2008.06.16 Monday
ただとにかく「10点」だけは…。こればっか(笑)。
しかしすごい試合だったねえ。スタンドでハラハラドキドキしながら声を枯らせた両軍ファンのみなさんはご苦労様。場内真っ二つの大声援のおかげでこういう試合が生み出されるのだと思うよ。こういうのが去年から3試合続けてだもんね、千葉でのMT戦は。
他人事ながらマリーンズはこの連勝で勢いをつけたいだろう。リリーフ投手が試合を終盤で壊すことが多かったのだが、タイガースの猛追を2日続けてなんとかしのいで勝ったんだから。いろいろと思い出すこともあっただろうし、心の繋がりが強くなるような試合だもんね。
タイガースもこの試合は勝たなきゃいけない試合になっていて、勝てる!と思った後の「想定外のサヨナラ」。でも良い貯金の使い方だったと思う。すぐそこにあったように見えた「日本一」に爪の先すら触れられなかった05年の悔しさをしっかりと思い出した。
ズレータでサヨナラは03年の日本シリーズにもあったシーン。
貯金がなんぼあろうとも、セのレギュラーシーズンをどれほどぶっちぎろうとも、そこから先に意味があるという認識を、いやが上にも強くしたに違いない。わずかばかりの貯金を減らして、素晴らしい時間旅行を買った。モノより思い出、いや、貯金より思い出だね。
ズレータのサヨナラタイムリーで試合が終わった後、なんとも言えない気持ちになった。「いや、そんなはずはない」「納得いかない」そんな感じ。最後の1球は、2ストライクナッシングからアウトローへ逃げていくスライダー。この球が勝負球になるのは理解できるが、なぜ2−0からなのか。もちろん矢野の要求はボールになるスライダーだろう。ストライクに投げてしまったのは渡辺のミスかも知れない。しかしそれは微細なミスであり、実に起こり得るミスである。2死走者一塁にオーティズ、代打は不振のズレータ。ボビーの狙いは一発長打によるサヨナラ。タイガースの次の攻撃は赤星からの好打順で、試合を見ている人のほとんどが「100%逆転する」と予感している。渡辺は早くこの回を終わらせたい。
とにかくこの回を早く終わらせたい。だって、本当ならこの回はオーティズで終わっていなきゃいけなかったんだから。「本当」もクソもないのだが、投手は時にそんな心理状態にとらわれる。渡辺はオーティズに出した四球を明らかにひきずっていた。
9回表タイガースが2点以上取らなければ、9回ウラには「×」が入って試合終了、渡辺の登板はなかった。その9回表、まるで当たり前のように2点を奪い同点にする。さらに二死二塁でバルディリスが逆転打を打っていれば、当然9回ウラは藤川。激しく揺れまくる勝負の天秤は、奇跡的な均衡状態で静止し、渡辺の登板を生み出した。
先頭サブローへは、直球変化球ともにバラつき、カウント1−3。アウトローへ最高のスライダーが決まり2−3。勝負の直球は高めに浮いたが、サブローが打ち損じ、遊ゴロを鳥谷がさばいて1アウト。一発を狙っている里崎も力みすぎで自滅の三邪飛。不安な心理でスタートした渡辺はすっかり落ち着いた。オーティズの一発だけ避ければ良い。
初球は内へ直球、振り遅れてファール。ホームランできる可能性のある球をここで使う。いきなりはタイミングが合わないだろうという矢野ベテランの読み。そして打者にはそういう球がまた来るかもしれないという意識を強く持たせることができる。入りとしては上々だ。2球目はスライダーが引っかかって大きく外れるが、3球目はボールからボールのスライダーをでっかい空振り。結局渡辺はこのでっかい空振りの残像に最後まで振り回されてしまう。
カウント2−1。最後はあの外のスライダーで空振り三振を取るのがバッテリーの当然のイメージ。そして打者もまた最後はそこだろうと考える。今度来たら、あんな無様な空振りはしないと考える。矢野は打者もそう考えているだろうと考える。
4球目は外ボールの直球。スライダーでフィニッシュすれば間違いないという意識がある渡辺なので際どくならない、2−2。足下を気にする渡辺。
5球目、ここでスライダーだろう、渡辺もオーティズもそう考える。だから矢野は直球を選ぶ、決めたい直球が外に大きく外れる。2−3。集中できていない。
6球目、だれもがわかっているスライダー。だから渡辺もコースを狙いすぎて、投げた瞬間ボールとわかる。2−1と追い込んでから、3球ボールの四球。さあワンツースリーで終えて逆転だ!と意気上がる寸前、二死からの四球。ちぇ、いけねえ。そりゃ投手はこんな四球をひきずらないわけがない。
決定的なピンチの場面でないところで迎えた外国人2人。その警戒レベルの高すぎる矢野の配球が、本来向かって行く気持ちで相手を抑え込む渡辺を追い込んでしまったように思えてならなかった。
鶴はまた次見る時を楽しみにしている。
その後の投手たちはよう投げた。前日3回好投の太陽を出すのなら、調整の意味を込めて間隔の空いた久保田でも良かったとは思うけど。
打つ方、凄かった。尊敬する。みんな本当によく打って、よく走って、よく繋いだ。
もちろんチームを引っ張った金本と新井、繋ぎまくった関本、スタメンで入って大活躍の桧山、代打で2ランHRの葛城、9回代走で出た秀太、ナイスラン。同点犠飛のウラで二塁を奪った一走鳥谷、ナイスジャッジ&ナイスラン。その他みんなみんな、本当に感動したよ。
しかしすごい試合だったねえ。スタンドでハラハラドキドキしながら声を枯らせた両軍ファンのみなさんはご苦労様。場内真っ二つの大声援のおかげでこういう試合が生み出されるのだと思うよ。こういうのが去年から3試合続けてだもんね、千葉でのMT戦は。
他人事ながらマリーンズはこの連勝で勢いをつけたいだろう。リリーフ投手が試合を終盤で壊すことが多かったのだが、タイガースの猛追を2日続けてなんとかしのいで勝ったんだから。いろいろと思い出すこともあっただろうし、心の繋がりが強くなるような試合だもんね。
タイガースもこの試合は勝たなきゃいけない試合になっていて、勝てる!と思った後の「想定外のサヨナラ」。でも良い貯金の使い方だったと思う。すぐそこにあったように見えた「日本一」に爪の先すら触れられなかった05年の悔しさをしっかりと思い出した。
ズレータでサヨナラは03年の日本シリーズにもあったシーン。
貯金がなんぼあろうとも、セのレギュラーシーズンをどれほどぶっちぎろうとも、そこから先に意味があるという認識を、いやが上にも強くしたに違いない。わずかばかりの貯金を減らして、素晴らしい時間旅行を買った。モノより思い出、いや、貯金より思い出だね。
ズレータのサヨナラタイムリーで試合が終わった後、なんとも言えない気持ちになった。「いや、そんなはずはない」「納得いかない」そんな感じ。最後の1球は、2ストライクナッシングからアウトローへ逃げていくスライダー。この球が勝負球になるのは理解できるが、なぜ2−0からなのか。もちろん矢野の要求はボールになるスライダーだろう。ストライクに投げてしまったのは渡辺のミスかも知れない。しかしそれは微細なミスであり、実に起こり得るミスである。2死走者一塁にオーティズ、代打は不振のズレータ。ボビーの狙いは一発長打によるサヨナラ。タイガースの次の攻撃は赤星からの好打順で、試合を見ている人のほとんどが「100%逆転する」と予感している。渡辺は早くこの回を終わらせたい。
とにかくこの回を早く終わらせたい。だって、本当ならこの回はオーティズで終わっていなきゃいけなかったんだから。「本当」もクソもないのだが、投手は時にそんな心理状態にとらわれる。渡辺はオーティズに出した四球を明らかにひきずっていた。
9回表タイガースが2点以上取らなければ、9回ウラには「×」が入って試合終了、渡辺の登板はなかった。その9回表、まるで当たり前のように2点を奪い同点にする。さらに二死二塁でバルディリスが逆転打を打っていれば、当然9回ウラは藤川。激しく揺れまくる勝負の天秤は、奇跡的な均衡状態で静止し、渡辺の登板を生み出した。
先頭サブローへは、直球変化球ともにバラつき、カウント1−3。アウトローへ最高のスライダーが決まり2−3。勝負の直球は高めに浮いたが、サブローが打ち損じ、遊ゴロを鳥谷がさばいて1アウト。一発を狙っている里崎も力みすぎで自滅の三邪飛。不安な心理でスタートした渡辺はすっかり落ち着いた。オーティズの一発だけ避ければ良い。
初球は内へ直球、振り遅れてファール。ホームランできる可能性のある球をここで使う。いきなりはタイミングが合わないだろうという矢野ベテランの読み。そして打者にはそういう球がまた来るかもしれないという意識を強く持たせることができる。入りとしては上々だ。2球目はスライダーが引っかかって大きく外れるが、3球目はボールからボールのスライダーをでっかい空振り。結局渡辺はこのでっかい空振りの残像に最後まで振り回されてしまう。
カウント2−1。最後はあの外のスライダーで空振り三振を取るのがバッテリーの当然のイメージ。そして打者もまた最後はそこだろうと考える。今度来たら、あんな無様な空振りはしないと考える。矢野は打者もそう考えているだろうと考える。
4球目は外ボールの直球。スライダーでフィニッシュすれば間違いないという意識がある渡辺なので際どくならない、2−2。足下を気にする渡辺。
5球目、ここでスライダーだろう、渡辺もオーティズもそう考える。だから矢野は直球を選ぶ、決めたい直球が外に大きく外れる。2−3。集中できていない。
6球目、だれもがわかっているスライダー。だから渡辺もコースを狙いすぎて、投げた瞬間ボールとわかる。2−1と追い込んでから、3球ボールの四球。さあワンツースリーで終えて逆転だ!と意気上がる寸前、二死からの四球。ちぇ、いけねえ。そりゃ投手はこんな四球をひきずらないわけがない。
決定的なピンチの場面でないところで迎えた外国人2人。その警戒レベルの高すぎる矢野の配球が、本来向かって行く気持ちで相手を抑え込む渡辺を追い込んでしまったように思えてならなかった。
鶴はまた次見る時を楽しみにしている。
その後の投手たちはよう投げた。前日3回好投の太陽を出すのなら、調整の意味を込めて間隔の空いた久保田でも良かったとは思うけど。
打つ方、凄かった。尊敬する。みんな本当によく打って、よく走って、よく繋いだ。
もちろんチームを引っ張った金本と新井、繋ぎまくった関本、スタメンで入って大活躍の桧山、代打で2ランHRの葛城、9回代走で出た秀太、ナイスラン。同点犠飛のウラで二塁を奪った一走鳥谷、ナイスジャッジ&ナイスラン。その他みんなみんな、本当に感動したよ。