2008.07.15 Tuesday
オールスター出場予定選手発表(公式サイト)。
タイガースからはファン投票で久保田、藤川、新井、金本(選手投票も)。加えて監督推薦で、下柳、矢野の計6人。うち3人が今年で40(笑)。今年の野球界は若者が盛り上げてくれているが、高齢化社会に向け、我がチームは独自路線を行くのだ(笑)。
なお今年はインターネット投票でホームランダービー出場者を決めるという新しい試みもある。こういうのは良いと思うよ。くわしくはこちら。
目指すべきものは「戦力均衡」ではなく、あくまでも「実力伯仲」である。戦力均衡は「実力伯仲」の状態を作るための手段であるという話。
まあ、まずは言葉の問題。例えば1つのチームが強すぎたり、AクラスとBクラスがくっきり分かれてしまうよりも、大混戦でどこが優勝するかまったくわからない「実力伯仲」の状況が良い!というのは大方の共感を得られると思う。いやもちろんたまにはタイガース独走も最高だけどね(笑)。
でもやっぱりエキサイティングなのは、大接戦の大熱戦の大混戦、ドキドキハラハラ、もう興奮しっぱなし(笑)。
ただ、その時に「実力伯仲」と「戦力均衡」という言葉を、慣用的に混同しているフシがあると思うのだ。
もともと「戦力均衡」って言葉は、冷戦時代アメリカとソ連の軍拡競争の頃によく使われた言葉で、「軍備費や、兵器の質量が釣り合っている」という意味だ。
普通、プロ野球で「戦力」という言葉が使われる時もやはり「軍備費」や「兵器」、すなわち選手に支払われる年俸や、選手の実力を指していると思う。
だからプロ野球の「戦力均衡」とは、選手年俸や、選手の実力において、球団間の格差がない(少ない)状態のことを指す、のだと思う、本来、たぶん。
と、するとプロ野球で何らかの制度を作って「戦力均衡」を実現させると、こういうことが起きちゃう。
例えば、いつも満員金持ち球団Xと、いつもガラガラ貧乏球団Y、平均的球団Zがあったとする。そこで戦力均衡を実現するため、選手を実力が均等になるように配分したとする(この際方法論は省略)。
ここでたちどころに問題が発生する。兵器は均等に分散できても、各球団の軍事予算は変わらないからだ。平均的球団Zは今までどおりだろうが、貧乏球団Yでは選手に正当な給料が払えない。仕方ないから借金でまかなう。借金できなければしょうがない、選手に泣いてもらうしかない。頑張ってお客さんをいっぱい呼んで儲けたら払うから!ってね。一方、金持ち球団Xはお金が余るので、ニンジン作戦に使ったり、あれに使ったりこれに使ったり。
で、その結果は?さあ、それはわからない。実力以上のお金をもらった金持ち球団Xの選手がぜんぜん働かなくなるかもしれないし、やっぱり不当に安い給料で働かされる貧乏球団Yの選手にやる気が出ないかもしれないし。
ただ言えることは、「戦力均衡」と「実力伯仲」は必ずしも直結しないということ。
実は野球って、守備、走塁が勝負に与える影響がものすごく大きくて、しかもその守備と走塁は「軍事調練」で著しく向上させることも可能で、さらにその部分を向上させるための費用は意外と安く済む。
また実は野球って、最前線は「投手対打者」という白兵戦に集約される部分が大きいため、「一点豪華主義」が「オールスター主義」に対抗しうる場面も多々ある。実は戦略は多種多様であり、貧乏には貧乏なりの戦い方があったりもする。軍備費が少なくても、兵器の火力が弱くても(どちらかというと)実力伯仲しやすい競技ではある。
ただ、そうは言っても「自由競争」にすべてを委ねるわけにはいかない。いや自由な競争が実現できていれば良いが、諸々の「競争阻害条件」のために、自由競争が行われなくなってしまうから(ここで言う「競争阻害条件」の中には、チームを強くしようと努力しない球団が他球団の恩恵で暢気に居続けられるということも含まれる)。
そこで「独占禁止法」的な発想から、「戦力均衡化政策」を取り入れることになる。ドラフト会議がその代表だが、日本のプロ野球の場合は、この独占禁止法が弱すぎる。使っていない戦力を放出しなければならなくしたり、競争阻害によって得た利益を業界に還元したり、もっとやるべきことはありそうに思う。
「戦力均衡」は目指すところとして使うべき言葉ではなく、「実力伯仲」を目指すための「手段」の一つ、「独占禁止法」なのだと思う。
しかしここで根元的な問題にぶち当たる。結局「実力伯仲」を実現するためには、やっぱり貧富の差が大きければ難しいじゃないか!ってこと。
まったくそのとおりだ。そしてそれを解決する方法、例えば利益の再分配、競争阻害条件の排除(新規参入の自由化、球団売却制限の緩和など)がなければ、実力伯仲は難しい。それが導入できれば自然と「戦力均衡」になっていく。
なーんだ、結局、「戦力均衡」=「実力伯仲」の慣用表現で問題ないのか。理屈っぽくてすまねえ(笑)。
なお今年はインターネット投票でホームランダービー出場者を決めるという新しい試みもある。こういうのは良いと思うよ。くわしくはこちら。
目指すべきものは「戦力均衡」ではなく、あくまでも「実力伯仲」である。戦力均衡は「実力伯仲」の状態を作るための手段であるという話。
まあ、まずは言葉の問題。例えば1つのチームが強すぎたり、AクラスとBクラスがくっきり分かれてしまうよりも、大混戦でどこが優勝するかまったくわからない「実力伯仲」の状況が良い!というのは大方の共感を得られると思う。いやもちろんたまにはタイガース独走も最高だけどね(笑)。
でもやっぱりエキサイティングなのは、大接戦の大熱戦の大混戦、ドキドキハラハラ、もう興奮しっぱなし(笑)。
ただ、その時に「実力伯仲」と「戦力均衡」という言葉を、慣用的に混同しているフシがあると思うのだ。
もともと「戦力均衡」って言葉は、冷戦時代アメリカとソ連の軍拡競争の頃によく使われた言葉で、「軍備費や、兵器の質量が釣り合っている」という意味だ。
普通、プロ野球で「戦力」という言葉が使われる時もやはり「軍備費」や「兵器」、すなわち選手に支払われる年俸や、選手の実力を指していると思う。
だからプロ野球の「戦力均衡」とは、選手年俸や、選手の実力において、球団間の格差がない(少ない)状態のことを指す、のだと思う、本来、たぶん。
と、するとプロ野球で何らかの制度を作って「戦力均衡」を実現させると、こういうことが起きちゃう。
例えば、いつも満員金持ち球団Xと、いつもガラガラ貧乏球団Y、平均的球団Zがあったとする。そこで戦力均衡を実現するため、選手を実力が均等になるように配分したとする(この際方法論は省略)。
ここでたちどころに問題が発生する。兵器は均等に分散できても、各球団の軍事予算は変わらないからだ。平均的球団Zは今までどおりだろうが、貧乏球団Yでは選手に正当な給料が払えない。仕方ないから借金でまかなう。借金できなければしょうがない、選手に泣いてもらうしかない。頑張ってお客さんをいっぱい呼んで儲けたら払うから!ってね。一方、金持ち球団Xはお金が余るので、ニンジン作戦に使ったり、あれに使ったりこれに使ったり。
で、その結果は?さあ、それはわからない。実力以上のお金をもらった金持ち球団Xの選手がぜんぜん働かなくなるかもしれないし、やっぱり不当に安い給料で働かされる貧乏球団Yの選手にやる気が出ないかもしれないし。
ただ言えることは、「戦力均衡」と「実力伯仲」は必ずしも直結しないということ。
実は野球って、守備、走塁が勝負に与える影響がものすごく大きくて、しかもその守備と走塁は「軍事調練」で著しく向上させることも可能で、さらにその部分を向上させるための費用は意外と安く済む。
また実は野球って、最前線は「投手対打者」という白兵戦に集約される部分が大きいため、「一点豪華主義」が「オールスター主義」に対抗しうる場面も多々ある。実は戦略は多種多様であり、貧乏には貧乏なりの戦い方があったりもする。軍備費が少なくても、兵器の火力が弱くても(どちらかというと)実力伯仲しやすい競技ではある。
ただ、そうは言っても「自由競争」にすべてを委ねるわけにはいかない。いや自由な競争が実現できていれば良いが、諸々の「競争阻害条件」のために、自由競争が行われなくなってしまうから(ここで言う「競争阻害条件」の中には、チームを強くしようと努力しない球団が他球団の恩恵で暢気に居続けられるということも含まれる)。
そこで「独占禁止法」的な発想から、「戦力均衡化政策」を取り入れることになる。ドラフト会議がその代表だが、日本のプロ野球の場合は、この独占禁止法が弱すぎる。使っていない戦力を放出しなければならなくしたり、競争阻害によって得た利益を業界に還元したり、もっとやるべきことはありそうに思う。
「戦力均衡」は目指すところとして使うべき言葉ではなく、「実力伯仲」を目指すための「手段」の一つ、「独占禁止法」なのだと思う。
しかしここで根元的な問題にぶち当たる。結局「実力伯仲」を実現するためには、やっぱり貧富の差が大きければ難しいじゃないか!ってこと。
まったくそのとおりだ。そしてそれを解決する方法、例えば利益の再分配、競争阻害条件の排除(新規参入の自由化、球団売却制限の緩和など)がなければ、実力伯仲は難しい。それが導入できれば自然と「戦力均衡」になっていく。
なーんだ、結局、「戦力均衡」=「実力伯仲」の慣用表現で問題ないのか。理屈っぽくてすまねえ(笑)。