも相当な意識があっただろう。
スワローズの先発は村中。今季勝ったり負けたりではあるが、きっちりと6〜7回を1〜2点でまとめて試合を作っている。しなやかな直球が武器の左腕だ。ウチも前回やられたという意識でチーム全体にピリピリしていた。二度続けてやられると苦手になるし、二度目で打てれば良く対策したということになる。この差は天と地。
オーダーは2番二塁関本、5番ライト上げたばかりの桜井、8番三塁バルディリスと右を並べた。単に右を並べただけでなく、「強化ポイント」のポジションと打順に競争の刺激を与えるオーダーだったと思う。
それにしても気になるのは、大事な大事な金本の後の5番を軽く見過ぎている点である。二軍戦でもさして好調と言えなかった桜井を思い切って使うのは良い。しかしいきなり5番というのはやりすぎだろう。そこまでして「6番鳥谷」を不可侵にする理由はなんだろうと考えてみたが、「それで勝っているから」以外の良い理由が見つからない。だけどその理由はとても強い。5番の強さで4番勝負を誘発することより、4番の強さで3番勝負を誘発する方が得策であること。赤星1番の優位性を活用するためには3番最強が得策であること。ビッグイニングの底をさらう6番鳥谷が得策であること。実体から見ればそういうところか。
さて試合の方は、初回赤星四球、関本犠打、新井ライト線上(粉が舞った)に落とすタイムリー二塁打でタイガース先制。金本の左前ヒットで繋いで残ったチャンスは桜井、鳥谷で潰す。桜井の第1打席は投ゴロ、まあまあ捉えてはいたが、一二塁間を破るような狙いのある打撃、あるいはレフトオーバーしか考えていないというスイング、どちらかが見たかったな。センター返しは基本ではあるけれど、今桜井に求められているのは中途半端なことではないんだから。
2回も先頭矢野が遊内野安打で出たが得点にならず。チャンス積み残しで、流れはスワローズに行きかねないところだったと思う。
3回表スワローズ、先頭武内ヒット、福川は良い当たりだったが左飛。一死一塁、打者は投手の村中。当然の送りバントは上手く殺したが距離が少し足りない。捕手矢野が機敏に飛び出して弾むところを素手で掴み二塁へ送球、フォースアウト!スワローズの上位、川島、福地、田中はなかなかタフな相手だから、ここでキチッと芽を摘んだのは大きかった。その後、安藤はインサイドをズバズバつけるようになったので、このプレーで勢いがついたのだと思う。
良い流れの中で3回ウラ、一死から新井四球、金本がライト線を破る二塁打で一死二三塁。桜井は力負け、押し込まれた二飛で二死。「打てば勝ち、打てなきゃ負け」それくらい重要なこの場面で鳥谷は右中間を破る三塁打を打った。
ところでこういう場面でのスワローズの外野守備隊形が極端に浅いのが目についた。このへんが今季、昨年最下位でさらにラミレス、グライシンガー、石井一が抜けてしまったスワローズがそこそこ健闘している秘密だろう。外野手の脚力、そして勝負を見る目。ここは二死だからポテンでも2点入ってしまう。逆に頭を越されれば二塁打も三塁打も同じ。長打を防ぐのはバッテリーの仕事、点をやらないのは野手の仕事というワケだ。
鳥谷は第一打席、捉えたかに思えたが微妙に差し込まれてセンターフライに倒れていた。この打席はそれを踏まえて直球に合わせた。外高め143km/hまっすぐ、高めを打つ時の鳥谷は、インパクト時左肩のパワーがボールに乗る。どちらかといえば「柔」というイメージだが、この瞬間の鳥谷は「剛」を感じる。また最近は左腕回りの力だけじゃなく、右手首の返しの強さも加わって、ヘッドが良く走るようになっていると思う。打球は浜風ものともせず前進守備の右中間をあっというまに越えて抜けていた。3−0として試合はタイガースが完全に掌握した。
さらに4回はバルディリス中越二塁打、安藤バントできずバスター中前ヒット、赤星前進守備左寄りのショート宮本の右を狙った技ありタイムリーヒット、関本サードほぼ正面ながら強いライナーで抜いた左前ヒット、新井またしても前進隊形の右中間を破る3点三塁打、見事な5連打であっという間の4点強奪で7−0。村中をKOした。
6回は赤星センター前、関本が広く空いた一二塁間を破って、金本が不思議な三塁線を破るタイムリー二塁打、8−0。いちいち走者を残すのがアレだったけど、意図のある打撃が多いことが簡単に点が入るポイントだったろう。
さてと、安藤。全体としてそんなに良かったわけじゃないと思う。指のかかった直球が低めに決まりまくって、スピード豊かなスライダーをすみっこいっぱいに入れたり出したり自由自在にあやつるそんな安藤のベストピッチとは程遠かった。それでも援護点に助けられながら、フォークを多投し、インサイドで脅し、なんとか粘り強く投げていた。
8回、9回で2点、3点と返されたことは確かに良くないことだ。だけど良くないことの中にも、必ず良いことが含まれている。快勝を辛勝にしてしまったが、それだけチームには厳しさも生まれる。スワローズの粘り強さ、爆発力も再認識できただろう。
報道によれば、勝利の後、安藤は一つも嬉しそうな顔をせず、「最悪です」とこぼしたという。北陸遠征できつい移動をしてきたチームのみんな、ブルペンのみんなに楽をさせてやりたい。その一心で、継投を進言した首脳陣に、最後まで行かせて欲しいと頼んだ。結果は思い通りにならなかったが、首脳陣もその気持ちは嬉しかっただろう。
先発は安藤。なんでも今季まだ甲子園で2戦2敗と勝ちがない。こちらも相当な意識があっただろう。
スワローズの先発は村中。今季勝ったり負けたりではあるが、きっちりと6〜7回を1〜2点でまとめて試合を作っている。しなやかな直球が武器の左腕だ。ウチも前回やられたという意識でチーム全体にピリピリしていた。二度続けてやられると苦手になるし、二度目で打てれば良く対策したということになる。この差は天と地。
オーダーは2番二塁関本、5番ライト上げたばかりの桜井、8番三塁バルディリスと右を並べた。単に右を並べただけでなく、「強化ポイント」のポジションと打順に競争の刺激を与えるオーダーだったと思う。
それにしても気になるのは、大事な大事な金本の後の5番を軽く見過ぎている点である。二軍戦でもさして好調と言えなかった桜井を思い切って使うのは良い。しかしいきなり5番というのはやりすぎだろう。そこまでして「6番鳥谷」を不可侵にする理由はなんだろうと考えてみたが、「それで勝っているから」以外の良い理由が見つからない。だけどその理由はとても強い。5番の強さで4番勝負を誘発することより、4番の強さで3番勝負を誘発する方が得策であること。赤星1番の優位性を活用するためには3番最強が得策であること。ビッグイニングの底をさらう6番鳥谷が得策であること。実体から見ればそういうところか。
さて試合の方は、初回赤星四球、関本犠打、新井ライト線上(粉が舞った)に落とすタイムリー二塁打でタイガース先制。金本の左前ヒットで繋いで残ったチャンスは桜井、鳥谷で潰す。桜井の第1打席は投ゴロ、まあまあ捉えてはいたが、一二塁間を破るような狙いのある打撃、あるいはレフトオーバーしか考えていないというスイング、どちらかが見たかったな。センター返しは基本ではあるけれど、今桜井に求められているのは中途半端なことではないんだから。
2回も先頭矢野が遊内野安打で出たが得点にならず。チャンス積み残しで、流れはスワローズに行きかねないところだったと思う。
3回表スワローズ、先頭武内ヒット、福川は良い当たりだったが左飛。一死一塁、打者は投手の村中。当然の送りバントは上手く殺したが距離が少し足りない。捕手矢野が機敏に飛び出して弾むところを素手で掴み二塁へ送球、フォースアウト!スワローズの上位、川島、福地、田中はなかなかタフな相手だから、ここでキチッと芽を摘んだのは大きかった。その後、安藤はインサイドをズバズバつけるようになったので、このプレーで勢いがついたのだと思う。
良い流れの中で3回ウラ、一死から新井四球、金本がライト線を破る二塁打で一死二三塁。桜井は力負け、押し込まれた二飛で二死。「打てば勝ち、打てなきゃ負け」それくらい重要なこの場面で鳥谷は右中間を破る三塁打を打った。
ところでこういう場面でのスワローズの外野守備隊形が極端に浅いのが目についた。このへんが今季、昨年最下位でさらにラミレス、グライシンガー、石井一が抜けてしまったスワローズがそこそこ健闘している秘密だろう。外野手の脚力、そして勝負を見る目。ここは二死だからポテンでも2点入ってしまう。逆に頭を越されれば二塁打も三塁打も同じ。長打を防ぐのはバッテリーの仕事、点をやらないのは野手の仕事というワケだ。
鳥谷は第一打席、捉えたかに思えたが微妙に差し込まれてセンターフライに倒れていた。この打席はそれを踏まえて直球に合わせた。外高め143km/hまっすぐ、高めを打つ時の鳥谷は、インパクト時左肩のパワーがボールに乗る。どちらかといえば「柔」というイメージだが、この瞬間の鳥谷は「剛」を感じる。また最近は左腕回りの力だけじゃなく、右手首の返しの強さも加わって、ヘッドが良く走るようになっていると思う。打球は浜風ものともせず前進守備の右中間をあっというまに越えて抜けていた。3−0として試合はタイガースが完全に掌握した。
さらに4回はバルディリス中越二塁打、安藤バントできずバスター中前ヒット、赤星前進守備左寄りのショート宮本の右を狙った技ありタイムリーヒット、関本サードほぼ正面ながら強いライナーで抜いた左前ヒット、新井またしても前進隊形の右中間を破る3点三塁打、見事な5連打であっという間の4点強奪で7−0。村中をKOした。
6回は赤星センター前、関本が広く空いた一二塁間を破って、金本が不思議な三塁線を破るタイムリー二塁打、8−0。いちいち走者を残すのがアレだったけど、意図のある打撃が多いことが簡単に点が入るポイントだったろう。
さてと、安藤。全体としてそんなに良かったわけじゃないと思う。指のかかった直球が低めに決まりまくって、スピード豊かなスライダーをすみっこいっぱいに入れたり出したり自由自在にあやつるそんな安藤のベストピッチとは程遠かった。それでも援護点に助けられながら、フォークを多投し、インサイドで脅し、なんとか粘り強く投げていた。
8回、9回で2点、3点と返されたことは確かに良くないことだ。だけど良くないことの中にも、必ず良いことが含まれている。快勝を辛勝にしてしまったが、それだけチームには厳しさも生まれる。スワローズの粘り強さ、爆発力も再認識できただろう。
報道によれば、勝利の後、安藤は一つも嬉しそうな顔をせず、「最悪です」とこぼしたという。北陸遠征できつい移動をしてきたチームのみんな、ブルペンのみんなに楽をさせてやりたい。その一心で、継投を進言した首脳陣に、最後まで行かせて欲しいと頼んだ。結果は思い通りにならなかったが、首脳陣もその気持ちは嬉しかっただろう。
「気持ちを意気に感じて九回も行かせた。本人が一番ショックだろう。でも、全然悪くない」。久保チーフ投手コーチは右腕をかばい、岡田監督も「点差はあったし、一人で投げようとしていた。その心意気は買う」とひと言も責めなかった。(サンスポ)安藤にとっても、この「最悪」がきっと次の良いことに繋がっていく。