自称阪神タイガース評論家（跡地）

翌朝にあたる今にいたるまで、録画は見ていなし、ニュース等のハイライト映像すら見ていない。だから鮮やかな先制劇も、美しい追加点も、金本の久々の一発も、平野の負傷も、ボギーの乱調も、江草の失点も、字面でしか知らない。


生の時間帯は、ヘキサゴン→はねトびが見たいという家族たちに歩調を合わせた（フリをした）のだが、録画を見る時間がなかったワケではない。「どんな試合も必ず自分の目で見て、自分が思ったことを書く」を旨としているが、まだ見ていないことについての言い訳も特にない。
チャンネルをライブの甲子園に合わせた時、大雨の中久保田が投げていた。逃げ場のある内野スタンドの観客の多くは避難したようで、最近の甲子園には珍しい無人の観客が剥き出しになっている。
土砂降り。９回ウラ、桧山が出塁する。代走秀太が送られる。関本が１球でバントを決める。矢野が三振する。赤星が勝負を避けられる。土砂降り。藤本が初球を打ち上げる。気力を振り絞ってテンションを維持していた球場のエネルギーが急激にゼロ近くまで低下する。膨らませた風船の空気が抜けていくように。土砂降り。残っているエネルギーはすべて遠くレフトスタンドの一角に集中している。繰り返されるチーバ！ロッテ！マリーンズ！土砂降り…霧？…。

プチっとＴＶを消す。見ていた時間はほんの少し。頭は冷め切っているようで、心の中には熱を持ってチクチクするような小さいものがある。
３年経った。こっちが首位を突っ走っていようが、向こうが最下位に沈んでいようが何も関係ないというのか。

試合経過を見る限り、西岡が打って、今江の代わりの根本が打って、サブローが打って、今江は今江で打って、里崎が打って。フランコはいないけど大松にやられて。好き放題打たれて。
何かを変えたはずの平野が、何かをする前にいなくなっているというのはどういうことなのか。

まあ録画は消さないので、「やっぱり見ておこう」と思ったら見るとしよう。見ていなかったからこそ、余計に記憶とリンクしてしまうのかも知れないしね。



いつものように、ただの１敗だと強がることは簡単だが、そうすると自分の心の隅っこにある「イライラの素」がさらに大きくなってしまうような気がする。
まあ、そういう相手がいるということは、特定チームのファンにとってはありがたいことなんだろうなぁ、無理矢理自分の意識を上空に飛ばして、宇宙空間から俯瞰で見れば。
これがきっと「野球を見ながら年をとる」ということなのだろうから。

天候、グラウンド状態、そして平野のケガが心配だけれど、今晩は０８タイガースの真価を見せて欲しい。切に願う。